113話〜変身の能力
クレイデイルはデルカに自分に化けて欲しいと頼む。
そして、シグムラカンがクレイデイルの元に訪れ。
ここは魔族領土エクスダールのキリア城。クレイデイルはデルカと書斎のソファに座り話をしていた。
「私がクレイデイル様に化ける?確かに私は変身の能力は持ってます。しかし、いまいち自信がないのですが」
「デルカ。お前の他にも確かに変身の能力に優れている者が他にも数名いるが。この事を信用して任せる事が出来る者はお前しかいない」
「クレイデイル様が、そこまで私を信用して……承知しました。やらせて頂きます!!」
「そうか、やってくれるか!でも、お前ならこの事を何の疑いもせずに引き受けてくれると思っていた。ありがとう、デルカ」
「クレイデイル様。勿体なきお言葉。このデルカ、留守の間、陛下に化けこの城を守っていますので安心して、ブラット様にお会いになって来て下さいませ」
「デルカ。ああ、頼んだ」
(……とは言ったものの。デルカ、大丈夫なのだろうか。空回りし過ぎなければ良いが)
(はぁ、大丈夫なのだろうか。この私でクレイデイル様の代わりが務まるのか。でも、信用して任せてくれた。ならば、やらなければ!)
デルカはソファから立ち上がり深呼吸をし、クレイデイルを見た後、
「クレイデイル様。それでは、しばらく部屋の方に控えていますので、何かありましたらお呼び下さい」
「ああ、分かった。そうする」
デルカはクレイデイルに一礼すると部屋を出て行った。
クレイデイルはそれを確認すると、ソファから立ち上がり椅子に座り直した。
(さて、後はシグムラカン様を待つのみだが)
クレイデイルは色々と考えていると、いつの間にか眠ってしまった。
そして、意識の中にいた。
“はて?ここは確か、もしやシグムラカン様が”
クレイデイルは辺りを見渡してみた。
“これは、シグムラカン様。もう話はついたのですか?”
“クレイデイル。少し話が変わってしまったのだが”
“変わってしまったとは、どういう事なのでしょうか?”
“うむ、お前が言っていた場所なのだがな”
シグムラカンはクレイデイルにその土地に城が建った事とブラット の事とかをざっと話した。
“そうなると……その土地から北にあるという草原でとなるのですね”
“それでなのだがな。ここに来るまでの間、少し考えた。ブラット の為に建てたという城……そこからその草原まではそれほど遠くはない”
“シグムラカン様。いったい何を考えておられるのですか?”
“うむ。ブラットを見て来たが、今のままでは恐らく、自分の力を上手くコントロール出来ず、暴走する可能性は高い”
“そうなのですね。そうなると、直ぐには動けませんね”
“うむ、それでだ。ここのスプリガンは少しの間このままにして、その城で少し皆と話し合い、事を進めた方が良いと思ったのだが”
“分かりました。そうなると、私もそこに向かった方が良いのですよね”
“ああ、そうだな。その方がお互い話しが見えるだろう”
“確かに、そうですね。その方が良いかと。では私は、図書館の奥の部屋に鍵をした後、その城に向かいたいと思います”
“では、我はもう一度、ブラット達のいる空き家に行きこの事を伝えてこようと思う。そうなるとクレイデイル。お前と落ち合うのは、その城という事になるな”
“そうなりますね”
“うむ。では、その城で会おう”
クレイデイルが頷くとシグムラカンはそれを確認し消えた。
すると、クレイデイルは徐々に目を覚まし辺りを見渡した。
(うむ、そうなると、俺は、あの部屋の鍵をして、それから変装し、ここをデルカに任せ、その城に向かえばいいのだな)
そして、クレイデイルは部屋を出て図書館に向かったのだった…。
読んでくれてありがとうございますヽ(^o^)
さて、そろそろ一部の話が終わりに近づいてきてます。でも、もう少し話は続きますが。σ(^_^;)
では、次話もよろしくお願いします(*^ω^*)







