子供
楽しかった思い出––––
昔に、戻れたかな……
「俺……何で寝てんだ……」
過去を思い出した瞬間。恥ずかし過ぎて、顔を抑える。
「ファーストキス……取られたんだよな……」
そんな事を口ずさみながら、口を抑える。まるで女の子の反応の様だった。
突然、部屋の扉が開き、優が部屋に入って来た。
俺が優を見ると、物陰に隠れ、軽蔑する様な目で俺を見つめる。
「私と……キスして……」
何で! 何でそこでそうなるの!
「な、何を言ってるのかな? 優さん」
「私とキスして欲しいの!」
本気だ! この子本気の目だ!
「そ、そんな簡単にするものじゃないだろ!」
怒っているつもりなのに、何故か声が震える。
「……葵はしたのに?」
俺は、恥ずかしさのあまり俯いた。
「あれは……その……無理矢理だったから……? でもっ!」
反論しようと顔を上げた瞬間。
「じゃあ、私も無理矢理する!」
目の前わずか三十センチの距離に優が居た。
「ちょっ! 近いって!」
優が猛獣の様に迫ってくる。
そして––––
––––ちゅっ。
皆様も聞こえただろうか……この瞬間を––––って……え?
「……ファーストキスとった」
優は満面の笑みで俺の前に立った。
俺は、感触を抑え込む様に頬を抑える。
「優……まさか……」
俺は、俯く優に目をやった。
優は顔を上げてそっぽを向きながらこう言った。
「べ、別にあんたが好きだからやったことじゃないんだからね!」
な、なんで……ツンデレ?
変な優を見て、ついつい笑いが出てしまった。
「ど、どうしたの?」
「いや、今日の優が何か可笑しくて」
全く笑いが止まらない。
「全然、おかしくなんかないもん……」
優は俺の横に座り、笑う。
まるで子供の様に、見つめ合いながら笑う俺たちはなんだか、幼い頃に戻った様な気がした。
「なあ、優……」
笑いが治まったぐらいの頃に俺は口を開いた。
「……どうしたの?」
俺は優の手を握る。
ここまで来たら、もう後戻りは出来ない。
顔がどんどん近くなっていく。
一センチ、一センチ近づくにつれて、鼓動が激しくなる。
優の唇がほぼ目の前まで来た。
「ねえ優ちゃん? 買い物行くんだけど来……」
「「ふぇぇっ!」」
おばさんがいきなり部屋に入って来たせいで、俺たちは変な声を出して瞬時に離れた。
「ごめん。お楽しみだった?」
「違うっ! 違うよおばさん!」
首を激しく横に振り、動揺した声で反論した。
「そ、そうだよおばさん! 何もしてないって……」
優は顔を赤くしながら反論した。
「そ、蒼太に襲われただけだから!」
「ちょ、ちょっと? 優さん? 何を……」
裏切られた。
「蒼太? 今日は晩ご飯抜きね?」
「ち、違うって、おばさん! だから何も!」
「言い訳しても知りません。ちゃんと反省しなさい!」
「そんなあ……」
「嘘よ。買い物行くからついでに食べて帰りましょう」
ニコニコして言うおばさんを見ると、神様に見えた。
「その代わり、荷物持ちはお願いね」
不幸だ……
来月はコンクールの結果発表。
もう、夏が終わる。
すみませんっ!本当にすみません!
新年早々謝るあるみゃです!
何故謝るかというと、4ヶ月もほったらかしにしていたからです!本当に申し訳ありませんでした。
続きを二話ぐらい書いたのでお願いします!
今話を見てくださった皆さん。ありがとうございました!
放置していて誠に申し訳ありませんでした!
あと、あけましておめでとう!ございます!