表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/92

ホットケーキは素敵♡

「鳥肉は飽きたのじゃ……」


 手を変え品を変え鳥料理を出してきたが遂に恐れていた事態が訪れた。はい、いくら美味しいお肉でも俺も流石に飽きました。


「っつーか風斬怪鳥がでかすぎた……流石にこの量を二人で消費は無理だったな……」


 冷蔵庫内には未だ風斬怪鳥の肉が山盛り、氷結魔法で凍らせてあるので無駄にならないのは幸い……やはり命を頂く以上はお残しは許しまへんでの精神は大切なのだ。……とはいえ飽きたものは飽きた、さてはてどうしたものか……。


「仕方ない、しばらく出るつもりは無かったが狩りに行くか」


「! じゃあ妾も行く!」


「はっ!? いやいやいや、危ないしノルンはお留守番してなさい」


「い~や~だ! 行くったら行くんじゃ!」


「だから外は危ない魔獣も居るんだから……」


 説得する俺にふくれっ面のノルンがビシッと指先を突き付ける。


「お前様、考えてもみやれよ? お前様はいつもいつでもそんな危険な場所に身を投じておる。いつもいつもお前様が出掛ける度に妾は不安で落ち着かぬ時間を過ごしておるのじゃぞ? 不憫じゃとは思わぬか? 哀れじゃとは思わぬか? 愛する妻が眠れぬ時を過ごしておるのじゃぞ?」


 眠れぬ時って……いつも夕方までには帰ってるんだから実質昼寝じゃねーか! しかも夜更かししてるとこを見るにガッツリ暇に飽かせて昼寝してるだろ……。ってか腕にしがみついて上目遣い? セクシーアピールで色仕掛けですか? ……残念、胸の感触皆無、胸骨が当たって痛いですよ? お嬢さん?


「はぁ……わかったよ、だけど俺から絶対離れないこと! 邪魔はしないこと! 指示にしっかり従うこと! いいな!」


「お前様愛しておるぞぉ! それでこそ妾が見初めた伴侶じゃ! ささ、それではでぇとの前に腹ごしらえじゃな!」


「デートねぇ……遊びに行くんじゃないんだが……。まぁいいか、んじゃ朝食は何がいい?」


「う~む……ホットケーキ! ……といったかの? 前に食べたあの甘いやつがいいのぅ」


「はいはい、んじゃ準備するから少し待ってな」


 さっきまで涙目だったくせに現金な……ってかこれはしてやられた……か? 女の涙は武器ってねぇ……十歳でこれじゃ先が恐ろしいわ……。


「……お前様? なんぞよからぬ考えをしておるのであるまいな?」


 う~む……勘も鋭い、本当に末恐ろしい幼女だ、全く。


「いやいや、デートタノシミダナアってな? さあ卵は取っておいたのがあるからあとは小麦粉、砂糖、牛乳、ベーキングパウダーに豆腐だな」


「お前様言葉に感情がこもっておらぬぞ? ……毎回疑問なのじゃがなぜ甘いお菓子を作るのに豆腐を入れるのじゃ? それは醤油やポン酢をかけたり味噌汁に入れるおかずなのではないか?」


「おかずってもこれそのものに塩っ気は無いしな、ほれ、ちょっと味付けなしで食べてみな」


「もがっ……むぐ……うむ、豆の風味に……ほのかに甘い……?」


「国や地方によっては甘く味付けしてスイーツとして食べる地域もあるしな、豆腐状に固める前の豆乳に果汁や砂糖で味付けして飲んだりもする。どんな物も調理と味付け次第、まあ、ホットケーキに入れる目的はしっとりもっちり仕上がるから、だな」


「ふ~む、所変われば……という事かの?」


 ノルンが不思議そうな表情で豆腐を眺める、まあ、俺にとってしてみればこんな異世界で豆腐がしっかりかっきり魔界においてまで普及しているのが一番の不思議なのだが……。


「さて、それじゃあ作るか。まずは豆腐を泡立て器で潰し混ぜる、ペースト状になったら卵も加えてしっかり空気を含ませるように混ぜる」


「なぜ空気を含ませるのじゃ?」


「泡立てる際に生地に入り込んだ空気の泡が焼いたとき生地を膨らませてふんわりさせてくれるんだよ、ベーキングパウダーもその役割をするけど卵もしっかり泡立てた方がよりふわふわに仕上がる」


「ふむふむ、よいのぅ……待ちきれぬのぅ……」


「んで砂糖を加えてざっくり混ぜて、牛乳を少量、そして振るった粉類を入れて混ぜたら生地の完成」


「お前様! 焼くときはバターたっぷりでたのむぞ!」


「油っこいの食べ過ぎると出掛けた時きついぞ? まあたっぷりにしたほうが美味いのは同感だがな」


 あとは弱火で熱したフライパンにバターを敷いて生地を投入、表面がふつふつしてきたら引っくり返して……串で刺して生地がついてこなくなったら出来上がりっと……。


「よし、出来た! んじゃ席について……って速いな!」


 振り向いたら既にナイフとフォークを手に持ち着席したノルン。やれやれ、楽しみなのはお出掛けかそれともホットケーキか……朝からはしゃいで燃料切れ起こさなきゃいいがなぁ……。


「お前様! シロップもたっぷりじゃぞ! ぬぬっ!? こっ……これは! フルーツまでトッピングじゃとぉ……!」


「リンゴとバナナがあったからな、バターと砂糖で焼いてみた、生のまま食うのもいいがこっちも美味いぞ?」


 ホットケーキの上に乗った焼きフルーツを見てノルンが目を輝かせる。報告する、サプライズ作戦は成功、繰り返す、サプライズ作戦は成功した!


「さて、それじゃ今日は何処に行くかな……ノルン、どこに行きたい?」


「はむっ! ムグムグ……おおっ! 焼いたリンゴの酸味が……! バナナはバナナでとろけておる! これはどちらも甲乙付けがたい……! まてよ……全部一緒に食べたら……。!! ふわああぁぁぁ……」


「聞いてねぇなこいつ……お~い! ノルン! どこに行きたいんだ? ってか食材狩りに行くんだったな、ってーと何が食いたいんだ?」


「大きい声を出さずとも聞こえておる! 折角美味い物を食べておるんじゃ、余韻に浸らせてくれてもよかろう? ……さて、何が食べたいか……じゃのう……。そうじゃ! お前様魚はどうじゃ? 最近肉しか食べておらぬからな、魚もたまにはよかろう?」


 魚かぁ……ここいらにある川は二本、海は巨大海蛇シーサーペント巨大蛸クラーケンが居るから却下……。比較的安全なのは……。


「よし、じゃあ川に行くか! 太い方のはでかい魔物居そうだから細い方の川な、美味い魚が居ればいいが……」


「ふぬ? 太い大きな川はあったが……モグモグ……そんな小さな川なぞあったかの?」


「さぁ? 二ヶ月前に大雨があったろ? その時にあっちのでかい川から支流が生まれたらしい、流石に支流までは巨大な魔物は来ないだろうから安全だろ? さて、腹も膨れたし、歯を磨いたら出発するぞ!」


「むぐっ!? お、お前様、ちょっと待ちおれ! まだ妾が食べている途中じゃぞ! おめかしもしたいのじゃから少し待つのじゃ!」


「ほれほれ、早く準備しないと置いてくぞ~♪」


「むうぅ~! 意地悪はやめるのじゃ! 食事はしっかりよく噛んで食べなければなるまいに……全く、お前様は子供じゃの!」


 ……わ~お、幼女に子供扱いされちまったい、まぁ、冗談はさておきしっかり準備せねば……。あ、昼用に弁当も作らなきゃか……ノルンが準備してる間にちゃちゃっとそっちも済ませるか……。

ホットケーキ


 ホットケーキミックスには卵1個との表記の物が多いですが個人的には2個使用した方が格段に美味しくなると思っています(っ´ω`c)


ホットケーキミックス:1袋(150~200gメーカーによってまちまち)

卵:2個

豆腐:絹ごし150g

牛乳:50ml位、生地の固さを調整して増減して下さい

バター、メープルシロップ:お好みで



1.ボウルに豆腐を入れてすり混ぜる、大きい塊がなくなればオーケー。


2.卵2個を割り入れて泡立て器で更に混ぜる(しっかり空気を含ませた方がふっくら美味しくなります)


3.牛乳を加えてホットケーキミックスを投入、粉っぽさがなくなるまで混ぜる。(生地の固さは好みがありますが固めにした方がよく膨らみます、おたまで掬って落とした際に生地が流れずボタボタっと落ちる位でいいです)


4.フライパンにバターを敷き、弱火で加熱し生地を投入、生地の説明に合わせ焼いて下さい。(固めだと厚みが出ますので焼き加減を串などを刺して確認して下さい)


 作中でも触れましたが豆腐を混ぜ込むと生地がしっとりとしパサつかなくなります、溶かしバターなども加えると更に(*´ω`*)

 ホットケーキのアレンジは幅がありますから色々試してみたいですね(っ´ω`c)


 ブクマ、評価等頂けますと作者の励みになります。レシピが気に入ったらぜひ!(ºДº)クワッ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ