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ネフィリム視点:ネムは魔王様なので!!


 朝!!!


 あったかなベッドから出て、朝ごはんを食べたら、思い出したの。


 ネムには魔王としての仕事があります!


 だからお母さんにいってきますをして、スーちゃんと森に入ったの。


「ネフィリム様、今日は何をされるのですか?」


 スーちゃんは村で一番仲良しなお友達。


 村に帰ってから、ソフィアたちに会えなくてちょっとさみしいけど……スーちゃんがいるから大丈夫!


 スーちゃんはどこにでも一緒に行ってくれるお友達なの!


「今日はねー、魔王にふさわしい魔物を探すのだ!」


「ま、魔物ですか」


 ふふん。驚いてる、驚いてる。


 この魔王ネフィリムにふさわしい、すごくてカッコイイ魔物を探して、従属させるのだ!


 その為のアイテム(首輪)も先生に改造してもらったし、準備はカンペキ。


 ふふふ……。


 ニヤケちゃいそうになる顔をぎゅっと我慢して、魔王にふさわしい号令をかけた。


「いざゆかん! 未来の同胞を探すのだ!!」


「はぁ……、えっ、私も行くんですかぁ!?」


「ふはははは!!」


 魔物ー! かっこいい魔物はどこかなー!


 ネムが、シュバッ!! って魔王のポーズを取った時に、一緒に、ババァーん!! ってやってくれる、ネムだけの魔物。


 ふふふ……。


 あー、楽しみなのだ!!





「逃げちゃだめなのー! 飛ぶのずるい! ずるいぃ!!」


 もーーー、やっと魔王にふさわしい魔物を見つけたのに、全然言うこと聞いてくれない!


 むりやり押さえて首輪をつけるくらい簡単だと思ったのに、なんであんなに暴れるんだろ!


 こーゆーのって、あれだ。


 ソフィアが言ってた、あれ……えーと……、! そう!


 りかいにくるしむ!


「大人しく魔王軍に加わるのだ!」


「――――!!」


 あ、向かってきた!


 よーし、そのまま……あっ!?


「にゃうっ!?」


 いったーーーい!!


 うう、先生のお守りのおかげで悪意がぶわってならなかったけど、ぶつかられた頭が痛い。


 もーーー怒ったよ。


 大人しくしなさい!


「偉大なる風の精霊よ――、――《風よ来たれ!!》」


 空から見下ろすタカみたいな魔物に風の魔法をぶつける。


 魔法でできた空気のかたまりが魔物にぶつかって、驚いた魔物が……あっ。


「あーーっ!!!」


 き、消えちゃった! やっつけちゃった!?


 ネムの魔法が当たった途端にピシってなって、ボロボロになって消えちゃったの。


 うう、あんなに強そうだったのに、こんなに弱かったなんて……。


 とっても残念だったけど、でも、ネムは気づいたのです。


 ……魔王軍に弱い魔物はふさわしくないから、これで良かったのかなって。


「ん! 次の魔物、探そ! ね、スーちゃ……あれ、スーちゃん?」


 あれあれ、スーちゃんがどこかに行っちゃった。


 もしかして魔物が怖くて逃げちゃったのかな?


 もー、スーちゃんは怖がりなんだからなー。


 仕方ないから探してあげようと思ったんだけど、でも、その時に大きな魔物の気配を感じたの。


 この感じ……、強い! 大きい!


「ネムの魔物!!」


 おっきい魔物は危ない魔物!


 だから初めに弱らせてから――って先生が言ってたの思い出して、でもまた消えちゃったら悲しいから、今度は水の魔法でパチャッてやったの。


 そしたら――また逃げたの!!


「なんで逃げるの!!!」


 魔物は人を襲うって、だから危ないって先生言ってたのに!!


 逃げる魔物を見失わないように、ネムも急いで走り出したの。


 もーーー! そんなに鬼ごっこがしたいなら、この魔王ネフィリムが相手になるぞー!


 だからネムが勝ったら――大人しく捕まりなさい!


「まぁーーーてーーー!!」


 びゅんびゅん逃げる魔物を追いかけながら、ネムは思いました。


 魔物をペットにするのって、すっごく大変!!





「ううぅぅ……」


 先生ひどい。せっかく捕まえた魔物、倒されちゃった。


 ホッケって名前まで決めてたのに!!


「せんせーひどい!」


「うるさい」


 うるさくない! ひどいのはせんせー! せんせーだもん!


 わーーっ!! って先生を責めてたのに、先生ってば全然悪いと思ってない。先生っていっつもこうなの!


「せんせーひどい! ひどいひどいひどい――」


「……ネフィリム」


「ひどいひどい……むぅ?」


 だけど、この時の先生はちょっぴり悲しそうなお顔をしてた。


 ……どこか痛いの?


「もし、王都が……、……いや、なんでもない」


 先生は、すぐに忘れろって言ったけど。


 ネムは先生がイタイ思いをしたままはいやなのです。


 ネムは魔族みんなの魔王様なので!


「……せーがん(請願)魔法、やる? ソフィアがいなくても、ネム、やれるよ?」


「! ……それは」


 先生が驚いた顔してる!


 ふふん。いっつも先生にはおバカって言われちゃうネムでも、やる時はやるのです。


 ネムが目指す魔王様は、みんなが困った時に現れて、ババァーン! とぜーんぶ解決しちゃう、すごい魔王様なので!!


「魔王ネフィリムに、不可能はないのだッ!!」


 ふははははー! と魔王モードでポーズを決めた。


 ……あ。


 そういえば、スーちゃん、迷子のままだった。


 うう、どうしよう?


魔王様はいつでもどこでも元気いっぱい。

でも魔族のみんなの為ともなれば、たちまち頼り甲斐のあるかっこいい魔王様へと変身しちゃうのです。

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