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魔物を探そう


「では早速行きましょう。流石にここに居たまま全て解決できはしないでしょう?」


 お母様に言われて考えてみる。


 見えない位置にいる魔物を倒す方法。


 ぱっと思いつくのは銃やミサイルだけど、そんな武装したくない。


 たとえ世間で銃を装備した魔法少女が流行っていたって私がやるなら昔ながらの純魔法少女がいい。許せても格闘と魔法の両刀使いくらいだ。


 そもそも銃の構造とか知らないから再現できないしね!


「目の前に行ってすっぱりとやっちゃえばいいと思います」

「……それが良さそうですね」


 私の表情から何を読み取ったのか。


 山ごと吹き飛ばせそうな魔法なら思いついたけどやらないよ?

 魔法少女の必殺技って派手だよねー。


 さて、二人だけの内緒話は終わったようだ。

 部屋の隅からみんなのいる方に向かっていく。


「私達も魔物討伐に向かいます。機密保持の為、同行する人数は最小限に留めるように」


 慌ただしくしていた山賊さん達に向かってお母様が声を張り上げた。


 命令するのに慣れていて、デキる女って感じだ。カッコイイ。


「その子も連れていくのか?」


 近づいてきた団長さんが怪訝な顔で私を見る。


 幼女を連れての魔物狩りはやっぱり一般的ではないみたいだ。


「この子の魔力で育った可能性があります。連れていった方が危険は少ないでしょう」

「なに? ……いや、分かった」


 二人だけで分かりあわないでほしい。

 でも危なくないならその方がいいかな。


 団長さんは団員達を見回すとさっさと同行する人を決めた。


「ラウルとスワン、ついて来い。それとレニーもだ」

「えっ、ボクも?」

「大型は滅多に出ない。経験になる」


 選ばれたレニーは驚いていたけど、要はお勉強の一環みたいだ。


 人員は最小限って言ってたのにいいのかなとも思ったけど、お母様が何も言わないなら問題なさそう。

 もしかしたら女性同士の方が良いだろうという団長さんの心遣いなのかもしれないね。


「準備が出来たなら出発しましょう。魔物を見失った地点まで案内を」

「ボクが先導します!」


 張り切るレニーを見て団長さんが、スワンさんじゃない方、恐らくあれがラウルさんなんだろう、インテリヤクザ風の人にレニーを頼んでいるのが見えた。


 しっかりと頷いていたけど、いざ森の中を進んでいると先頭を行くレニーの隣にいるのはスワンさんだった。ラウルさんは団長さんの横にいる。


 任されたのに近くにいなくていいのかな?

 よく分からないけど、彼らの中で役割分担でもあるのかもしれない。


 そのままレニーの先導で暫く進むと私が降り立った河原に着いた。

 さっそく魔物を倒した辺りを軽く眺めてみたけど、魔石らしきものは落ちてない、と思う。


 石はいっぱい落ちてるけど魔石っていうくらいなんだから見たら分かるはずだ。たぶん。

 流石に石ころと見分けがつかないと有名な宝石の原石並の難易度ではないと思う。


「お母様、魔石ってどんな見た目ですか?」

「ぼんやりとした光を放っています。色は黒、茶、赤などが多いでしょうか。大きさは小指の爪くらいから指で輪を作ったくらいまで様々です」


 実際に輪を作って見せてくれた。

 親指と人差し指で示された輪っかは五百円玉くらいかな? それと小指の爪……うーん、ひまわりの種くらいかなあ。そんなに小さいと見落としそうだ。


 跪いて探そうとしたら首根っこを掴まれた。


 そうだった、淑女、私は淑女。

 気を取り直してお淑やかに立ってみた。仕方ない、目だけ動かして探そう。


 ジーッと目を凝らしてもそれらしきものは見つからない。


 ってお母様、首そろそろ離してくださいな。いつまで掴んでいるんですか。ソフィアは既に淑女になりましたよ。


 抗議を込めて振り返ったけどお母様は私を見ていなかった。


 いや、誰もが同じ方向を見ていた。


 視線を追う。


 木の影から何かがこちらを見ていた。


 なにあれ……? いや、なんだあれ。


 あ、そうだ。フェレットだ。前に友達が飼ってたヤツ。

 かわいいでしょかわいいでしょ!って写真いっぱい見せられたっけ。


 まぁ当然、あんなに大きくなかったけどね。


 団長さんとあった時も似たようなことしてたけど、あれよりさらに隠れてない。

 なにあのでかさは。明らかに団長さんよりもでかい。


 でもまぁ、うん。


 かわいいな。


 あ、首かしげてる。


スワン先生の斥候講座〜先導編〜を受けてたレニーちゃん

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