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より楽しめる遊び方を追求した結果


 カイルの了承も得られたので、早速ミュラーの家で施術していくことにした。


 移動中、カイルが小声で「これ以上ないほど元気じゃねーか……」なんて言ってるのが聞こえたけど、私が元気になる理由の最上位はお兄様関連で埋め尽くされているので、カイルで遊んで元気になるのは精々上位、優良な気分転換用の玩具レベルだと思う。


「てかマッサージなら部屋でもいいだろ。なんで道場の方行くんだ?」


「んー? 折角だからお兄様にも会いたいなーと思って?」


 カイルの質問にそれらしい答えを返しておく。


 実はカイルにマッサージする事が決まった際、ミュラーが一部屋貸してくれようとしたんだけど、それを断っていたのだ。


 理由? そんなのもちろん……。

 その方が、面白くなる予感がしたので!!


 幸いカイルはニブちんなので、マッサージする場所を告知した時に「ついでに私にもマッサージして!」とカレンちゃんたちが言い出さなかった理由については未だ気付いてはいない様子。


 多分だけど、今はマッサージ行為がどうこうよりも、私の協力で確実に「強くなれる」っていうのが試験で証明された事で舞い上がってたりとかするんじゃないかな。今日また強くことで自分に何ができるようになるか想像してる的な。


 カイルの剣って剣術っていうよりは剣+パワーって感じだから、私なんかに頼る前にもうちょい技術磨いた方がいいと思うんだけどね。


 とかとか、色々考えてる間に着いちゃいました。バルお爺ちゃんの剣聖道場。


 ミュラーから話は通っているので軽く挨拶だけを交わし、端っこの邪魔にならない場所へいそいそと移動した。


「……ロランドさん、いなくね?」


「そーだね」


 うん知ってるー。

 いたらカイル連れてくるわけないし。


 お兄様の前で別の男の身体をぺたぺた撫で回すってそれどんなプレイよ。寝取られか。擬似的なNTRRなのか。それでお兄様が燃えてくれるのならいっそアリな気がしてきた。今度時間のある時に真剣に検討してみようかな。


 でも今は目の前の楽しみ……んんっ!

 カイルを死なないくらい強化することに集中しようねっ!


 床板に直接寝そべったカイルの傍に座り、準備は完了。


「じゃ、いくよー」


「おう、頼む」


 この段になっても気付かないとか……カイルって意外と抜けてるよね。


 ま、ここまできたらもうこっちのものだけ……どっ!


「ふっんいいいぃっ!?」


 カイルの身体の表面を、一瞬で包み込む私の魔力。


 抵抗したい? したいかな?


 あは、残念でしたぁ。

 カイルの身体はもう、私のオモチャだよ……っと!


「いっ、ちょまふあっはぅわあぁぁぁああああ!!」


 馬鹿め、喋ろうとすると余計に恥ずかしい声が出るぞ〜?


 諦めて大人しく、私の施術を受け入れなさい……っよ!


「ん……ぐぐ、ぐぐぐぐぐぐ!!」


 あ、耐えた。生意気な。


 それにしても、相変わらずカイルの魔力は扱いやすくていいな。本人と違ってとても素直で従順だ。


 だからカイルの身体の状態がよく分かる。


 こいつ、バランス取る練習してないな。利き腕と利き足ばっかり使ってるのがバレバレだ。


「カイル、全身バランスよく鍛えてる? 左腕とかへにょへにょだよ」


「うる……せっ、んふっく、んぐぐ、ぐぐ……」


 思った以上に耐えるな。二回目だから慣れたのか?


 でも残念。

 私が本気になれば、そんな抵抗くらいおちゃのこさいさい……っで!


「んにぃぃぃいいいいい!!」


 ぷくくくく。いい声ですなぁ、いい様ですなぁ。


 カイルが私の指先ひとつで無様な声を張り上げる。


 ああ、とても楽しい。

 学院での望まぬ試験結果も忘れちゃうくらい楽しいなあ。


「ねぇ、カイルぅ」


 体を寄せて、はあはあと肩で息をしながら不意打ちに備えるカイルの耳に、そっと甘い囁きを落とす。


「気付いてる? 変な声あげるカイルのこと、みーんなが見てるよぉ?」


「んい!! ぐっぐぐぐ!」


 あは、ほらほらぁ、顔上げてご覧?


 鍛錬に勤しむお兄さん方がみーんな、カイルの恥ずかしい姿を見てますよ〜? ……と、カイルの顔を上げさせたのと同時に、私も気付いた。


 ……カイルだけじゃない。私も見られている。


 鍛錬している場所の隅で。突然嬌声を上げ始めた男の子と、その横に座る女の子。


 身体をまさぐられ。声を殺し。

 身体を触り。声を上げさせ。


 耐えるカイルと責める私は、傍から見れば、突然人前でSMプレイをしだした頭のおかしい子供たちも同然で。


 ……ものすっごい邪魔者を見る目で睨むバルお爺ちゃんと、明らかに好奇心に溢れた眼差しでこちらを見やる大勢のお兄さん方の視線を一身に浴びて。


 私の顔は羞恥に染まった。


「〜〜〜〜っ!?!!?」


「はあ……はあ……、やっと気付いたか、バカ……」


 バカ? バカだって?

 ああ、ほんっとうに私ったらバカだよねあはははは!


 居た堪れない空気の中心にありながら、私はカイルの背に当てていた手をそっと持ち上げ、視界に収まる全ての人に向けて莫大な魔力を放出した。


「《今見た事、全部忘れてっ!!》」


 あは、あはは……。


 私も記憶、失くしたいわ。


突然男を連れてやって来て。

その男に、あられもない声を上げさせて悦ぶ危ない少女。

ソフィアさん、完全に痴女です。

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