表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
277/1407

フェル視点:屋敷での一日


 僕の名前はフェル。

 ソフィア様に仕える神獣である。


 今日はそんな僕らの一日を紹介しよう。



◇◇◇



「おはよう、エッテ。フェル〜」


 朝はご主人様の声と共に起床。


 名前を呼ばれる順番は日によって変わるが、かわいい寝顔だと先に呼ばれる確率が上がるらしい。

 明日は頑張ろう。


 エッテとの毛づくろいを終えたら朝の運動。


 軽く庭を600周したらご主人様と合流し森の中で戯れる。

 今日は30回しか転ばせられなかった。そろそろ違う遊びになりそうだ。


 そのあとはお風呂で遊んでご飯を食べたらご主人様とロランド様のお見送り。二人が学院に行っている間、僕らは屋敷内で適当に過ごすことになる。


 とりあえずメリーを捕獲して元気を補充してからエッテと一緒にアイリス様の元へと向かう。


 今日は精神安定と魔力の関係性について調べるらしい。

 言ってることはよくわからないけど、やってることはお菓子をくれたり撫でられたりと気持ちの良いことだけだ。しばらくまったりして過ごす。


 アイリス様が満足したら屋敷で働く人たちの慰安に向かう。


 調理場には入ると叱られるので、それ以外の場所を回る。

 庭師は採りたての良い木の実をくれるし、メイドたちは撫でるだけの人も多いけどお菓子を分けてくれる人もいる。


 む、エッテが誰かの助けを呼ぶ声をキャッチしたようだ。急いで向かう。


 向かった先ではご主人様の父君が書類を見つめて大きなため息をついていた。よくある光景だった。

 ひとまず二人で慰めておいたけどまた後で様子を見に来よう。長引きそうならアイリス様に伝えた方がいいだろう。


 よし、今日も屋敷内に異常は見られないな。


 見回りが済んだら昼食だ。


 今日の昼食はメイドたちと一緒にとる。

 アイリス様たちと一緒に食べることもあるけど、今日はこっちだ。

 おやつが多かったからごはんは少なめにしてもらいたかったけど全部食べるまでずっと見張られて離してもらえなかった。がんばって食べた。


 ごはんを食べたらおひるねの時間。


 今日はいい天気だから屋根に登って寝た。風が気持ちよかった。


 目が覚める頃にはご主人様が帰ってくる。


 今日はロランド様と一緒だ。

 エッテと御出迎えしたあとはご主人様の元にエッテを残し、ロランド様に今日一日のことを報告する。


(今日も平和でした)


「そっか。いつもありがとう」


 報告のご褒美に撫でてもらう。

 ああぁ、この御方はなんでこんなに撫でるのが上手いのだろう。ずっとこの手に身を委ねたくなる。


「じゃあこの手紙をアネットのところに。お願いね」


(はい〜)


 ロランド様からの指令を終えれば夕食の時間。


 食堂に集まってみんなでごはん。

 今日はおひるねの時間が長かったから間食は少なめだった。ごはんがおいしい。


 食後はご主人様とまったりして過ごす。


 枕の上で丸まって休んでいたらメリーに踏んずけられた。やり返す。ご主人様に止められた。


「フェルにやられた仕返しをしただけなのよ!」


「キュウ、キュウ!」


「ああもう、喧嘩しないの!」


 ご主人様に免じて今日はこの辺にしておく。


 魔法を覚えてからメリーの反抗が過激だ。ご主人様に迷惑をかけるなんてありえない。


 ご主人様が優しいからって最近のメリーは調子に乗っていると思う。

 もっと僕らを見習ってご主人様に愛されるかわいいペットになればいいのに。


 ご主人様がメリーの相手をしている間に屋敷内をもう一回りする。


 ロランド様に撫でてもらって、メイドたちと交流して、庭の縄張りを確認したら部屋に戻る。メリーは落ち着いていた。


 眠くなったら就寝の時間。


 今日もよく働いたと伸びをして、寝床に丸まる。


 明日もそのまた明日も、ずっとこんな日が続けばいいなと願いながら、僕は瞳を閉じるのだ。



 おしまい。


お茶濁し回。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ