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お兄様に惚れ直そう


 情緒不安定だと筋トレめっちゃ(はかど)るね。


 しかも疲れた頃には眠気も思い出し、そのまま気持ちよく爆睡すれば嫌なことはぜーんぶ忘れちゃう完璧な流れなのさ。ぐう。




 翌日になってお兄様から私がいなかった時のことを聞いた。


 ブライさんによるプロポーズの心得講習が思いの外ロバートさんの心に響いたようで、心の奥から湧き出る想いがあったんだそうな。


 ちなみにプロポーズの言葉は教えてくれなかった。


 そういうのは二人の大切な思い出に留めておくべきだからね、とかそれっぽいこと言ってたけど、お兄様にミランダ様、ブライさんまでいる中でのプロポーズだったんでしょ?

 それだけの目撃者がいるならみんなを集めたこの『お姉様の初恋のために』隊の隊長たる私にも知る権利くらいあると思うんだけどな。どうかな。ちらちら。

 あざとく聞いても教えてくれなかった。お兄様のイケズ。


 お兄様が教えてくれないからこれはそのうちお姉様に聞こう。そうだ、いっそのことロバートさんがいる時に聞くのがいいかも知れない。

 お姉様の婚約者って立場だと他人ぽくて身構えちゃうけど、お義兄様ならイタズラしても許される家族って感じだし。


 ロバートさんっていじめてオーラ出してる気がするんだよね。

 晴れて家族になったのなら、もう我慢する必要も無い。でもいきなりだと吃驚するだろうし、最初は優しく、徐々に慣らしていくべき? それともイタズラ好きな可愛い義妹としてインパクト重視?

 いやー夢が膨らむ。ちょっと楽しみになってきたかも。



 ちなみに昨日、お父様に結婚の決意を固めたと報告したお姉様とロバートさんは、今日はロバートさんの家の方に行っている。行動力すごいよね。


 お姉様はそのうちロバートさんの家に住むようになるんだろうな。

 別に今すぐ結婚して家を出るわけじゃないんだけど、着実にその日が近付いているっていうのは、ううん。じわじわと寂しさが募りそう。

 ……お兄様はどうするんだろう。


 お兄様は実質長男みたいなものだから家は出ないだろうけど結婚はするはず。

 素敵なお嫁さん見つけて、私よりもその人を優先して。

 当たり前なんだけど寂しいなー。一生甘やかしてくれないかなー。

 優しいお兄ちゃんなんて全女の子の理想なんじゃないかってくらい、もう最高だったし。できることならソフィアはお兄様と結婚したいです。割とマジで。


 だってお兄様ったら、顔はいいし性格もいいし、女性に優しくて気遣いもできるし、甘やかしてくれるし束縛しないし、……あれ? 欠点なくない?

 いや待て待て。いくらお兄様が完璧超人だろうと欠点がないはずは……ええと、運動も勉強も芸術だってできるし、そういえばこの間は料理も……ええ?


 なんということでしょう。お兄様の欠点は見当たりません!


 そんな人いる?

 我が愛しのお姉様だって私のことが好きすぎて前後不覚になるという欠点があるというのに。

 お母様は無愛想だし、お父様は女心に疎いとか色々あるのに。


 地味派手ってやつかな。地味でもないけど。

 いつも一歩引いた位置にいるから今まで気づかなかったけど、私のお兄様はかなりスペックが高いと見た。


 まさに理想的なお兄様! 自慢の兄です!


 ……お姉様と疎遠になりそうだから乗り換えた訳じゃないよ! 二人とも大好きだよ! ホントだよ!


色々考えちゃう人って、セルフツッコミ機能もセットで持ち合わせてるよね。

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