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みんなで楽しく


 みんなで学食、楽しいなー。カレンちゃんともイチャイチャできるしー。


 なんてやってたら、私たちのやり取りを見て笑ってたウォルフがミュラーを慰めているのに気付いた。


「ほら、ミュラーも元気出しなって。食事は楽しく、だろ?」


 ちょっと放置しすぎたのか、ミュラーが暗くなってたみたいだ。ナイスフォローだウォルフ君。


 それにしても、うーん。相変わらずウォルフはソツがないな。


 カイルもあれくらい気遣いが出来れば……いや、あんな調子で来られたらそれはそれでウザそう。

 カイルが抜けてるのは欠点であると同時に美点でもあるからなあ。なにより扱いやすいし。


 それにどっちが悪いとかいう話でもない。私がなんとなくウォルフが苦手ってだけだ。

 それに言ってることは完全に同意できる。


 食事は楽しく。


 いつまでも落ち込んでたら美味しい食事もマズくなっちゃうよね。


 どうせなら食事は美味しく食べたい。


 そのためにはミュラーだって楽しんでくれないと、みんなで笑顔になれない。笑顔になれないと美味しくない。それは料理を作ってくれる人にも悪いもんね。


 だから私も声を掛けることにした。


「そうだよミュラー。私はいつもの、自信に満ちたミュラーの顔の方が好きだな」


 うん、ここだけ聞くと口説いてるみたいだね。

 便乗して慰めようとしただけなのに不思議だね、でも落ち込んでるミュラーってやっぱり違和感あるし。


 うーん。顔は上げてくれたけど、気分はまだ落ち込んでるみたいだ。


 反省したならちゃっちゃと気分切り替えればいいのにと思うけど、それができる私が異常らしいって自覚はある。

 自分で切り替えられないなら、なんとかしてあげたいけど……まあ褒めまくればいいかな。ミュラーも割と単純そうだし。


「ほら、笑って。ミュラーは笑ってた方が、絶対に魅力的なんだから」


 ほっぺたをツンとつついて強制的に笑顔にしてみた。わーおぷにぷに。

 この感触は癖になりますわー。


 うりうり。ぷにぷに。たーのしー。


「そんな……ソフィアに比べたら、私なんて……」


 お、思ったよりも効果があったっぽい。


 しかし、冷静になって考えてみれば、口説き文句っぽさが増したような……アカン、フォローのつもりが追撃してしまった。

 

 なんかスルッと出たんだよね。いつかお兄様に言われて嬉しかったセリフだったからかな、ついポロッと。さすがお兄様、効果覿面でした!


 ちょっと私には似合わないセリフだったかもしれないけど本心だし。それに口説こうとする意志も無い上に同性。問題ないでしょ。


「……でも、そうね。ありがとうソフィア。もう大丈夫よ」


 ほら、なんか復活したっぽい。誰だって褒められると嬉しいもんね。


 でも良かった、これで楽しい食事が楽しめそうだ。頬がちょっぴり赤いのは気の所為ですよね。うんきっとそう。


 ……と自分を納得させてたら、視線を感じるではありませんか。


 このまま今度はミュラーとじゃれあおうかと思ってたのになんだろうと振り返ったら、ウォルフにジト目で睨まれてた。


 え、その目なに? なんで? ………………あっ。


 あー……美味しいとこ持ってっちゃって、ごめんね?

 大丈夫! ウォルフ君ならチャンスはいくらでもあるよ!


 頑張って♪ とウインクを飛ばしたら表情が険しくなった。解せぬ。


が、がんばれ、男の子!

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