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第2話 霊帝、大地に立つ&翔べ、霊帝!

2話目です。

 二人を飲み込んだ光はすぐに収縮し治まると、アトラはすぐに霊帝、メランの様子を見る。

 「霊帝様、大丈夫ですか?」

 アトラがメランの体に異常がないかと身体に触れた時、彼女は違和感を覚えた。

 (や・・・・・・柔らかい? あれ? 男の人ってもう少し筋肉質じゃなかった?)

 メランは自分の身体に起きた変化のショックで気を失っている。

 メランの身体のあちこちを触るアトラはよくある特有の感触に辿り着く。

 

 ムニュっ!

 「えっ?」

 その感触は女性特有の感触であった。

 ムニュ、ムニュとまじまじとその感触を確かめ、その後、彼女は自分の胸に手を当てて思う。

 (私より大きい・・・・・・)

 かなりショックを受けるアトラ。

 確かに彼女もそれなりに大きいのだ・・・・・・世界の管理を任せられてる神達の間では、管理神界一とも言われる事もある。

 

 「いけない・・・・・・ショックを受けてる場合じゃなかった! と言うか、この横たわってる少女は一体誰でしょう?」

 霊帝であるメランに似てはいるものの、身長がメランと比べると低い。アトラの身長差分を引いても145cm前後とかなり低い。 そして装身具もメランと同じである。

 (もしや、霊帝様と入れ替わりで、地球から新たに召喚した人間かしら?)

 と疑問を抱くアトラ。

 

 すぐに召喚システムのチェックするが、異常はない。メランを召喚した時のままである。

 「可愛いから、ま、いいか! このまま私のお付きにしましょうっ! そうしましょう!」

 原因を探る事を放棄する女神。

 おい、それでいいのか女神!


 このまま寝かせているわけにもいかないので、アトラは少女を抱き上げた。

 「よいしょっ!」

 とその瞬間だった。

 パキーンッ!

 甲高い音を立てて、少女の装身具一式が割れ、崩れ去った。

 「あらやだ、こんな脆い装飾品つけていたなんて、この子ってばかなりの見栄張さんなのかしら?」

 と呟くアトラ。

 「それは俺のリミッターだ!」

 抱き上げた少女が目を覚まし、そう言った。

 「あら、目が覚めたのですね? 良かったです。」

 少女の言葉はスルーらしい。


 「私はアトラス・アストレイア。あなたの名前は?」

 少女を抱いたまま自己紹介する女神。

 「メラン・コリーク。」

 と少女がボソッと言った。


 「えええええええええええええええええええええええええええええええええっ!」

 その言葉を聞いた瞬間、アトラの声と共に少女が放り投げ出された。

 かなりの力で上に放り投げられた少女は軽く弧を描き、一回転して、アトラの目の前に着地。

 「どどどどど・・・・・・」

 テンパってる女神に対し、メランと名乗った少女は自分の身体を確認し、溜息を一つ吐いた。

 「はぁ・・・・・・これまた、聖帝に怒られるな・・・・・・いやむしろ、玩具にされる可能性の方が高いか?」

 そしてアトラを見る少女。


 「あわわわ、ど、ど、ど・・・・・・」

 未だにテンパってるアトラに対し、少女は落ち着いた様子で口を開く。

 「俺は、数年に一度だけ、こういう身体になるんだよ。 言っとくが、お湯をかけても男にはならんからな。 そこは誤解するなよ。」

 簡単に言ってしまえば、メラン・コリークと言う存在に性別は存在しない。不定期で男と女の身体が入れ替わるのだ。

 

「あ~あ、リミッターが全部壊れたか・・・・・・力加減がめんどくさいな・・・・・・」

 割れて崩れ去ったリミッターのなれの果てを見たメランが呟く。

 「これからどうするのですか?」

 なんとか立ち直ったアトラがメランに尋ねる。

 「とりあえず、魔神をボッコボコにしてくるから降ろせ。」

 と、答えるメラン。


 「いえいえ、ちょっと待ってください!

 その姿で? その恰好で? その身体で?」

 アトラの疑問は最もだ。

 今のメランの容姿は、小学生か中学生の女の子にしか見えないのだから。

 「問題はない。 容姿が変わっただけで、ほかは変わってない。」


 それでも・・・・・・と納得がいかないアトラに対し、メランは彼女のすぐ傍まで近寄り、にこやかに笑みを浮かべてこう言った。

 「降・ろ・せ・!」

 「はいっ!」

 その笑みを見て、その言葉を聞いたアトラはすぐに返事をし準備に取り掛かる。


 「で、いいですか? 地球と違いますので、地球に降りた時のような行動はおやめください。

 それと、世界観を著しく変えるような兵器の創造、使用はやめてください。」

 「あぁん?」

 「いえ、なるべく控えてください・・・・・・」

 「うむ、努力する。」

 アトラからの諸注意を受けるメラン。

 (絶対、努力する気ない・・・・・・なんで、私、霊帝様を召喚したんだろう・・・・・・)

 と心の中で呟く彼女。

 

 「魔法に関しては、熟練した者は詠唱なしで自分のイメージした通りになりますが、あまりにも膨大な魔力を集めすぎると、暴走し、爆発します。 感情の高低差でも左右されるので注意してください。」

 とアトラから再度、魔法の説明を受ける。

 

 「比較的、モンスターが少ない安全な場所に降ろします。

 それと、空間収納魔法は便利ですので、ぜひ活用してください。 イメージとしては穴の中にある貯蔵庫って感じです。 その中に当面の生活費として、私に奉げられたお布施を少しだけお渡しします。

 では、お気をつけてください。」

 「うむ。」

 説明を終え、アトラが魔法陣の真ん中に立ったメランを見つめると、メランはすぐに消えた。

 「霊帝様でも魔神に勝てなかったら・・・・・・どうしましょう・・・・・・」

 アトラはそう言って、ホログラフディスプレイを呼び出し、自分が管理する世界、レティエスの様子を探る仕事に戻るのだった。


 ドゴォーン!

 爆音と共に土煙が上がる、それが治まると、クレーターの中心地にいた少女が咳をしながら周囲を見る。

 「ケホッケホッ! あんのアマぁ・・・・・・もう少し穏便に降ろせっての・・・・・・」

 土煙で埃がついた衣類をパンパンと払い除け、クレーターをよじ登る。

 霊帝メラン、ようやく大地に立てたのだ。

 「よし、とりあえず、この格好では目立つから、衣装を変えるか・・・・・・」

 そう言って、メランは目を瞑り集中する。

 (イメージは魔術師、そこそこ丈夫なロングソードを右腰、後ろ腰に隠し玉のショートソードを装備っと。)


 「ま、こんなもんか。」

 出来上がった衣装を見て、イメージ通りになったのを確認するメラン。

 神の力の一端である創造を使って、衣装を作った。

 

 白のローブ型マント、中には赤いシャツを着て、ズボンはデニムに近い質感とした紺色を配色し、右腰にロングソード、後腰にとんでもないチート機能が付いたショートソードとまぁ、あまり魔術師に見えないが本人が魔術師と思っている。

 「さてと・・・・・・じゃ、とりあえず・・・・・・」

 (足元に半重力、同時に背中に透明な翼のイメージっと・・・・・・)

 呟くと同時に頭の中でイメージするメラン。

 「おぉ! ちゃんと浮いた!」

 10㎝ほど浮くメランはそう言ってはしゃぎ、空高く舞う。

 「うん、魔法も良好だな・・・・・・あとは・・・・・・おぉ、あれを忘れていた。」

 自由自在に飛び回る事に慣れメランは自分の左側にできた空間の穴に左腕を突っ込んで中にある革袋を確認。

 

 「あいつの金銭感覚間違ってないか?」

 少し開けた森の広場で革袋の中に入ってる金貨、銀貨、銅貨を確認するメラン。

 革袋と言ってもそう大きいものではなく、精々、コンビニの小さい袋ぐらいの大きさなのだが、量が多かった。

 金貨、銀貨、銅貨、それぞれ一つの袋に、300枚入ってる。

 それが200袋あるのだ。

 「確か、銅貨が約5百円、銀貨が役2万円、金貨が100万とか言ってたよな・・・・・・どうすんだこの量・・・・・・使い切れる金額でもないか・・・・・・」

 国をまるまる一つ買えば、消化できない持ち金ではないな。と考えるメラン。

 この世界・・・・・・レティエスで言えば、メランは1番の富豪である。

 そんな事は露知らず、森を抜け、街道に出てとぼとぼと歩く。

 

 「ん~・・・・・・『ガッチムッチ村まで10日か』・・・・・・」

 木板で出来た立て看板が目に止まり、立ち止まるメラン。

 この世界の言葉はすでに神の力で習得し、発音は勿論、読み書きできるようになっている。

 悩んでいるのはここがレティエスのどこに存在しているのかと言う事と、村まで10日かかると言う事はその分の食料と寝床の確保がないと言う事だ。

 「のんびり行く予定だったが・・・・・・仕方あるまい・・・・・・」

 意を決したかのように浮遊魔法を発動し天高く飛び一筋の光となって空を疾駆するメラン。

 どうやら、大きな街まで飛んで進む事にしたようだ。

 

 「ん?」

 街道沿いに飛び続けたメランが下の様子に気付き、様子を見る。

 高度は十分に取っているので狙われる心配はない。 まぁ、狙撃ライフルで狙われたら話は別だが、この世界では問題はない。

 「盗賊か・・・・・・襲われているのは貴族と見たが・・・・・・まぁ、いい。この世界の連中がどのぐらいの強さなのか試すか。」

 そう呟くと同時に彼、いや彼女は現場へと急降下した。

 

 「悪い事は言わんから、荷を寄越しな。 そうすれば、女達は勘弁してやる。」

 頭にバンダナを巻き、いかにも悪人で盗賊の頭ですが、何か?みたいな面の男が対峙している傭兵と思わしき妙齢の女性騎士に言った。

 馬車を引いていた4頭の馬は最初の襲撃で事切れて、御者は足を切られ、馬車から落ちて蹲り、妙齢の女性騎士一人と若年の女性騎士四人が絢爛豪華な馬車を守るように囲っていた。

 消耗戦では勝ち目はない騎士達だが、誰一人として逃げるような素振りを見せない。

 馬車の中には大事な主人がいて、その中に二人の従者がいる・・・・・・積み荷など殆ど食料だけで渡せる物などなく中にいるのが女だとわかれば死んでも生きても地獄しかないのは明白である。

駄文にお付き合いありがとうございました。

次回、投稿日未定です。

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