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おじいちゃんと仲良くなろう


「なんだこれは」


 おじいちゃんを驚かせることに成功した。


 やっぱり男の人が相手だと驚かせるのが限界みたいだ。

 これが女の人ならすぐ触りたそうにウズウズしだす。それはもう見ていて面白いぐらいに。


「我が家のかわいいペットです」


 っていうかこの子等、人の話してる言葉を理解しているんだよね。

 芸仕込むのめちゃんこ楽だった。


「これが魔物とは……確かに、この目で見ねば信じられぬ」


 ぐぬぬと未だ唸っているおじいちゃん。

 見ちゃったんだから信じてもらう他ないよね。


 私に出来るのはこのかわいさを全身で堪能することだけだ。さわさわ。


「危険はないとわかっていただけましたか?」


 この子達を撫でる難点はただ一つ。

 気持ち良すぎて止め時を見失う事だけだ。


「確かに危険はなさそうだが……アイリス?」


 そしてやっぱりお母様に聞くのか。


 お父様も同じ反応だったよね。


「少なくとも、今まで共に暮らして害はありませんでした」


 そもそもお母様に聞くなら私いらなかったんじゃなかろうかと毎回思う。


 これじゃあ私、お母様が話をする前座じゃん。芸とか見せてるし。いやいいんだよ? フェレットを飼うのに必要なことだというのも分かってる。

 ただ芸人と呼ばれるようになるのだけは嫌だ。せめてエンターティナーと呼ばれたい。

 乙女としてその一線だけは守りたい。


 なぜならば。


 私はおじいちゃんを見上げた。


 おじいちゃんおじいちゃん言ってるのは自己暗示の面もある。

 はっきり言おう。かなりタイプです!


 日本で大人気だった海外の大物俳優に似てる。青髪やばい。凛々しい。渋い。麗しカッコイイ。青髪が無しだなんて言ったのは誰だ! アリだよ! 直球ど真ん中だよ!


 正直、性格は好みじゃなさそうだけど、補って余りある顔面偏差値。これ、私のおじいちゃんなんですよ! うちのおじいちゃんカッコよすぎ!


 これがよ? この顔で「芸人か」とか言われたら立ち直る自信が無い。

 芸人をディスってるわけじゃないけど、方向性の問題でね? できれば私は美人とかかわいいを売りにしたい。

 笑顔が絶えない下町の家庭ではなく、旦那様に大事にされて、同僚から羨まれるような美人な……っていやいやいや、だからこの人は私のおじいちゃんだから! そんな未来ないから!


 なでなで。

 うん、ペットの癒し効果でちょっと落ち着いた。


「お爺様」


 おじいちゃんの綺麗な瞳が私を見つめた。


 ハッ!? 今天啓が降りてきた!

 おじいちゃんとの恋はダメでも青兄様の成長後なら年齢も近いしありなのでは!? ってそっちも血縁だった! おおうマイゴッドはいぢわる神か……。


 いや、今はおじいちゃんと仲良くなるのが先決。青兄様との禁断の恋などない。ないったらない。


「用事が終わったのでしたら、先程仰っていた武勇伝を聞かせていただけませんか? 私、もっとお爺様のことが知りたいです」


 男の人は自尊心を擽るに限る。


 褒めて讃えて、持ち上げる。そんで甘える。

 対男性用三種の神器。なお女性にも有効。


「む? そうか? あ、いやしかしだな」


 満更でもなさそうだったのに急に歯切れが悪くなった。


 その原因は……お母様か。

 そういえば青兄様の件で顔合わせづらいとか言ってたね。

 ふむ。


「お母様もお爺様と会うのは久しぶりなのでしょう? そうだ! お爺様、今日は泊まっていかれては如何ですか? 私、お爺様のお話が聞きたいです!」


 山賊さんのところと同じパターンだけど気持ち熱が篭ってしまったのはご愛嬌。


 でも家族で喧嘩してるのは良くないからね。

 とりあえず会話して、それでもダメなら今まで通りでいい。

 これは私のわがまま、心の問題だから。本当に譲れない問題なら仲直りを強制するつもりは無い。


「ねえお爺様、いいでしょう? ね? ね?」


 てか意外としぶといな。抱きついちゃえ。


 泊まるって言うまで離さないぞう!


外国人の渋いおじさま素敵よね!

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