102話〜チビドラゴン目覚める
クレイデイルは封印の箱を開けた。
そして、カトレアはチビドラゴンの話を聞いていた。
ここはキリア城の倉庫の中。クレイデイルはしばらく封印の箱の前で悩んでいた。
「ふむ……ここで悩んでいても仕方がない。目的の物があるか無いかは、あの部屋に入って確かめた方が早いだろうしな」
箱の封印を解く為、慎重に箱を調べた。
「……思っていたよりも、やけに簡単な封印なのだな。あまりにも簡単過ぎて、逆に心配になって来たんだが」
クレイデイルは箱の上に貼られた封印の札の上に右手の人差し指と中指を添えると、
《ΖУΦЗΞ ΛАΙИΩН(封印解除)‼︎》
と古代呪文を唱えた。すると箱に貼られていた封印の札がヒラリと剥がれ落ちた。
クレイデイルは恐る恐る箱を開けてみるとそこには鍵が入っていた。
「……ふぅ、大丈夫そうだな。それにしても、封印をされていた割には余りにも簡単だった。ふむ、いまいち分からん」
クレイデイルは箱から鍵を取り蓋を閉めた。
「さて、鬼が出るか蛇が出るか……」
そして、クレイデイルは鍵を持ち開かずの部屋に向かった。
場所は移り、ここはティールの街の宿屋。カトレアは部屋でチビドラゴンを抱きかかえながら外を眺めていた。
(やはりレオルドの所に、私も行けば良かったでしょうか)
そう思っているとカトレアの腕の中で、急にチビドラゴンがモゾモゾと動き出した。
「あらあら、目を覚ましたのかしら」
カトレアはチビドラゴンを抱えたまま覗き込んだ。
チビドラゴンはカトレアを見た後、辺りをキョロキョロと見渡した。
「……これは、どういう事だ?何故カトレア、お前がここにいて、我がこんな姿になっているのだ?」
「ふふ。さあ、何故なのかしらね」
「ふむ……確か我はガルドの子供のブラットを喰らおうとした。だが、顔に手が触れ黒い光が放たれ体中をその黒い光が覆った直後、急に苦しくなりいつの間にか気を失っていた」
カトレアはチビドラゴンを睨んでいた。
「そうみたいですね。ギガドラン!あのブラットは確かにガルドの子供ですが、私の子供でもあるのですよ。ふふ、それを喰べようとするなんてねぇ……」
「まさか!カトレア。あのガルドといつの間に……うむ。なるほどな。それであの様な、それもあやつと同じような、とんでもない力を使う事が出来たという事か」
「ギガドラン。今、あやつと同じ様なとんでもない力をと言いましたよね?」
「ああ言ったが、それがどうしたのだ?」
「そうなると、ギガドランは何処かでブラットと同じ力を見た事があるという事なのですよね?」
「うむ。あの力と同じ力なのかは分からないが、我も何千年と生き色々なモノを見て来た。馬鹿な人間と魔族の争いや同じ種族同士の争いなど、嫌と言うほど見て来た。だが、あの力は最悪だったがな……」
そして、ギガドランは目を閉じ遠く昔の事を思い出しながら話していた。カトレアはその話を食い入るように聞いていたのだった…。
読んでくれてありがとうございますヽ(^o^)
クレイデイルはブラットの力の真実に辿りつけるのか?
そして…チビドラゴン…いや、ギガドランはブラットの力に似た力を一度見ていた⁉︎
では、次話もよろしくお願いします(*^ω^*)







