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恋愛相談を受けよう


 恋愛相談しやすいタイプっているよね。


 口が固くて、親身になってくれそうで、厳しいことは言わない、とか?


 恋愛相談なんかしたこともされたこともないから知らないけど。


 少なくとも、私が向いてないことは確かだと思うんだ。


 見る目ないよね。


「ソフィア様にしか相談出来ないんです!」


 知ったこっちゃない。


 なんて言って追っ払えばどれだけいいか。


 そんな強い拒絶の言葉を吐けるほどのメンタルは私には無かった。


「実は、カイル様をお慕い申してまして……」


 マーレといいこの子といい、物好きなことだ。


 私にとっては鬱陶しいだけのカイルも、ませた女の子達にとっては王子様か。


 頬を染めている様はまあ可愛らしいけども、相手が相手だからか色ボケしたお子様という印象が先に立つ。


 なんかアイツモテるよね。

 運動得意しか取り柄ないのに。


 てゆーかほんと、なんで私なんかに相談するんだ。


 そもそもこの子とも数回しか話した記憶は無い。顔と名前は一致するけどそれだけだ。

 別に仲が良いわけでもない。


 パーティで子供が集まった時に何回か話した程度の相手に恋愛相談とか、子供の考えは理解できない。


 カイルとは幼馴染とはいえ同年代はみんな幼馴染だし、なんならパーティの時でも好んで一人でいる私より君らの方が接点は多いだろうに。


 理解できない。本当に謎だ。


 聞いてもいないカイルとの惚気話を語り続ける少女を遮って、私に相談した理由を尋ねてみれば、予想外の答えが返ってきた。


「マーレ様に、ソフィア様はカイル様のことに詳しいとお聞きしまして。ハッ!? もしかしてソフィア様も、カイル様のことを……?」


 鳥肌立った。


 嫌だよう。あんなやつのことが好きとか誤解されるの嫌だよう。


 カイル本人が語って、マーレが語って、この子も語る。詳しくなって当然だ。

 私が聞きたいと思ったことなんて一度も無い。


 カイルへの好意を強く、それはもう強く否定すれば、良かったと安堵の表情を浮かべながら安心して相談出来ると微笑まれる。


 相談されたくない場合はどうしたらいいんだろうね。


 そもそもマーレだってカイルに気があるんだろうに、ライバルに塩送って何してるんだか……。


 せめて私に迷惑のかからないやり方にして欲しかった。


「あの、それで、カイル様がお好みになるお菓子などは……」


 まあマーレの紹介だと言うならカイルの好みぐらいいくらでも話せる。


 そうだ、いっそカイルを好きな女の子たちを煽って攻勢をかけさせるのはどうだろうか。


 付きまとわれる迷惑さを知れば、私への被害も減る……と最良だけど、そんな聡明さは期待出来ないかな。


 せめて女の子たちに時間を取られて私へのイタズラが減ることを期待するに留めておこう。


「そういえば、カイル様は押しの強い方が好みだと小耳に挟んだような……。積極的にアピールするといいのではないかしら?」


「そうなのですか!? うぅ、恥ずかしいですが、カイル様のために頑張りますわ!」


 うんうん、私の平穏の為にも頑張ってほしい。


 ついでに口の軽そうなマーレにも発破をかけておかないとね。

 カイルが誰とくっつこうが構わないけどマーレの悲しむ顔が見たいわけじゃないから。


「え?ソフィア様はカイル様をお慕いしているのではなくて?違う?それどころか、カイル様との仲を後押ししてくださっているですって!?ずるいですわ!孤高の令嬢たるソフィア様とお話をしつつカイル様まで狙うなんて!」


〜そして冒頭へ〜

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