反抗期
「ぬぬぅ……ジャクリーン! 食事の時は食卓に着かぬか! 皆で卓を囲んでこその食事であろう!」
茶碗に飯をよそう横でノルンの声が響き渡る。だが当のジャクリーンはどこ吹く風、自分の分の食事を確保しソファにどっかりと腰掛ける。
「魔族なんかと一緒に飯なんか食えるかよ! 何処で食おうがわた……俺の自由だろ!」
魔族と食卓を囲むのは拒否しても魔族の作った食事はしっかり美味しく頂いている辺りまぁポーズというかなんというか……。
頭で理解はしていても感情が拒否してんだろうな、仕方ない事ではあるがどうしたものか。
悩む内に食事を平らげたジャクリーンが食器を流しに運び二階の部屋に引っ込む、溜息混じりにそれを見送ったノルンが席に着き「いただきます」と呟き箸を宙に泳がせた。
「ぬぅ……一体どうしたものか……、あれが反抗期というものなのかの? 親ぶるつもりも無いが子供の扱いというものは難しいもんじゃのぅ……」
いやいや、子供って……あなたも十分子供ですからね? ってか自分と歳の変わらない子供がこうも達観してるとなると何だか気に食わないというのも分からんでもない。特に立場は違えど互いに親を亡くした者同士ってのもな……。
「まぁあの年頃は色々複雑なんだろ、それに慣れない環境に連れて来られて混乱もしてるだろうし。魔族に対する悪感情もなぁ……」
「種族に拘ってどうこうと子供じゃのぅ……所詮見た目など個を表す記号に過ぎぬ、我らを『魔族』とくくり敵視して、見たくないものに蓋をするなど愚の骨頂じゃ」
言わんとしている事は分かるがなぁ……。人界では魔族は不倶戴天の仇敵として魔物と同列であると教育されている。話は通じず、血肉を好み、人とはかけ離れた容姿でこちらを敵視している……。
何をもってして魔族と定義しているかも曖昧、同じように喋り、思考し、家族を愛する。何なら異種族間でも子を為す事だって出来る。
地球生まれの俺からしてみれば人界に普通に生活しているテリオス達のような獣人の方が人から縁遠い存在にも見えるんだが……。ぶっちゃけ地球でもたかだか肌の色で争い合っていたんだからこの問題はもっと根の深い物なのだろう。
「プロパガンダ教育の賜物ってとこかねぇ……」
「プロパ……? なんじゃそれは?」
「特定の思想への教育ってやつだな、統治を強力にするために教育で一方向に思想の誘導を行う。言ってみりゃ国家ぐるみの洗脳だ」
「ふむぅ……最初から敵として教育されておるとなると根は随分深い物なのじゃな……魔界でもそういった部分は多少はあるがのぅ」
互いにそう教育を受けていてある日突然仲直り、な~んて都合のいいこと有り得ないよなぁ。国家間でいくら条約を結ぼうと個人の思想までコントロールは出来ないもんだ。
「まぁ、言葉で分からせるより色々見せてやった方が早いだろう。ちっとの間俺に任せてくれよ」
「むむぅ……また風呂でのような事は無いじゃろうの?」
「だからあれは事故みたいなもんだろって……」
こうも警戒されると信用されてないのではと悲しくなるな……。俺何かやらかしてるかな? 何もやっては無いとは思うが……。
「して、見せると言って何を見せるのじゃ?」
「この領内をざっと一周りってとこだな」
「ぬぅ……死なねば良いがのう……」
まぁそこら辺は俺も付いて居ますし、大船に乗ったつもりでドーンと任せておきなさい! 大丈夫大丈夫! ……多分。
嫁様が出産で入院するため、子供達との交流を優先して執筆速度が鈍ります(既に滅茶苦茶鈍ってるってのは禁句)
仕事が休みなので逆に頻度が上がる可能性もありますがそこら辺は娘達のみぞ知る、ですなm(・ω・m)
祝え! 新たなる我が子の誕生を! ということで頻度が怪しくなっても変わらぬご愛顧を賜れると幸いです(´;ω;`)




