ゴミの分別をしよう
お姉様とお兄様に言われるまま、部屋の中の物の分別を進めていたら半分以上の私物が不合格の烙印を押されてしまった。
残ったのは贈られた物ばかり。
私のセンスは貴族としては受け入れ難いものだったようだ。悲しい。
だけどいくつか収穫もあった。
要は綺麗、可愛い、華やかなら良いのだ。
合格だった中でも、お姉様と作った花冠や刺繍、押し花の栞なんかは確かに女の子らしいアイテムといえる。
甲冑はね、ちょっと私も冷静じゃなかった。
作るの楽しかったし、搭載するギミックも考えてたけど女の子らしくはないよね。
いや男の子からも不評だったけどね。……くっ、納得いかない。カッコイイのに。
不合格だった品々をアイテムボックスにしまい、スッキリしてしまった部屋を眺めてみる。
……改めて見れば、なんか部屋が広く感じる。
ちょっと反省した。
◇
目に見えないところは汚くなり易い。
久しぶりにアイテムボックスの中を覗いてみたらスペースデブリみたいなのがいっぱいあった。
完全に私のせいだね。
なんかで使えるかなーとか、邪魔だからととりあえず入れとこ、を繰り返した結果、アイテムボックスがゴミ箱化した。
いや便利なんだよね。
アイテムボックスの魔法は言うなれば手元にゴミ箱がやってくるようなものだし。いやゴミ箱じゃないんだけどさ。
でもアイテムボックス=ゴミ箱は流石に問題ある。精神的に。食べ物も入れることあるからね。
だから掃除をしよう。
と思ったんだけど。
邪魔だからアイテムボックス内に捨ててたわけで、外に出したら量がヤバいよね。
そもそも、その……取り出す為には一回触らなくちゃいけないわけで。
ゴミ箱に捨てたみかんの皮とか触りたくないよね。
これはもう、ゴミ箱ごと捨てるしかないと思うわけ。
前からアイテムボックスの利便性向上はいつかはしないといけないと思ってたし。
中身の移行も必要だし、まとめてやっちゃおう。
アイテムボックスの中に手を突っ込んで、ゴミ以外を手当たり次第に引き寄せる。
手の前に新たなアイテムボックスの入口を設置すれば、なんと簡単なオートメーション。荷物の方から勝手に移動してくれるんですねー。
荷物の移動が終わればアイテム整理だ。
以前考えたようにウィンドウを開いてアイテムの名前と個数が表示されるのが出来ればいいんだけど、未完成なのだ。
あれ結構難しそうなんだよね、記憶力とイメージ力かなり必要そうで。
だから整理と言っても、目の届く範囲に固めておくくらいしかできることがない。それだって、一日もすればバラバラに動いちゃって意味を為さなくなる。
ま、気休めだね。
いつかはちゃんとしたアイテムボックスにしたいけど、どんなアイテムボックスにするかが固まってないからまだ完成しないんだと思う。
他の魔法は割と簡単なんだけどねー。
でも、空を飛ぶのだって初めは羽が必須で、しかも自由には飛べなかった。ただ飛べただけ。
それが今では羽がなくても、それどころか荷車ごとだって飛べるようになった。
アイテムボックスだって使いながら改良を進めれば、そのうちもっと便利なのを思いつくよね。
幸い古いアイテムボックスにはもうゴミしか残ってないから試したい放題。
心ゆくまで研究し尽くして、ゴミ箱付きのパーフェクトなアイテムボックスをつくろう!
必要はなくなったけど、飛ぶ時は羽を生やしてる。その方がうまく飛べる気がするので