Loop0 全ての始まり
ドカーン!ドカーン!ドカーン!
遠くの方で幾度か爆発音がした。そして、その轟音は僕にどんどん近づいてくる。
ドッカーン!
近くで何かが爆発した。その瞬間、無数の破片がコチラに飛んできた。それらが当たると、僕は血だらけになり、体中に痛みが染み渡る。
このままでは危ないとわかっていても恐怖で足が震え、動けない。そして、僕はそのまま爆発に巻き込まれ、死んでしまった。
150万人を超える死者と、約500万人の負傷者を出した爆破事件。それは、犯人が爆破に巻き込まれたことで”被疑者死亡”として解決された。
そのことで国民の政府への不満は高まり、激しい内戦が起こった。が、決着は着かず国が荒れただけという結果となってしまった。
それからは早かった。わずか1年足らずで日本は異国に頼るしかなくなり、かつての経済は保てなくってしまったのだ。
こうして、あの事件によって日本国民全員が不幸になってしまった。
しかし、なぜか僕は生きていた。外を見ると内戦の痕跡は全く無く、当たり前のように人が歩き、車が走っている。異国かと思いきや、ここは僕の家。
「お兄ちゃ~ん!朝ごは~ん!」
下の階から妹の声がした。僕は全然ワケがわからなかったが、お腹が空いていたので階段を降り、ごはんを食べた。
日本ではもうこんな当たり前の日常ができないはずだが、とりあえずラッキーなのだと思って僕は自分が勤める会社を目指して歩き出した。