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Another視点:その後の教室


「女神様?」


「女神様が出たって」


「どこ?」


「もう帰ったって」


「聖女様が連れて行ったって」


「聖女様?」


「ほら、あのちっちゃい子よ」


「学院に子供がいるって聞いたことあるでしょ?」


「ロランド様の妹の」


「妖精みたいにかわいい子よ」


「ふうん?」


「その子が?」


「女神様はその子に会いに来たんだって」


「教室に突然現れたんだって」


「突然?」


「なんかすごかったって」


「よく分からないけど神々しかったって」


「胸がとても大きな美人さんだったって」


「妖艶な大人の女性だったんだって」


「あと浮いてたらしいよ」


「浮いてた?」


「空を飛んでたの?」


「足が地面に着いてなかったって」


「すーっと移動してたって」


「よくわからないわ」


「見たいね。見れないのかな」


「だから、聖女様が――」


「その子はどこに行ったの?」


「その子はどこにいるの?」


「まだ戻って来てないらしいよ」


「なあんだ」


「そうなの?」


「なら探しに行きましょうよ」


「それもそうね」


「でもその子と一緒に出ていった人は戻ってるんだって」


「そうなの?」


「そうなのよ」


「ならその人に聞けば」


「それがね、教えてくれないらしいのよ」


「ええ?」


「どうしてなの?」


「『女神様は帰った。話の内容は教えられない』の一点張りなんですって」


「あら、帰っちゃったのね」


「残念ね」


「なにを話されたのかしら?」


「女神様とお話なんて素敵ね」


「どんなお話をされたんでしょうね」


「なんとか教えて貰えないの?」


「どうなの?」


「ほら、あの方なのだけれど」


「私たちのように聞きに来る人が多いらしくて――」



◇◇◇◇◇



「もう疲れた……」


「はは、おつかれさん」


「すごい人、だよね……」


「休み時間の度にこれだもの。他の人に説明してくれる事を条件に、と第一陣を味方に引き込んでいなければ、今頃どうなっていた事か……」


「ふふ。……もっと褒めていーよ」


「ほんと、助かったよ」


「うんうん、えらいえらい! でも仕方ないよねー、本当に大事件なんだもん!」


「その通り。これだけで済んでいるのがむしろ不思議なくらいですわ」


「俺らもびっくりしたもんな!」


「いやびっくりなんてもんじゃないだろ。あの衝撃はそんな簡単な言葉では言い表せない」


「そうだな。あれはまさに……」


「「「魔乳」」」


「と呼ぶに相応しい、ご立派なお胸様だった……」


「俺ずっと目が釘付けだったわ」


「俺も俺も」


「……まあ、すごかったのは否定しないけどねー」


「それでも……」


「うん」


「「あんたら最低」」


「女神様に対してその様な態度、不謹慎だと思いませんの?」


「男の子ってほんと胸しか見てないよね」


「ばっか! 胸以外も見てるわ! 顔もタイプだったわ!」


「ここらでは珍しい感じの顔立ちだったよな。だが美人だ」


「あの胸に顔を埋めてくんかくんかしたい」


「変態か!」


「……あ、あたしちょっと分かるかも。いや匂いは嗅がないよ!? ただどれだけ柔らかいのかなーって!」


「……あんた、マジ?」


「もう私の胸触らないでくれる?」


「……危険」


「ま、まあ、趣味は人それぞれですものね……。否定は致しませんわ」


「お前は仲間だと思ってたZE☆」


「やめて! そんな目であたしを見ないで!! あたしはノーマルだし変態でもないから!!」


「お前らうっさい」


「みんな元気ね……」


「あはは……」


「そういえばカイルはソフィアに着いてっただろ? ……どうなんだ、実際。何も無かったのか?」


「それは俺も気になるな」


「俺も俺も」


「あ、あたしも!」


「お前ら、揃いも揃って……もう何度も話したろ?」


「それはそうだけどさー!」


「ソフィアさんとの個人的な話の内容は話せない。……当然の事ですわね」


「いや、胸の件の報告がまだだ」


「そうだな」


「……必死すぎ」


「フツーに引くよね」


「いいだろ別に! 男子にとっては大事なことなんだよ!」


「そうだそうだ! むしろ平気な顔してるカイルがおかしい!」


「このむっつりスケベめ! お前だってたっぷりねっとり堪能したんだろぉ? そうなんだろぉおん?」


「してねーよ……」


「はい返事したー! スケベなの認めたー! これからはむっつりカイルって呼ぶから!」


「あんた……相手にされないからって見苦しいわよ」


「バカバカしいわね……。第一、女神様のあの胸は、」


「っ! ミュラー、しーっ!」


「え? あっ……」


「え? 何その反応?」


「胸が……なに?」


「カイルお前マジで何も無かったんだよな? な? まさか触ったりしてないだろうな!!?」


「耳元で叫ぶな! してねーよ!」


「そうだぞ。こいつは無い胸が好きなんだからあるわけない。……ないよな?」


「あー……あはは。カイルくんはそうだよねー」


「えっ……!? そ、そうなの?」


「カレン、まさか気付いてなかったの?」


「無い胸が特定の人物を指してると分かってないだけだろ」


「ここに本人がいたら笑顔で威嚇されそうですわね……」


「その時はカイルを差し出して許してもらおう」


「そうだね!」


「役得だなぁ、カイル?」


「もうお前ら他所でやれよ……」


教室から出るのが困難な程の人数が詰めかけたようです。

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