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女神様と例え話


 女神ちゃんはリンゼちゃんと言うらしい。アンジェの妹としての名前だ。


 でね、リンゼちゃんとのお話めっちゃ楽しいのよ。


 初めはクールすぎて何考えてるのか分からない怖いー! って思ったけど、話を聞くに、たまたま私が魔法使ってるのを見かけてどうにも危なっかしいから注意しに来たって感じっぽいし。


 遠い所(?)をわざわざ来てくれるなんて超いい人じゃんね。人の親切が身にしみるね。人じゃなくて神様らしいけど。


 で、神様的に人ってどんな感じで見えてるのかなーと思って軽い気持ちで聞いてみたのよ。

 私をどうやって見つけたのって。


 そしたらさ……。



◇◇◇



「そうね、例えが難しいのだけれど」


 そう言いつつも、全然難しくなさそうな顔。これがこの子のデフォルトだってようやく慣れてきた。


「家を思い浮かべてちょうだい。あなたが家主の家を」


「家」


 家か。

 家といえば我が家だけど、あの家の家主が私になる未来はないよね。


 どうせ想像なんだし、私の新居は王宮にしよう。あんなでっかい家、想像でしか住めないからね。家ジャンルの中でも最上級の家でしょう。うへへ。


「その家を自分で隅々まで綺麗に掃除したとして」


 やっぱ今のなし。


 我が家は犬小屋。

 屋根と壁があれば家としての要件は満たしてると思う。犬小屋バンザイ。


 やっぱりお掃除のしやすさって大事だよね。我が家のメイドさんたち、いつもありがとうございます。


「しばらく経てば、また埃が溜まってくるでしょう」


「そうですね」


 犬小屋サイズなら雑巾一枚で数分もあれば完璧に綺麗にできるけど、ホコリが溜まる事実に違いはない。


「そこに飼っている犬がやってきて、言うのよ」


 犬飼ってたかあ〜っ!


 犬小屋に住んでても飼える犬となると、サイズが……ええい、小型犬の仔犬! かわいい、小さい! 省スペースに低燃費の最高の家族だ! その子がなんて!?


「『ここに変なの落ちてるぞ』」


 喋ったよ!! 犬じゃなかったの!? 人面犬かよ! もうホラーだよ!


「それで見つけたのが、あなた」


 私ホコリかよ! もしくはゴミか!?


 どちらにしろ変なのなんですね! ごめんなさいね変なので!!


「つまりそういうことよ」


 つまりどういうことよ?


 言いたい事は言い切ったと、ちっちゃな女神様は目を閉じた。


 ……え、終わり? 今ので説明終わり? ホントに?


 ごめんなさい女神様。


 満足気にしていらっしゃるところ大変恐縮ですが、全くさっぱり一欠片も分かりませんでした。いえ私が変なのだってのは分かったんですけどね。


 そもそも何の話なのこれ。神様の飼ってる犬は喋るよ! ってこと?


「もしかして女神様って、説明下手です?」


「……そう?」


 自覚ないのか。

 まあずうっと人と関わりのない生活してたみたいだし、こんなもんなのかな?


「あなたがアイテムボックスと呼ぶ魔法を初めて使った日。あの日、神である私があなたを初めて認識し、観測した」


 ほらまた。急に話し出すし。

 間を読むのが致命的に下手で人間関係の構築に苦労しそう。いや、そもそも人間関係なんて気にしないかな?


 神様相手にこんな感想抱くのも変な感じだけど、危なっかしくて目が離せない赤ちゃんみたい。

 知識ばっかりあって常識がない。次に何をするか予想がつかない。


 ぶっちゃけ見ていてとても楽しい。


「あなたがフェル、エッテと呼ぶ子たち。あの子達はあなたをアイテムボックスの中に突き落とすはずだった」


「え」


 ちょっと待って、なにそれ初耳。


 え? 嘘でしょ?


女神様の犬=神様。

愛しているけどペット感覚。

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