願いごと
穏やかな作り笑い
うんうんと優しく頷きながら
そうだよね
君のキモチはよくわかるって
理解ある大人の口ぶりで
でもそのあとに
あなたは必ずこう言うんだ
「でもね」
ああ
その瞬間に
すべてが台無しさ
欲しいのは正論ではなく
ましてやあなたのジャッジでもない
そんなこと
言われなくてもわかってるもの
わかりきってるもの
わかっていてもどうしようもないこのつらさが
どうしてわからないの?
あなたは気づいているのかな
口癖のように繰り返す
「がんばって」
知ってるよ
あなたにとってはただの挨拶
でもそのたびに僕は
突き放されたキモチになって
ガラガラと心のシャッターが降りる
あなたはずっとそうやって
本当の自分を押さえつけ
がんばってがんばって
生きてきたんだよね
それが悪いとは言わないけれど
ただわかってほしい
僕はあなたとは違う
決められたレールの上
最短距離を示されて
こうすればもっと早くゴールできるって
そんなこと望んじゃいない
ビリでもいい
道に迷ってもいい
空を見上げて
風を感じて
道端のちっぽけな花を眺めて
自分だけの風景を
確かめながら歩きたいんだ
それが僕の願うこと
現実はそんなに甘くないとかいって
あっさり切り捨てないで
何も話してくれないと
いつもあなたは嘆くけど
僕が話をしない理由さえわからないあなたに
どう心を開いたらいいのか
もうわからないよ
ねえ
僕は決して多くを求めてるわけじゃない
もしかしたらあなたには
一番難しいことなのかもしれないけれど
僕が何をしても
ただ同じ温度で見守っていてよ
そして信じて
こうしている時間にも
必ず意味があるのだと




