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美少女は裸になると輝きを増す


 悲しみのお風呂から上がったらカレンちゃんが慰めてくれた。


 ……豊かな胸元を私の前で揺らしながらだったけど。


「大変だったね……」


「そうだね」


 唯ちゃんみたいな大人しい性格の人には、きっとお姉様の相手は大変だったことだろうと思う。でもきっと、そんなに嫌な気分にはならなかったんじゃないかな。


 お姉様は社交的な人だからね。対人経験値が異様に高いお姉様は、人が本当に嫌がることなどしないのだ。その点だけは信頼できる。


 ただ嫌がらない範囲であれば割と無茶なこともしてきたりするのが困りものだけど、それもお姉様の笑顔を見れば自然と許してしまえるというか……。


 いやはや、美人ってのは何かとお得だよねぇ。


 得も多い分、面倒事にも見舞われ易いというのは美少女に生まれ変わって初めて知ったことではあるけど、それにしたって顔面偏差値というものは人生の幸福度に大きく寄与する要因だと思う。


 何より、自分が一定以上の美的評価を得ているという自信があると他の美人や可愛い子と話していても気後れしない。卑屈になることも無く、余分な僻みや嫉みを感じることもなく会話ができるという多大な利点は、美形に囲まれた生活を形成するのに必要なとても重要なファクターだと思うんですよね。


 つまり何が言いたいかっていうと、私も美形の家に生まれて良かったということ。そして美形の集まる貴族の学院に通い、美男美女と共同生活を送る幸福に授かれてとても幸運だと思っていること。


 その幸運の結実として、こうしてクラスでもっとも可憐な美少女カレンちゃんの裸身を拝める立場を私は手に入れているということだね。いやホント、生まれって大切ですわー。


「あの……えと、……? ……そ、そんなに見つめられると、恥ずかしいんだけど……」


 おっといけない。無防備に晒されていたもんだから思わずマジマジと見つめてしまった。反省せねば。


 いやでもさ。カレンちゃんの体型、控えめに言って完璧すぎない? 魔法も使わずにあれだけ理想的な体型とか作れるもんなの??


 お姉様もそれはそれはご立派なスタイルではあるんだけど、お姉様のはちょっと立派すぎて目標にするには恐れ多いというか。

 その点カレンちゃんは、まだ私が目指しても許されそうなレベルの美少女というかね。胸もほら、お姉様ほどの主張はないし。身体のメリハリだってまだ少女という蕾から抜けきれていない独特の魅力があるというかね……うん。


 正直に言っちゃえば、私が理想とする美少女像が具現化したみたいな存在なんだよね、カレンちゃんって。


 もちろん少し度が過ぎているようにも思える人見知りな性格とか、ミュラーみたいな戦い好きのところとか、恐怖すら覚える腕力だとか。理想とは食い違っている部分もあるんだけど、見た目と雰囲気がドンピシャ好みで。生きて動いてるだけで軽く感動ものだったりするんですよね。


 とはいえ、だからどーするって話でもなく。

 ただただ友人として普通に接するくらいしか出来ることもないんだけど……ねぇ? 私も年齢相応の多感な時期の少女ですから? 時には衝動的な行動を起こしたりとかしちゃいたくなるんですよね。


 つまりはまあなんだ。私もお姉様の妹として、お姉様が確かめたカレンちゃんの成長度合いを云々。

 要は胸揉んでも今なら許されるんじゃないかと迷っている次第だったり。


 ……いくか? いっちゃうか?


 今ならまだ警戒も薄いし、タイミングを見計らえばそう難しいことでも……。


 とかのんびり考えてたら、私が捕獲される側になっていましたとさ。お姉様がむぎゅっと背後から抱きついてきた。この感触、これお姉様も裸だなぁ。


「ソフィアったら裸のまま何してるの? ……もしかして、変なことでも考えてた?」


「カレンは綺麗だなと思って見ていました」


「ソフィアちゃん!?」


 ……んん?? ソフィア「ちゃん」だと?


 カレンちゃんってもしかして、内心では私のことを子供扱いしているんだろうか。だとしたらちょっぴりショック。私達は対等な関係だと思ってたのに……ぐすん。


 あ、でも私がカレンちゃんをちゃん付けするのはいいんだ。だって私は元JKだからね。一応精神的には年上なので!


 だから年下のカレンちゃんのお肌がツルツルピカピカなのだって「高校生より中学生の肌がスベスベなのは当然だよね!」と考えられなくもないんだけど、それにしたって綺麗がすぎる。


 私のお肌は魔法で完全にケアしてこれだからね? 天然物ではないからね? その差はどうしたって気になるのだ。


「見てくださいお姉様。彼女の肌には一点の曇りも見当たりません。あんなに綺麗な肌を保つのには何か秘密があるのではないかと思うのです」


「ソフィアの肌もツルツルじゃない」


「私はツルツルになるよう努力していますので」


 努力だけでどうにかなるものなのかしら……? と首を傾げるお姉様は置いといて。私はカレンちゃんの肌を……むぅ、避けられた。


「……カレン、家では何か特別なことをしてたりするの? 例えば、一族に伝わる特別な美容液を毎晩塗ってるとか……?」


「……それより、服、着ないの? 風邪引いちゃうよ……?」


 …………成程。身体を労ることが美容へも繋がると。素晴らしい考えだね。


「お姉様。服を着たいので離れてください」


「大丈夫大丈夫。私が着せてあげるから」


 ……いや、何が大丈夫? それお姉様がやりたいだけでしょ。


「なんならカレンちゃんの服も着せてあげるけど?」

「け、結構です……っ!」

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