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家に女神様がいる生活


 今日は濃い一日だった……。


 いつも楽しい毎日を送っているけど、今日は特に色々あったね。

 カイルにネムちゃん、ヘレナさんと。色んな人に振り回された一日だった。


 ま、たまにはこんな日もあるよね。


 いつもだってクラスメイトとふざけすぎて先生に怒られそうになったり、学食の限定デザート争奪戦とか似たようなイベントもありはするし。今日ほど重なってことが起こるのは珍しいけど、ありえないことでもない。


 それに……むふふ。


 今日は学院でお兄様と会えたからね。

 それだけで気分はもうウルトラ☆ハッピーなのだ。わふーぃ。


「ソフィア? さっきから何をしているの?」


「んー? んー、なんだろねー」


 手の中で弄んでいた魔力を霧散させて、リンゼちゃんの質問に気のない返事を返す。


 ねー。

 お兄様と運命の出会いを果たしたまでは比較的良かったんだけど、ねー。


 ヘレナさんのあの魔法よ。


 ネムちゃんの首輪の件は、あの無骨な首輪がネムちゃんの所有物だったって聞いて一応その場の怒りは納めたけどさ。


 ヘレナさんの魔法はあれ、一度見ちゃったら無視できないでしょ。


 ……どうやるんだろ、あれ。


 気になる。すっごい気になる。

 でも素直に聞いちゃうのは今までほぼ独学で積み上げてきた私の魔法理論が敗北を喫するようでなんだか悔しい。


 なのでここは原点に立ち返り、「魔力とはなにか」ということを改めて考えていたのだ。


 不思議そうに首を傾げるリンゼちゃんから意識を戻し、再度考え事に集中する。



 ――魔力。

 それは生命力であり、魔法を扱うのに必須の動力源でもある。


 動植物には大気中から取り込んだ魔素を魔力へと変換する機能が生まれつき備わっていて、魔法を使わなくても常に魔力を消費し続けている。というのが魔法学で最初の方に習う、言わば常識である。


 でも魔法関連の常識って、私から言わせればめっっっちゃ適当な事ばっかり言ってる印象なんだよね。


 詠唱(しか)り。精霊がどーたら然り。

 むしろ教科書通りやった場合の成功率が低すぎて、私の中で「魔法学」は単なる暗記科目であって「そーゆー考え方もあるんだなー」程度の認識というか、ぶっちゃけ「精霊と仲良くなるための秘密のおまじない集」に名前変えた方がいいんじゃ、ってくらい役に立たないただの個人制作のファンタジーポエム集的な……。ってのは流石に言い過ぎかな。


 まあ、つまりだね。


 常識なんてつまらない枠に囚われるなということだね。


 常識は破壊するもの。常識は打ち砕くもの。

 常識の外にある成功を掴みたいなら、常識から一歩を踏み出す勇気が必要なんだ。



 というわけで。


「リンゼちゃんはさー。暗い魔力って見たことある?」


「暗い魔力?」


 常識外の事なら常識外の存在に聞くのが早いんじゃないかなと。


 家に女神様(の分身体メイドVer.)がいる生活。

 とても便利で助かるね。


「……そもそも私、魔力を見たことが無いのだけれど」


「え」


 そーなの?

 相変わらずリンゼちゃんは変なところで常識外れというか、世間知らずというか箱入り娘というか……。


 これは将来は私が養うしかないな。

 一生囲って一生メイド服着せて一生可愛がってあげよう。なんならかわいい服とかも着せてあげよう。


 きっと似合うだろうなあ。うへへ。


「なに? いやらしい目で見ないでくれる?」


「そんな目で見てないよ!?」


 とんだ風評被害だよ!!

 私はノーマルだしごく一般的な感性で「可愛い子には可愛い服を着せよ」という使命感に燃えているだけなのに!


 そもそもリンゼちゃんは私と同じでどこもかしこもちんまいので、いやらしい目で見られる対象にはならないと……あんまりならないと思う。


 世の中には想像もできない変態っているみたいなんだよね、悲しいことに。

 ロリコンとか滅べばいいのに。


 リンゼちゃんってそーゆーの疎そうだし、念のために注意を促しておこうかな。


「リンゼちゃんがもし変態に襲われそうになったらすぐに私を呼ぶんだよ。必ず助けに行くからね」


 リンゼちゃんの為だったら文字通り空を飛んででも駆けつける所存である。


 まあ、ロリコン滅べってのはちょっと言い過ぎたかも。私だってロリコンみたいなものだし。


 ロリコンであり、ショタコンでもあり。

 しかしてその実態は、全幅の愛をお兄様ただ一人に捧げる、情熱的なブラコンである。なんつってね! えへへぇ。


 でも私はほら、ちゃんと弁えてる側の人だから。ロリコンはロリコンでもいいロリコンなのだ。


 ロリもショタも愛でるものだってちゃんと理解してるし、言わばロリショタの守護者的な? 自主的な保護者みたいな、そんな感じだよ多分。


 つまり近所のお姉さんポジだね! 最高かな!


 リンゼちゃんも「おねーちゃん」って呼んで……いいのよ!? とかとか、ハッピーな妄想をしてたら、


「今のところアナタ以外の人に襲われた経験はないわね」


 なんて言われて超びびった。


 まさか無理やりお漏らしさせたのを覚えてるのかと焦ったけど……これ、おふざけの抱き着きの話ですよね?


 ……ですよね?


首輪ってどこで売ってるんでしょうかね。

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