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第51話 リアル介入


 良いところと言えば、水の即時回復魔法の披露くらいで、モモカとの狩りを終えた。


 モモカも初級エリアではタンクとしての安定感が出てきたので、こちらは各種新魔法の使用感も確かめながらの狩りであった。


 意外と初級風魔法の突風ウィンドブラストがダメージ低めではあるものの、消費MPも低めでノックバックが通用する敵には使い勝手が良いかもしれない。


 飛行の敵に特効らしいので、イーストによく出る大鷲にも試してみたいところだ。

 ただ、連発して詠唱するのが疲れる。


「さっ、さいとーさん。この間みたいのって、よくある事なんですかね⋯⋯?」


「リアルで邪魔してくるやつか⋯⋯。どうなんだろうな」


 モモカは不安げな表情だ。無理もないのかもしれない。公表の主ともなれば対応せざるをえない事も起こりうる。


「色々、聞きたいこともあるから餃子バーに行ってみるかな⋯⋯」


「わ、私も行っても良いですか?」


「⋯⋯良いんじゃないか」


 良いんだろうか。いや既に打ち上げで行っているのだ。ダメな筈はないのだ。


 未成年なのは酒を飲まなければいいだけなのだが、連れとして一緒に行く心理障壁が問題なだけだ。

 面倒かけている手前、断りにくい。むしろ、ご馳走しなければという思いもある。


「行こう」

「はっ、はい!」


 モモカの笑顔が眩しいが、学生寮の晩飯はいいのだろうか。




「お、モモちゃんにさいとーさん。早いね」


 何となく久方ぶりの餃子バーはオープン時間前だった。


「えっ営業前にごめんなさい⋯⋯」

「いいよーいいよー。座りなー」


 マスターは女の子には優しい。知ってた。俺は何食わぬ顔でモモカの後から店に入った。


「知ってる? 隣の国の話」


「て、停電大変そうですよね!」


 マスターが切り出した話題は未だに収拾がつかないらしく、連日ニュースで取り上げられていた。


「何か日本を軍事的に攻めるとか言い出してるみたいよ。通信遮断して、より悪化してるみたいだし」


「日本、関係ない様な⋯⋯」

「で、ですよねー!」

「魔法詠唱が日本語だからエーテル暴走も日本の仕業なんだそうな」

「ええー! め、滅茶苦茶ですね⋯⋯。日本も電波障害が起きてるのに」

「国内の不満を逸らすのに躍起なんだろなー。ほい、ビール」


「お疲れ様」

「お疲れ様です! ふふっ、大人な気分です!」

 オトナ気分のロリ眼鏡のグレナデンシロップを沈められたポンジュースと乾杯する。


「この間の乱入ですが、よくあるんですか?」


「あーあれ? 滅多にない事だけど、逆恨みしてるススキノの暇人がいるんだよねぇ。どこかで話つけようとは思ってるけど」


「暇人ですか」


「デスペナなんてよくある事なのにねー。ススキノがあんな状態なんだから他で一からやり直せばいいんだろけど、悪名も広まっちゃってるからなぁアイツら」


 ARゲームだと顔が見えちゃうから心機一転やり直しが通用しないわな⋯⋯。


「まぁ、身元はわれてるから何とかするさ」


 ⋯⋯それはそれで怖ぇーよ。


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