吊り天井
「うぬぅ……何も無い部屋だの?」
「一階部分と似た感じだが他に部屋が無い辺りホールってとこか?」
「いやぁ……こういう部屋がある時は決まってだなぁ……」
ガキョン! ガシャン! ガコン!
「んなっ……入口が塞がれてしもうたぞ!?」
カコン……カキッ……キュラキュラキュラ……
「あ~……なんかこういうのありがちだよなぁ……」
「ダイキ……お前ほんっと素直にひねくれてんな……」
ガリガリガリ……ゴリッ……キュルキュルキュルキュル……
いやいや、野郎に褒められても嬉しくないね! ってかマジで俺何考えてこれ作っちまったんだ? イン〇ィ先生に影響受けすぎだろーが! お次はトロッコレースでも始まるのか!?
「うにゅああぁぁ!? 天井が迫ってくるぞ! どうするのじゃ? お前様!?」
「どうするったって……テリオス! ちょっと天井支えててくれ!」
「ぬぉっ!? うおぉっ! こりゃ……っ結構きついぞ……っ……ダイキ! なんか手はあんのか!?」
「じゃあ後は頼んだ! 俺らは逃げる!」
「ちょっと待てぇ!! ふざけんなよ!?」
「ジョークだよ、ってか仕掛けとかなきゃ逃げようもないだろ?」
仕掛け、仕掛けねぇ……。室内には凹凸無し、ルートは入ってきた入口のみ。となると……。
「うぬぬぅ……先程から動悸が止まらぬ……はっ!? これが吊り天井効果?? 今旦那様に抱き付けば更にらぶらぶに!」
「お前らイチャついてる間にさっさと仕掛を解け!! 潰されてぇのか!?」
いや、イチャついてるわけじゃなくノルンがしがみ付いて来てるだけなんだが……。まぁでも俺の記憶を元に作ってあるのなら金〇ロードショーで見たあんな感じに……。
「っ! やっぱり入口の向こうにスイッチがあるな、向きはこっちからは死角か……」
「塞がれた向こう側か!? どうすんだ? 早くしねぇと挽肉になっちまうぞ??」
「挽肉……ハンバーグ……」
「だから嬢ちゃんはその目で見るのをやめろおぉぉぉお!」
ノルン……挽肉に反応するのはいいがその挽肉はテリオスと俺達の合い挽き肉だぞ?
さてさて、絶体絶命に見えるがそれはあっちの世界でならの話。魔法があるこの世界でならば上手いことスイッチ付近に魔法を飛ばせば……。
「『石弾』」
ガキン! バゴッ! パシイッ! ガコン! キュ……キキュカキュ……ギッ! カラカラカラガラガラガラ……
「おっ? ふいぃ……危なかった……。かなり距離もあったみてぇだがどうやったんだ?」
「壁面の自動反撃機能を利用した。スイッチの対面に魔法を当てて反撃に出た枝にスイッチを押させたんだ」
「相変わらず器用な事やってみせんなぁ……だが、ぷっ……その腫れたほっぺたはどうしたんでぇ? ククク……」
笑うんじゃねぇよ、威力の調整ミスってこっちにまで反撃が届いたの! ノルンがしがみ付いてなければ避けれたんだが……ってか尻尾を巻き付けるなっつーの! 苦しい!
「おっ? 天井が上がったら階段が出たな、んじゃあ次の階に行くかぁ」
「うぬ? お前様、あれはなんじゃ?」
「? あれって? ……千切れた布切れ? なんだこりゃ?」
部屋の隅に落ちていたのはボロボロの千切れた布切れ、かなり年季の入った厚手の生地だが……これは?
「俺らのじゃねぇってこたぁ侵入者のもんかねぇ? 死体が無いってことは侵入者も上に行ったって事か?」
「ここを越えて……ねぇ……」
ふ~む……樹木人の森を越える実力者で迷路の謎を解き、吊り天井の罠もものともしない? ……考えただけでもかなりヤバい相手なんだが……。
一体この先にどんな化け物が居るのやら……俺で対応出来ない相手じゃなければいいが……。尤も、そんな奴がこっちに居るなら戦争なんざとっくに終わってるはずだがなぁ……。




