Loop9 再び死亡、再び復活
「待て!」
僕は国民軍に言い放つ。すると、彼らは止まってくれた。
「先日、国会にあなたがたのような軍隊が押し寄せたこは知っていますね?」
僕は聞く。すると彼らは全員うなずいた。
「そこに僕もいました。」
そう言うと、彼らは
「マジかよ!」
「尊敬するぞ!」
「なぜ止める必要がある?」
と、どよめき出した。僕は弾劾の裁判官のように
「静粛にしてください!」
と言う。そして、話を続ける。
「僕もあなたがたのような気持ちで行動に移りました。ですが、そこから得たのは何もありませんでした。強いて言うならば、名誉損壊が得られました。しかし、それは喜ぶべきことではありません。僕は今、全国に争いを広めてしまった罪悪感、そして、あなたがたに罪を犯してほしくないと言う親切心でむねがいっぱいです。ですから、どうか、どうか、それぞれの...」
言い終わる前に、僕は殺されてしまった。
その後、日本では再発防止策が出来たらしい。が、時はすでに遅し。その頃には、もう国の経済は成り立たなくなり、アメリカに頼る意外、日本の道はなかった。国の離れ領土をアメリカの飛び地とすることを認め、日本の経済を支えてもらった。その代わり、日本は占領され、独立国としての昨日を失ってしまったのだ。
目が覚める。と、そこは自分の部屋。まるで、何事もなかったかのような小鳥のさえずりと木々のざわめき。
「お兄ちゃ~ん!朝ごは~ん!」
と、妹の声が聞こえ僕は階段を降りる。
しかし、変しい。僕は死んだはずだ。それに、遠くに見えるのは崩れたはずのスカイポール。僕は全くワケもわからぬまま、ご飯を食べた。