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害虫駆除

「あ~……ほんと何なんだこの家は」


「ぬうぅ……ぎぼぢわるいのじゃ……吐きそう……うっぷ」


「一体何をどうしたら世界の罠の見本市みてぇな家が出来上がんだ? 作った奴の顔が……っとそういやお前か……」


 凄く心外なことを言われてるが言い返せない。ってかかなり登ってきたがジェットコースターじみたトロッコに逆バンジー、光るプレートを順に押す仕掛けもあれば遮られたフロアをクレーンゲームの如くにクレーンで移動する仕掛けまで……。

 あれだな、あっちの世界で見た映画やプレーしたゲームとかが参考になってんだな。改めてS〇WやCU〇Eの罠やバイ〇ハザードのサイコロステーキ罠みたいなのが出てこなくて良かった……。

 混乱の中でも最低限の倫理観を失ってない俺、ナイス。


「それにしても随分上に来たが一体どこまで登ってきたんだぁ? 地上何メートルかもさっぱりわかんねぇぞ?」


「帰りもあれを辿ってゆくのかえ?」


 げんなりした顔でこちらを見つめる二人、まぁそんな顔しないでもちゃんと対策はとってありますとも。


「帰りは転移陣を使って帰るから簡単だ、庭にポータルを作ってあるから一瞬だよ」


「て……転移……じゃと??」


「……お前が出鱈目なのはしってっけどよぉ? ありゃぁ魔術師が何十人も集まってようやく人一人無事に送れるかってやつだぞ? それを事も無げに……」


「……そんな大層な魔法だったのか……いやな、調味料の買い出しとか便利だからさぁ」


「ちょっと買い物に行くのに使うような魔法じゃねぇな……。ってかマリーは一体どういう風にお前に魔法教えたんだ?」


 俺だって馬鹿じゃないし空気も読める。こっちに来て暫くした頃に元の世界に帰ろうとして偶然転移の方法は編み出したが……流石に移動を馬車や飛竜に頼ってる辺りを見て普通の魔法じゃ無いってのは気付いてる。

 まぁでもそれはそれ、これはこれ。楽できる物があるのにそれを使わないなんてナンセンス! 利用できる物は利用しなきゃね。


「むうぅ……調味料や不足品をどこで調達しておるのかと思ったら……。お前様一人であちこちしてずるいのじゃ! 妾も人界の町を見てみたいのじゃ!」


「そういやノルンはまだ行ったこと無かったか……。なら次の買い出しは一緒に行くか? ちゃんと大人しくしているのが条件だが……!?」


「なんじゃ? どうしたのじゃお前様?」


 不審がるノルンを抑えて耳を澄まし神経を研ぎ澄ます。不思議な気配、背筋を走る冷気にざわつくうなじ……気温が下がったように感じるのは標高が高いだけじゃ無い。

 そもそも世界樹の内部は気温調整機能があるのでこのようにあからさまに温度が変わることは有り得ない……。


「テリオス、分かるか?」


「おぅ、何度も何度も戦場で感じた空気だ……」


 濃厚な死の香りが駆け抜ける廊下を満たしている。逸る気持ちを抑え走るその先に、香りの主が姿を現した。



「と~う!!」


 ドカッ!


 廊下を抜けた先に見えたのは暗雲漂う夜の空。枝の間に作られたテラスにしゃがむ影に向かい、ノルンが放ったドロップキックが炸裂する。


『あだっ!? んなっ? 誰だ! 儂の家に何のよ……あっ……』


「『あっ』じゃねーよ……なーにが『儂の家』だぁ? てめー性懲りも無く不法侵入しやがって……!」


「伯父上、なにをしておるのじゃ……? 妾と! 旦那様の! 愛の巣で!」


『ぐおっ……そっ……それは……ぬぬぅ! こうなれば是非も無し! ここはお前達の家だ、だが今は儂の住処だ! 奪ってみるがいい! 出来る物なら!!』


 ネクロスの言葉に合わせ空を見上げるノルン、何かを察したテリオスが廊下にそそくさと退散する中ノルンが視線をこちらに向けてくる。


 お前様、やるぞ?


 おう、っちまえ!


 アイコンタクトで互いの意思を確認するのと時を同じくして周囲を幽鬼レイスの群れが取り囲む。

 冷気が辺りを満たす中、堂々と、高く高く掲げられた指をノルンが勢いよく振り下ろした。


雷嵐サンダーストーム!!』


 ホワイトアウトする視界、遅れて衝撃波と轟音。幹を焦がし走る稲妻に、幽鬼の群れが為す術も無く宙にかき消えてゆく……。

 辺りを満たす焦げ臭い匂いと煙に呆気にとられていたネクロスが慌てて両手を前に突き出しまくし立てる。


『なっ……!? なん……だと……? いっ……違っ違うんだ! 出来る物ならっていうのはこんないたいけな年寄りを追い出して心は痛まんのか? っちゅう……!』


「伯父上、世話になった手前言うのは憚られるが……妾と旦那様のらぶらぶ新婚生活を邪魔する者には死あるのみじゃ。さらばじゃよ……あっちで父上によろしくの?」


『いっ……嫌だっ!! もう魔獣に襲われながらの野宿はっっ!……寄る辺なく風に飛ばされて生きるのはっ! 儂だって……儂だって屋根のある場所で安穏と寛ぎたいっっ!』


「安心せよ伯父上、もう魔獣に怯えて眠る必要は無い『光を辿る影法師 ひとひらひとつまたひとつ 辿る光を束ねる紐を 解いて放つは日輪の威光!』……達者での……『陽光降臨(ゾンネ•シュトラール)!!』」


 詠唱と共にノルンの背に光り輝く翼が生え、散った羽根が翳した掌へと収束してゆく……。気合と共に解き放たれた魔力がプラズマを放つ熱線となり、バチバチと空気を弾く音を立てながら目の前の全てを消し飛ばす。

 ……えっ? ノルンさん……ちょっとやりすぎじゃないですか? あの……あれ、そうそう、いつも窓から見えてたあの山です。形……変わってやしませんか?


「ふん! これで流石に懲りるじゃろう! お前様♡言うとおりにやったら妾にも光魔法が使えたぞ! 今まで使えぬ物と諦めておったがやれば出来るものなのじゃな!」


 ……出来る、うん、出来るとは言った。だけどぶっつけ本番で光魔法の最上位を放つなんて誰も思いはしない……。もしかして俺……ヤバいことしちゃってる?


「……お前……嬢ちゃんに一体何教えてんだぁ? まさかお前みてぇのをもう一人作ろうってんじゃねーだろうな? ……流石に洒落にならんぞ……」


「ま、まぁ、大丈夫大丈夫! 変なことには使わないだろうしさ! 細かい事は気にしない! うん!」


「はぁ……今更とやかくは言わんが……手綱はしっかり握っとけよ? 下手すりゃ嬢ちゃん一人で世界を滅ぼせるぞ?」


 いやいや、そんな大袈裟な……とは思うけど。でも確かに十歳児がこのレベルの魔法を操るのは異状? なんだよね? マリーやらテリオスやら魔王やらネクロスやらと周囲に居た奴のスペックが異状過ぎて麻痺してる?

 そういやマリーに魔法を教わったとき『最上位魔法は到達点、才能ある者が生涯かけて行き着ける高み』なんつって言ってた気が……。

 えっ……やだ! うちの子って優秀すぎ? 保護者会とかあったら自慢していいレベル?? 成人する頃には俺を超えるんじゃないかしら?


「のぅ、お前様? そういえば最上階に用事があると言っておったが……まだ登るのかの?」


「いや、居住? フロアはここまでみたいだからな。それに枝分かれしている部分だからここらにあるはず……って、まさかさっきので全部焼けたとかないよな??」


「なんでぃ、何を探してんだぁ?」


 焦げ臭いテラスの上を走り回り枝の分かれ目を見て回る。

 ここは……無い……。こっちは……無い……。そこに……あっ! あったあった!


「よしよし、何とか無事だったかぁ……ってか発光してる? 何だろ? 光魔法浴びた影響??」


「なんじゃ、世界樹の新芽を探しておったのかの? 一体何のためにそんな物を??」


「ん? それは秘密だな、出来上がったら教えてやるから楽しみにしてな」


「む~! 夫婦の間に隠し事は無しであろう!? 何に使うのか教えるのじゃ!」


 俺のシャツの裾を引っ張りふくれっ面をするノルン、いくら可愛らしくおねだりしてもこればっかりは教えられませんなぁ。


「あ~、イチャついてるとこ悪ぃけどよ? そろそろ降りねぇか? 流石に腹も減ったしそろそろ帰んなきゃな」


「おぅ、悪い悪い、そんじゃ下に戻るか」


「うぬぅ、伯父上に無駄に力を使わされてお腹がぺこぺこじゃ。お前様夕飯は何にするのじゃ?」


一角獣ユニコーンの筋煮込みがあるから『ぼっかけ丼』にでもするか、あとは味噌汁作るだけでいいから楽だし」


「ぼっか……? 一体なんじゃそれは?」


「まぁ食ってみりゃわかるよ、俺も腹が減っちまった。さっさと戻ろう」


 色々問題はあったが家の全容把握も出来たし害虫駆除も完了した。とりあえず暫くはのんびりしたいな……。あ~、そういや魚人族マーマンの集落の場所とか安全確保に住居の問題に……。

 ……取り敢えず腹を満たして考えよう、うん、空腹時は考え事は自殺行為。問題は明日の俺が解決してくれるだろう、頑張れ、明日の俺……。

ぼっかけ飯m(・ω・m)


 兵庫県名物の牛スジ煮込みをご飯に豪快にぶっかけた丼です、半熟卵や刻み葱、一味などをかけて食べるととても美味しいです(*´ω`*)


 牛スジ煮込み


牛すじ肉:500g

長ネギ:1本

大根:1/4本

こんにゃく:1枚

生姜:チューブで好きなだけ(我が家は10cm程度入れます


調味料


醤油:大匙4

砂糖:大匙3

味醂:大匙1

味噌:大匙2

酒:100ml



1.こんにゃくは下茹でして臭みを取り1cm角に切る、大根は形と食感を残したいなら1cm幅程のいちょう切り、そうでなければこんにゃくと同じに1cm角に切る。長ネギは緑色の部分を切り離して白い部分を薄切りに。


2.鍋によく洗った牛すじ肉と浸るくらいの水、分量外の酒(好きなだけ)を入れて下茹でする、灰汁が出るのでこまめに取り除き、一度ザルにあけて茹で汁を捨てます。(灰汁は臭みの元になるのでなるべく取りましょう、酒も臭み取りで入れてるので勿体ないと感じたら少量でも構いません)


3.牛すじ肉を一口サイズに切り鍋に戻しひたひたになる位の水、長ネギの緑色の部分、生姜を入れて弱火でコトコト1~2時間灰汁を取りながら煮ます。


4.鍋から葱を取り出し、茹で汁を捨てて新たに酒とひたひたになる位の水を入れ、調味料全部と大根、刻んだ葱、こんにゃくを入れて弱火で1時間ほど煮込んで完成です。


 時間は掛かりますがトロトロになった牛すじ肉はご飯もお酒も進みますm(・ω・m)

 基本は弱火で放置して灰汁を取るだけなので暇なときにでもいかがでしょうか?(*´ω`*)

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