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お姉様の気持ちを知ろう


 恋バナ好きが見ていて焦れったくなるほどだったらしい、お姉様と婚約者との関係。


 何年経っても進展が無いことを憂い、天は二人に試練を与えました。


 十日以内に結婚を決めてこないと婚約が破棄されてしまうという厳しい条件を、二人は無事に乗り切ることができるのでしょうか?


 乞うご期待。


「今そんな感じになってるんです」


「あらあら」


 ミランダ様への事情説明完了。



 改めて説明してて気付いたんだけど、お姉様はヘタレを捨てていい男捕まえる方が良くないかな。


 幼馴染ってそんなに恋愛で大事な要素?

 お約束ではあるんだろうけど、魅力のない幼馴染は恋愛ゲームなら端役で終わるポジションだ。


「お姉様は今の婚約者さんと結婚したいと思っているのですか?」


 つまりは、お姉様の意思がよく分かんないことには方針も決められない。これに尽きる。


 婚約破棄って言葉の印象は悪いけど、将来の大事な選択なんだから選べる中での最良を掴み取って欲しいね。

 お母様が選ぶ相手ならハズレもなさそうだし。


「知らない人と結婚させられるくらいなら、ロバートがいいな」


 うーん、これは好意なのか。

 切羽詰まってないというか、そもそも結婚に対する関心が薄いように見える。


 私こんな雰囲気知ってる。

 よく分からないうちに志望校を決めさせられた学生がこんな感じだった。


 これはどうなんだ。なんとなくでロバート君にお姉様を任せていいのか。


「お互いにずっとこんな感じなのよ」


 呆れの混じったミランダ様の声には同意せざるを得ない。


 こんな軽く押すだけで結婚を受け入れそうな状態のお姉様をして何年も婚約状態を維持するだけとか。草食系男子か。


「お兄様はどう思われます?」


「既に婚約しているんだから、早く結婚すればいいと思うよ」


 お兄様は最近ますますお母様に似てきたね。

 笑顔の裏で何考えてるのかが読めない。


 でもそうだよね。

 既に婚約者として周囲が認識してるなら、そのまま結婚しちゃうのが一番スムーズで後腐れもない。


 幸いお姉様もそのつもりではあるようだし。


 なんか問題なくない?


「そうですね。お兄様の言う通りだと思います。なぜ結婚しないのですか?」


 そもそも結婚する意思があるなら、さっさとしとくべきだったのだ。


 ヘタレの矯正期間とか、実家で気楽に過ごすとか、色々事情があったのかもしれないけど、お母様に急かされた時点で時間切れだ。


「それはロバートが結婚しようと言ってくれないからね」


 ……ん?

 あ、あれか。男の方からプロポーズしてほしい的な。そこは譲れないのね。


 まあヘタレってことだし、人生の大一番くらい格好良いところ見せて欲しいよね。


「ではロバート様に求婚されればお受けする用意はあると?」


「うん。そういうことになるかな」


 どうしよう。お姉様が分からなくなってきた。


 結婚ってそんなに軽いの? 人生の一大時をそんな適当に決めていいの?


 そもそもなんで最年少の私が仕切ってるんだっけ。

 なんか混乱してきた。


「ね? この二人に限っては恋愛以前の問題なのよ」


 ミランダ様の言葉の意味がようやく理解出来た。


 これは大変そうだ。


ミランダ様は後輩の面倒見がいい。

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