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疑惑の賢者


 お昼にはパスタっぽいものを食べた。


 いや、オシャレで見た目はパスタっぽかったけど、実際食べた感じと麺の太さはうどんの方が近かったような……まあ美味しかったから細かいことはなんでも良し!


 とにかく、みんなで楽しく美味しいごはんを食べた。



 そして迎えた、午後の魔法の授業。


 実技はしないのか、いつもの教室で座学の準備を進めてるんだけどね。


 ――私は今、とても眠いです。


 お昼ごはんのあとってどうしても眠くなるよね。


 だから魔法担当の先生が来てからも、ちょっとうとうとしてたわけ。



 はっ! と目が覚めたのはそんな時ですよ。


「ソフィアさん。ネフィリムさん。お二人はみんなとは別に授業を行います」


 目も覚めるはずだよ。

 私たち、ハブられてしまいました。ひどくない?


 なんでも私とネムちゃんの魔法はちょっと規格外らしい。


 回りくどい言い方で説明されたけど、要はみんなに魔法を教える時、例外に傍に居られると気になるんだってさ。先生のメンタルは繊細らしい。


「ククク……流石は魂を分け合った我が半身よ。教師すらも怯えさせる魔力……見事だ」


 見るからに魔法の授業大好きっぽいネムちゃんが絶好調だ。


 これは多分、褒められてるんだよね?

 ネムちゃん語は解読が手間だけど、ちゃんと意思を汲み取ってあげるとネムちゃんがとても喜ぶからめっちゃ頑張った。子供の笑顔さいきょー。


 おかげでだいぶ慣れてきた翻訳機能によれば、半身とやらは兄弟姉妹を指す言葉だったはずだ。が、さすがにそんな関係になった覚えはない。いつもの戯言と聞き流しておこう。


 それよりも今は、規格外らしい私たちが受ける授業に興味がある。


 ネムちゃんレベルの魔法が使える人がいたら魔法談義もきっと楽しいに違いない。




「やっぱりネムちゃんも魔法が得意だったんだね」


「うむ、魔法の勉強は頑張ったのだ!」


 そんなわけで、我々は現在、先生に指定された実技室に向かっている。


 そちらの先生の指示に従うように、とだけ言われて細かい説明はなし。地味に不安である。


 そんな気分を紛らわすように、無人の廊下を往く私たちは誰にも咎められないのをいいことに雑談を交わしていた。交わしまくっていた。


「魔法って楽しいもんね」


「そうなの! 魔法、楽しいから好き!」


 ネムちゃんは興奮してくると口調が崩れて、それがとってもかわいいんだよね。


 思考回路とか行動原理とかもクラスメイトと比べると明らかに幼くて、その割に勉強はできるし魔法もすごいしのハイスペック。


 みんなよりも精神年齢が大人な私とは反対だけど、若干キャラが被ってる気もしなくもない。


 今では二人でクラスのマスコット的存在だ。カレンちゃんは……ネムちゃんの保護者かな。


「ネムちゃんの魔法の先生は賢者様なんだっけ?」


「そうなの! 先生は変な人だけど、魔法はすっごいの!」


 で、折角二人きりなんだからと気になってたことを聞いてみた。


「私もその先生に魔法を教えてもらうことって、できるかな?」


「できない!」


 どストレートな返事きた。

 見て、ネムちゃんの顔。清々しい笑顔だよ。申し訳なさとか皆無。私もこんな風に断れる人間になりたい。


 精神的に幼いネムちゃんに危険な魔法を教えた先生さんとやらに文句を言おうと思ったのに。思い付きで接触できる人種じゃなかったか。


 でも、もうちょっとだけ粘ってみようかな。


「どうして?」


「どうしても!」


 ノータイムで全力拒否だよ。これ思った以上にガード固いぞ。

 ……まさかとは思うけど。


 ネムちゃんと、賢者先生。二人だけの秘密の関係。


 ネムちゃんの先生って怪しい人じゃないだろうな。


ロリぃでコンな賢者さんなんです??

いえネムちゃんはソフィアと同い年だし結婚だってできる年なんですけどね。

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