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想造世界  作者: 玲音
第四章 種族争い
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ラスボス登場か・・・・

俺はため息をつくと、その場から出ようとした。


すると、出て行ったはずのさっきの奴が戻って来た。

その手には、俺が見た奴らの姿と似たような服があった。


「これを着ろと言うのか?」

「はい、大丈夫です。ちゃんと、上級神者様用のお洋服でございます」

「いや、そう言う問題じゃないのだが・・・・」


「なにかご意見でもございますか?

可能な限りは最善を尽くしたいと思いますが・・・・」


俺はため息をつくと、手渡された服を眺める。

真っ白のローブに、金色の腕輪と、なぜか、ゴムがある。


「なぜ、ゴムなんか渡すんだ?」

「髪がとても長かったので、結んだ方がよろしいかと思いまして・・・・」


再び重いため息をつくと、トイレに行って、着替えてみる。が・・・・。


「どうみたって、変だ」


俺は、鏡に映っている自分の姿を見て、思わずため息をついた。


白いローブのようなものは眩し過ぎて目が眩みそうだし、

金の腕輪だって、でか過ぎて、手を上に上げれば肩の方にずり落ちて来る。


そして何より、髪だ。こんな格好をしているのに髪を一つに結んでいる。

なんだか変な気分だ。


ため息をつきながら鏡を見ていると、服を持って来た奴がトイレに入って来て、

俺の姿を見て手を叩く。


「とてもお似合いです!

・・・・っと、あの・・・・お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」


「亜修羅だ」


「それは、とてもお似合いのいい名前でございますね。

それでは亜修羅様、この場所に何の御用で?」


そう問われ、思わず体が反応する。

ここがどんな場所かも知らない。それなのに、そんなことを問われても・・・・。


「そもそも、ここはどこなんだ?」

「ここは、賭け事をする為専用に作られたドームでございます」

「なぜ、賭け事にそんな大きなドームを使う必要がある?」


「ここでは、神域での一大イベント、種族争いを生中継しているのです。

・・・・説明だけではわかりずらいと思うので、是非ご覧下さい」


「お前、名前は?」

「私は、音恩と言います。どうぞこちらへ」


そう言って、音恩は扉を開いた。


俺は、本当は見たくもなかった。

しかし、勧められているので、中に入らないと変だと感づかれてしまう為、

仕方なく扉の中に入った。


すると、今まで全く聞こえなかった大勢の歓声が聞こえて、思わず耳を塞ぐ。

そのまま目線を上げると、とても大きなスクリーンに妖怪達が映っていて、

戦っているのがわかる。


その映像を見て、大勢の観客が騒ぎ立てているのだ。


「こんなことをして、何が楽しいんだ?殺し合いを見ていて・・・・」


「私にもよくはわかりません。

しかし、幸明様のご命令なので、我々も逆らうことが出来ずに・・・・。

現に、魔界の神魔光霊命様は、魔界を守る為に、

幸明様に異議を申し立てましたが・・・・牢獄に閉じ込められてしまいました。

そのことを知ったみなは、嫌が応でも幸明様に従わざる負えません」


「・・・・そうだな」


その説明を聞いて、思わずため息が出てしまう。悪いのは神の世界で一番偉い奴。

魔界で言えば、魔王だ。面倒なことになったぞ・・・・。


「亜修羅様、よろしければ、VIP席でご覧になられますか?」

「なんだ?そこは?」


「VIP席とは、上級神者様のごく一部と、

特級神者様だけがご利用になられる特等席でございます。

亜修羅様は、その条件に当てはめられている為、VIP席にご案内出来ますが、

どういたしましょうか?」


「そこには、幸明はいるのか?」

「ええ、幸明様もいらっしゃいます」


それを聞いて、自然と大きく息を吐いた。


ゲームに例えればラスボスに匹敵する奴だ。

まさか、こんなところで出て来るとは思わなかった。


「そうなのか?」

「はい、どういたしましょうか?」

「連れて行ってくれ」

「わかりました。では、こちらへ」


すると、近くにあった上り階段を上って行く為、俺も後についていく。


どうやら、他の連中にはこの階段は見えていないらしく、

俺が階段を上っているのすらわからないようだし、

階段の前に来ても上って来ようとしない。


物凄くおかしいと思う。多分、特殊なバリアか何かを張ってあるんだろう。

それは、初級、中級神者には見えない。

それなのに俺は、神でもないのに見えている。明らかにおかしい。


しかし、そう思っている間にエレベーターが見えた為、そのエレベーターに乗り込む。


「VIP席は、八階にあるんです」

「・・・・ああ」


別に言わなくてもいいことを一々言うなんて、なんか変だ。


「そう言えば・・・・突如姿を消した、頭脳種族の族長の名前も、

亜修羅様と同じ名前でしたね」


そう言われて、自然と体が反応する。


音恩は、俺に背を向けているから表情は見えないが、

それが不意に言ったのではなく、故意に言ったような感じがしてならなかった。


自然と殺気立っていると、そんな気配に気づいた音恩が、振り返って笑顔を浮かべた。


「亜修羅様、どういたしましたか?」

「いや・・・・」


俺は、顔が引きつるのを感じた。

こいつ・・・・何かがある。


今さっきの微笑みの裏に見えた不思議な気は、

今まで沢山感じて来た気とは違うとわかった。しかし、妖怪ではない。


こいつは一体何者なんだ?


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