63話〜ガルドとハング
ブラットは何が起きたのか分からず呆然と……
レオルドはそれを見て……
そこにハングが……
そしてガルドは……
ここはシェイナルズ城の敷地内の崩壊した魔法研究施設。
「グオォォーーー!!」
黒龍は更に雄叫びを上げもがき苦しんでいた。
ブラットは何が起きたのか分からず、ただ呆然とその光景を見ていた。
レオルドは一瞬ブラットと黒龍を、このままにして逃げようと思ったが、
(周りには誰もいませんね。ブラットも呆然としている様子ですし、今なら眠らせ連れて行くには絶好のチャンス!)
そう思った後ブラットを魔法で眠らせる為、呪文を唱えようとした瞬間ハングがレオルド目掛け短剣を投げつけそれが手に刺さった。
レオルドは一瞬何が起きたか分からなかったが、手に刺さった短剣を抜き飛んで来た方向を見た。
「……っう。だ、誰だ!?」
「レオルド、俺はハング=モルグ。悪いが、ブラットをお前の好き勝手に利用させるつもりはない!」
「モルグ……何処かで聞いた様な気がしますが。確か、かなり位が高い貴族にその様な名があった様な気がしましたが」
「……俺はモルグの家を出た身だ!家とは何の関係もない」
ガルド達は既にレヴィのテレポーターで来ていてその話を聞いていた。
「……モルグって!?お前まさか、ユリィナの家の者なのか!?」
「まさか、何故ここに……」
ハングはガルドを見ると顔をそらした。
「ねぇ。ユリィナって確か昔ガルドと2人で旅をしていた人だよね?」
「ガルドが女の人と2人っきり……それは初耳ですが」
「カトレアそれはな……まぁ、それよりも、お前ハング=モルグって名乗ってたよな?まだ若い様に見えるが、まさかユリィナの子供じゃねぇよなぁ?」
「そうだと言ったらどうする?」
「いや、どうするわけでもねぇが……歳はいくつだ?」
「21だが。それがどうした!?俺は……いや、何でもない……それよりも今はこんな事をしてる場合じゃないと思うんだがな」
「そうだな。21か……まぁいい、今はこっちをどうにかしねぇとなぁ。だが、いったい何が起きたんだ?何で、あの黒龍が……おい!ブラット何があった!?」
そう言うとガルドは呆然としているブラットに近づき頬を思いっきり殴った。
「イ、イテェエェェーー!?」
ブラットはその痛さで我に返った。
ガルドはブラットのその姿を見て、
「ブラット……お前は、本当に俺の子供か?何気が抜けたみてぇに呆然と見てやがる!って言うか何があった?」
ブラットは殴られた頬が痛くさすりながら、
「だ、だからって、殴らなくても。ん?ああ、自分でも何が起きたか分からないんだけど?ただ……」
そしてブラットはガルド達にここで何が起きたのかを話したのだった…。
読んでくれてありがとうございますヽ(^o^)
ハング=モルグとは…
ブラットの力とは…
次話もよろしくお願いしますヽ(^o^)







