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プロポーズ作戦を立てよう


 ロバートさん、いい人だったけどやっぱりヘタレだった。

 でも予想以上にお姉様好きそう。


 ちょっと声を掛けられただけで赤くなるのは見てて面白いけど、いくらなんでも初心(うぶ)すぎる。


 このままじゃお母様の指定した期日までに進展なんて望めそうにない。私たちが後押ししないと婚約破棄エンドに一直線だ。



 とは言っても、私だって恋愛のいろはに詳しいわけじゃない。

 少しばかり指南書(まんが)のお陰で知識があるだけだ。


 この場で恋愛経験があるのなんて、ミランダ様しかいない。


 いないはずだ。


 ……ないよね?


「……お兄様って、恋愛経験があったりは」


「しないね」


 ですよね!

 良かった。さすが私のお兄様、期待を裏切らない。


 でもそうなるとミランダ様しかいないんだけど、ミランダ様に恋愛の話を振るとどうなるか予測がつかない。


 いや、それも覚悟で仲間に引き込んだんだ。覚悟を決めろ、私。


「ミランダ様は、あのお二人を結婚させるにはどうしたらいいと思いますか?」


 二人とも長い付き合いのミランダ様だからこそ思い付く妙案があるかもしれない。


 私に思いつくのなんて密室ハプニングくらいだけど、この二人は密室に閉じこめても何事も起こらずロバートさんがテンパっただけで終わりそうだし、あとはもう催淫剤でも使うしかないんじゃないかな。

 そんなのあるか知らないけど。


「お二人共、意識が足りないのですわ。恋は戦争だと言うのに、アイリス様が新たな縁談を持ち込んだ後でも今と同じような関係でいられると思っているのではないかしら」


 なんか荒れてるね。

 イライラいくない、お菓子でも食べて落ち着こう?


 イチオシのチョコチップクッキーを渡したらお礼と共にちゃんと受け取ってくれた。


 紅茶と一緒にお菓子を食べる様は実に優雅だ。

 これが真の貴族か。私も真似してみよ。


「そうだわ、プロポーズの仕方をどなたかに指南してもらうと良いのではないかしら。アリシアは受けると明言しているのですし、ロバートに踏み切る勇気さえあれぱ何も問題は無いでしょう?」


「それはいい案ですね。父上に聞いてみましょう」


 お兄様がのっかった。

 無言でいるとプロポーズの指南役にされそうだったからかどうかは定かではない。


 早速とばかりにメイドさんに言伝(ことづて)を頼む手際は流石だけど、指導を受けるロバートさんの意思は確認しなくてもいいのかな。


 まあいいか。

 お姉様越しに頼めばなんでも聞いてくれそうだし。


 そのお姉様はといえば、ロバートさんと一緒にもじもじしてた。


 うん、さっきプロポーズとか言ってたもんね。

 でもロバートさんはもじもじしてないでがんばろうね。男だからさ、ほら。人生の大一番だからね。


 もしかして、お姉様が求婚を受けるって話を聞いて恥ずかしがってるのかな?


 二人の前であの発言は確かに明け透けだなと思ったけど。ミランダ様もお茶飲んだくらいじゃ落ち着かなかったみたいだね。


 でもそのおかげで恋人っぽい雰囲気出てるし結果オーライな気はする。

 狙ってやったとしたら恋の巧者っぽい。ミランダ様おそるべし。


ティーカップを持つ時に小指を立てると優雅に見える。気がする。

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