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違和感のない荷馬車を用意しよう


 やーやー、貴族が三人、供もつけずに食糧配達。


 ありえないねっ!


 だから、供の者をつくろうねっ!



 うん、魔法はテンションが大事ってことで、ここからはソフィアちゃんのターンにさせてもらおう!


 唸れ、私の魔法よ! 想像力の結晶よ! ヒーローは遅れてやってくる!

 そう、こんななこともあろうかと、ってやつだ。見せ場だよ!


 ここで使わずいつ使う! いでよ私のナイト様(女性型)!


 ででどん、と心の効果音とともに荷車に満載の食糧と、それを引く大型化フェル、そしてフェルを操(っているように見え)る、いつかの鎧人形、我が傑作ヴァルキリー様をまとめて召喚!


 おじいちゃんの鎧姿に釣られてノリで作ったはいいものの、家族受けが悪くてアイテムボックス内で死蔵されていた一品だよ!


 ずっと動かしてると気疲れするけど、荷台に座ってるだけなら楽ちん! 完璧な作戦だね!


 どうだいお母様!? と振り返るとお母様は遠い目をしていた。


 やったね、高評価だ!


「あ、折角ですし荷台に座りますか? 安全運転でお届けしますよ! すぐそこですけど」


「いえ……、いえ、結構です。本当に」


 あら残念。でも間違いなく、お母様の度肝を抜けたね。

 遠い目のお母様は予想を上回った時にしか見れないのだ。


「そうですか? ては参りましょう。騎士様発進!」


 うにょーんと体の端から伸ばした魔力を騎士様、個体名ヴァルキリー様に接続し、フェルの口元に手綱っぽく見えるように結びつけたロープを振るわせる。


「キュウッ!」


 合図を受けて進み出す荷馬車。

 大型の獣とそれを操る仰々しい騎士様は荷車を引く者達としては完全に役不足だけど、胸を張って微動だにしない装飾過多な騎士様と風にたなびくマントは、実に目を引く。視覚効果は抜群だ。


 フェルもなんかノリがいいね?


 ゆったりとした歩みで威風堂々と進む姿はなかなか様になっている。

 この気持ち、アンちゃんとなら共有できそうな気がする。


「ほら、お母様も行きましょう」


 いけないいけない。初お披露目のヴァルキリー様&フェルの勇姿を目に焼き付けていたら置いていかれてしまう。


「違和感、違和感とは……しかし従者と馬の代わりという発想自体は……見た目さえまともだったなら……」


 ぶつぶつ言ってるお母様を連れて村に戻ろう。


 今はダメな感じになってるけど何も心配はいらない。

 他人の目に晒されるとお母様は必ずしっかりとした姿を見せてくれるのだから。

 私のお母様はすごいのだ。


 ああ、ヴァルキリー様を見た村人たちの反応が楽しみだな。

 家族には不評だったけど、これだけの人がいれば絶対カッコイイと言ってくれる人もいると思うんだよね!


ヴァルキリー様。

死蔵されたといいつつ偶に引っ張り出されては装備の換装をされたり、剣舞の練習をさせられたりしていた。

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