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碧翠の使役士  作者: 白縫 綾
 Ⅰ:候補者たちの課題
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『―謎― / 課題』

内容は全然変わっていません。

緑央(りょくおう)猫梨(びょうり)の使役動物を聞き出してみよ』


 それは、広大なグラール草原で竜からの侵攻を防ぐ使役士たちが集う碧翠(へきすい)使役団が隊長昇格試験を行う時期。

 若き隊長候補たちに、毎年のように課せられる課題である。


 まるで、謎解きのようだ。

 だがそれも正しいといえば正しい。

 使役士――言葉を話すヒト以外の動物と協力して様々な作業をこなす彼らだが、猫梨にはなぜかその相棒(パートナー)がいなかった。

 否、誰も見たことがなかった。

 しかし、流れるうわさは猫梨が強いと言っている。

 彼女(・・)は団の中でも一、二を争う有望株である、と。

 真実は定かではなかった。知っているのは、その課題をクリアし、晴れて隊長となった者達のみである。

 だから隊長候補者たちはまずその答えを彼らに求めるのだ。

 しかし隊長たちは決して口を割らなかった。というよりは、真実を知ったときの事を思い出し恐怖して何も言えなかった、の方が正しい。

 果たして猫梨の使役動物は何なのか。何より、彼女はいったい何者なのか。

 そんな碧翠使役団の謎を少しも気にせず、うわさの根源の使役士はこの日も家事仕事をしていた。

 何故か彼女は、団員たちの知る限り一度も戦場に立ったことがないのだ。

 するのは料理、裁縫、洗濯などの家事のみ。


 この齢十四(・・・)の少女が最年少の使役士で、しかも隊長であるなど誰が思うであろうか。

 しかし、それは紛れもない事実であった。



 そして、この日も――

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