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尋問日和

「だからね? きみ達の記憶とか願望とかを読み取ってミックスしてフロア構成に反映しちゃってる訳なのよ、だ~か~ら! 私は無実なの~!」


「それはそうとしてなぜその説明をしなかった? おかげさんでこっちはえらいめに遭ったんだからな?」


「そうじゃそうじゃ! あのようなことになるなど聞いてないぞ!」


「う~……それは分からない方が色々楽しめるかなって……うわっ! わわっ! ちょっ……揺らさないで! おっぱいこぼれちゃうわよ!」


 今日は庭で尋問日和、性懲りも無く飯をたかりに来たマリーを捕獲し逆さ吊りです。ったく……なんやかんや仕込んどいてよく厚顔無恥に大手を振って訪ねて来れるもんだ。


「……それにしても、家の周り樹木人トレントだらけになってるけど一体どうなってるの? 国立保護区の霊樹の森でもこんな沢山は居ないわよ?」


「セキュリティ目的でな、一帯の木を魔力注いで樹木人にしておいた。これからは今日みたいに飯たかりに来てもすぐ分かるからな?」


 一瞬呆気に取られた表情をしたマリーが諦めたような大きな溜息をつく、なんだよ? 俺が何かやったかよ?


「……きみは……自分がどんだけ凄いことやってんのか無自覚なんだろうねぇ……。とりあえずこの樹木人くんに離すように言ってよ~! 悪気は無かったんだからさ!」


「悪気ねぇ……んじゃあこのベッドに潜んでいた触手生物テンタクル君は何だったのかねぇ?」


「うぇっ!? あ、いや、その~……。ちょっとした遊び心というか……夜の生活に活用シテイタダケタラト……」


「活用? どういう風に使うのじゃ? こんな物あったら安眠などできぬじゃろう? この間など拘束具に捕まった旦那様にこやつが襲い掛かりおってとんでもないことに……」


「!! ノルンちゃん! その時の様子を詳しくいいかな!?」


 マリーが鼻息荒く目を輝かせる。待て、聞いて何になる? 涎を垂らすな、どういうリアクションだそれ。


「あ~っうっさい黙れ! ノルンも詳しく説明しなくていい! 樹木人達、こいつに触手生物貼っつけて結界の外に放り出しとけ!」


「ちょっ! 待ってよ! そんな状態で放り出されたら流石の私でも死んじゃうってば!」


「さらばじゃマリー、あっちで父上に会ったらよろしくな」


 違うなノルン、こいつはあっちで魔王には会えない。ノルンが泣く原因を作ったこいつの行く先は控えめに見ても地獄以外に無い。


「ちょっと! ちょ~っと待った! 折角最近の情勢を教えてあげに来てんだからさ! 色々どうなってるか気になってるでしょ!? ちょっと話だけでも聞こうってば!」


「……はぁ……なら条件がある」


「うんうん! 何でも言って! どうか命だけはっ!」


「それじゃあ……家の中に仕掛けた諸々に関して全て所在を明らかにして外して貰おう」


「!! ……うぐっ……うぅ……全部見ても……怒らない?」


 怒る怒らないの問題じゃない、怒るのは大前提。むしろ何処をどう考えたら怒られないっつー選択肢が出て来るんだ? 拒否をするなら触手と一緒にさようならだ。さて返答はいかに?


……


「まぁ……よくもここまであちこちに色々仕込んでくれたもんだな……」


 床に積み上がる秘密道具の数々……用途の予測出来る物から全く何に使うかわからん代物まで、一体どうやって持ち込んだのやら……。


「ふぬぅ……こちらの高速振動する棒は何かの? マッサージ器具? ……なぜ鞭があるのじゃ? 妾も旦那様も鞭は扱わぬぞ?」


「あ~、それは戦闘というか夜の戦闘用の……あだっ! ひどーい! 殴った~!」


「拳骨で済んだだけ有難いと思え! ノルンに変なこと教えてんじゃねーよ! 本当に触手まみれにして荒野に放り出すぞ!」


 ったくどいつもこいつもノルンに妙なこと教えようとしやがって……。色々歪んで覚えたらどうしてくれる!


「まぁとりあえずこれは回収するわ……結構貴重な魔道具とかも使ったんだけどなぁ……」


「その『貴重な魔道具』とやらをゴミに加工しておいて何言ってんだ? さっさと用件済まして帰れ」


「あ~んもう! つれないわね! ……仕方ない、いつもの王都の問屋に卸すか……。さて、それじゃあ情報を……とその前にぃ……コホン、古来より魔術師というものは……」


「飯はくれてやんねーぞ? てめーの命が対価だ」


「うぐっ! そんなこと言わないでよ、私とダイキの仲じゃない? さっきから滅茶苦茶美味しそうな匂いしてんだしさぁ~!」


 お前との間には師弟関係以外の関係などない、今日改めてそれすら解消したいと思ってる次第だが?


「ふむ……マリー、その腰に下げている物はこの間の龍鱗かの? アクセサリーに加工したのかの?」


「おぉっ! そういやこれがあった! んっふっふ~♪よくぞ聞いてくれました! 今日の目的はこれが完成したからってのもあるのよ!」


「おぅ、じゃあそれ置いて帰れ」


「ダイキ私に厳しすぎない? で~も~、これの効果を聞いたら絶対私に感謝するはずよ?」


 感謝ねぇ……こないだ信用して裏切られたばっかだからな、何を聞いても嘘に聞こえる……ってか何でまだ信用が残っていると思えるんだ?


「これは一体どういう物なのじゃ?」


「これは二人にはぴったりな物だと思うよ~♪これはねぇ、持ち主同士を引き合わせる御守りなの!」


「引き合わせる? 御守り?」


 あれか? 縁結び神社とかにある御守り? それともス〇ンド使いは引かれ合う的な能力が身に付くやつ?


「ふむ……それが本当ならノルンの迷子防止に役立つか……それが本当ならな」


「……何で二回言うのよ……まぁいいわ、それじゃ二人とも身に付けてみて~」


「ふむふむ……ブローチなのじゃな……」


「よっと……これでいいか?」


「よしよし、んじゃそれに魔力を流してみて~♪」


 やれやれ……なんだかんだ言いつつ付き合っちまうのは流されやすい日本人の性か……。えっと、魔力を流す? こんくらいかな……うごっほぉ!?


「うにゅっ!? お、お前様……急に妾を抱き寄せてどうしたのじゃ!? 妾の事が好きなのは分かっておるがそういうのはマリーが居ないときにしてほしいのじゃ……♡」


「いやっ……違っ……ノルンがいきなり吹っ飛んできて……あだっ! あだだだだだ! ちょっ! 頭動かさないで! 角っ! 角刺さってる! 角! マリー! どうなってんだこれは!」


「魔力を込めすぎよ、一旦供給止めてみて」


「っとぉ……何させんだよてめーは! 俺じゃなかったら腹に風穴空いてたぞ! っと……ノルンも離れなさい! 身動きとれないでしょ!」


「う゛~、離れたくないのじゃ……もう少し堪能させて欲しいのじゃ……♡」


「相変わらず熱々ね~……ほんと目の毒だわ……。とりあえずさっきのは魔力の注ぎすぎ! 普通だとああはならないの! 慎重に少しずつ魔力を込めてみて」


「……? おお……魔力の流れが……引き合ってる?」


「ふぬぅ……おぉ、これはこれは……。こうも引き寄せられると離れるのは無理じゃのぅ……♡」


 ブローチに注いだ魔力が指向性を持ってノルンを指している。なるほどなるほど、これなら離れた場所でもどっちにノルンが居るか分かるな。


「なるほど……簡易のGPSになるんだな……。確かにこいつは便利だ」


「GP……?? あっちにも似たような物あるの? ……まぁいいか、加えて魔力の流れる方向を制御したらさっきのノルンちゃんみたいに相手のとこまでひとっ飛び! な~んて芸当も可能な訳よ♪」


「……それ間に障害物ある想定してるか? 山でも岩でもあったらそこに突っ込む事になるぞ?」


「……ま、まぁ! この機能は使わなければいい話だから! 魔力を込めすぎなきゃ大丈夫よ!」


 はぁ……迂闊に使う前に気付けて良かった……。だが、確かにこの道具は助かる、この前みたいなことがあった時にノルンの居場所がすぐ分かるのはいいことだしな。


「なるほどね……んじゃ有難く貰っとくとしよう。ノルンは使うときに必要以上に魔力を込めないように、いいな?」


「うむ! はぁ~……じゃが……ほんの少し魔力を込めただけなのに離れられなくなる……いやはやこれはまいった~まいったのじゃ~♡」


「アー……ウン、ソウダネ」


「それじゃお腹も減ったことだし、ごっはん! ごっはん!」


「おぅ……あ、今日はお前席について絶対動くなよ? 何かしようもんなら放り出すからな?」


「大丈夫じゃ、妾がしっかり見張っとる」


「……信用無いわねぇ……流石に傷付くわよ……」


 ……信用されたきゃそれなりの行動を取れっての……折角千年生きてきてんだからそれ位分からなきゃ駄目だろうに……。

読んで頂きありがとうございますヾ(o´∀`o)ノ


ブクマ、評価など頂けましたら筆者のモチベーションアップに繋がります、どうぞよろしくお願い致しますm(・ω・m)

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