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想造世界  作者: 玲音
第五章 新しい出会い
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・・・・コレクターです

「あのさ、市川さんは、華月さんと仲がいいんでしょ?

お兄さんには会ったことあるの?」


「うん、あるよ」

「あっ、あるんだ!どんな人??」


「えっと・・・・人と話しをするのが苦手な人みたい。でも、私とは話してくれたよ」

「・・・・じゃあ、もし、僕達が会いたいって言ったら、会ってくれるかな?」


その問いに市川はためらいもなく首を振る為、絶対に無理なことなのだろう。

俺だって、人と関わるのは得意じゃないが、絶対に無理と言う訳でもない。

・・・・何かあるのか?


「そっか、それじゃあ、お兄さんはよっぽど人とかかわるのが苦手なんだね」


「うん、人が苦手だから、ほとんど家から出ないし・・・・

そもそも、部屋の中からもあまり出て来ないみたいだから」


「引きこもり??」


「そうなのかな?

仕事の関係で、どうしても外に出なくちゃいけない時は外に出るらしいけど、

それ以外は全く外に出ないみたい。一週間とか」


「・・・・そんなに長い間家から出ないで、普段は何してるんだよ」


「えっ!?えっと・・・・

多分、漫画を描いたりパソコンをしてるんじゃないかと思います」


「ふーん」

「秋人さんも漫画描いてるの!?」

「さっき華月がそう言ってたじゃないか」


「うそっ!?」

「嘘じゃない」

「・・・・そうなの?」


「うっ、うん。華月がいつも売ってる漫画は、秋人さんとの共作だったらしいんだ。

私も漫画とか描いてみたいけど、絵が上手じゃないから、

せめて華月達のお手伝いでも出来たらなって思って手伝ってるの」


「・・・・と言うことは、秋人さんと会ったことがあるって言うのは、

みんなで漫画を描いてる時なの?」


「うん。漫画は趣味だって言ってるんだけどね、絵が凄く上手なんだ。

仕事って言うのは、プロの漫画家のアシスタントと、イラストレーターなのかな?

よくパソコンで絵を描いてるところを見るけど、

ウェブデザイナーみたいなことをしてる時もあるし・・・・正直、よくわからないの」


「・・・・凄い人だね。あっ、だから家から出ないで仕事出来るんだね!

あっ、でもさ、買い物とかはどうするの?」


「人が尋ねて来た時の対応や、買い物とかは全部華月がやってるみたい」

「・・・・それじゃあ、今日の外出はとってもレアなことだったんだね」

「うん・・・・」


話しに聞く限りじゃ、相当変わった人物らしい。

今までの経験上、おかしなことを言ったり、

変な奴こそ、案外凄い能力を持っていたりする。


もしかしたら、華月の兄貴も能力を持っているのかもしれない。

・・・・あくまでも想定に過ぎないけどな。


現に、竜達だってそこまでクセのない奴らばかりだ。

・・・・まぁ、中には聖夜みたいなクセの塊みたいな奴もいたが、

あいつも仲良くなってみれば案外普通だしな。


それを考えると、「能ある鷹は爪を隠す」と言う言葉はよく出来たものだと感じる。

あの言葉の通りであれば、一番普通そうな奴が一番凄いってことだもんな。


・・・・って、俺は何を言ってるんだ。途中で考えてることが間逆になってるぞ。

変な方向に話が傾いてしまったので、

このことについて考えるのをやめ、二人の会話に意識を集中させる。


「あっ、そうそう。あのね、華月さんの能力のことなんだけど・・・・」

「おい!」


二人の会話に集中した矢先に、凛はとんでもないことを言った。

あれだけ慎重に行動しろと言ったのに・・・・。


机の下で奴の足を思い切り踏むと、気づかれないように市川の方を見る。

凄く不思議そうな顔で俺達のことを見ていた。


この様子からして・・・・こいつは華月の能力を知らないのか?


「あっ、あの、能力って・・・・?」

「絵の才能のことだよ!」

「あっ、ああ。なるほど・・・・」


その言葉の後に見せた表情は、なんだか腑に落ちないもののようだったので、

こいつは能力のことは知らないんだなと理解する。


「・・・・あいつと一緒にいると、よくつけられないか?」

「えっ?」


「あっ、えっと、なんだか後ろからつけられてるな~

みたいな気がしないかなってことだよ!」


「うっ、うん。確かにあるよ。

姿を見たことはないんだけどね、そんな気がすることはよくあるの」


「そうなんだ・・・・。華月さん、普段はどんな生活をしてるのかわかる?」

「えっ!?」


驚いた表情を浮かべると、黙り込んで考える。

しかし、答えは出なかったようで首を振った。


「多分、普通に学校に通ってると思うよ。それ以外は普通だと思うけど・・・・」

「そっか!」

「あっ、あの、私そろそろ華月の部屋に行かなくちゃ・・・・」

「そうだね、ごめん」


凛の言葉に首を振ると、急いだ様子で華月の消えた方向へと歩いて行った。

残された俺達は、深いため息をつくと、箸を置く。

互いに考えていることは同じみたいだ。


「・・・・どうしよう?」

「お前はどう思う?」

「うーん、このまま謎を残して帰りたくはないけどなぁ・・・・」


「よし、行こう」

「えっ、行くの?」

「急がないと、どこに行ったかわからなくなるぞ」


あまり気乗りしていない凛の腕を引っ張ると、

市川の後を追うように部屋の奥に行く。すると、二つの部屋に分かれていた。


「どっちの部屋にもネームプレートないね?」

「・・・・ネームプレート?」

「ほら、自分の部屋のところにさ、名前が書いてあるやつ!」


「子供ぐらいしかしないだろ?」

「いやいや、僕の友達やってたし!」

「・・・・」


「って、何やってるのさ!」

「二人がいる部屋なら会話が聞こえて来るかと思ったんだ。邪魔するな」

「あっ、そっか。確かに」


ポンと手を叩くと、俺と同じように閉まっている扉に耳を当てる。


「・・・・何も聞こえないね?」

「そうだな」

「あっちはどうかな?」


「あっちはわずかに扉が開いているから、声が出てたら聞こえるはずだろ」

「うーん・・・・」


「しょうがない。入るか」

「えっ!?もしかしたら、お兄さんの部屋かもしれないよ?」

「・・・・」


その言葉には答えず、わずかに隙間が開いている部屋の中に入る。

そして、思わず歩みを止めた。


部屋の中は、とあるキャラクターのポスターやフィギュアなどで

溢れかえっていたからだ。


しかも、それだけではない。

パソコンにもそのキャラクターが描かれているし、ベットのシーツから枕、

抱き枕まで、全てが1人のキャラクターであふれかえっている。


「おーい、どうしたの?」

「・・・・」


あまりの驚きで声が出ず、その場に立ちつくしていると、

気になったようで部屋の中に入って来た。


「うわっ、凄いね。よっぽどこのキャラクターが好きなんだね」

「・・・・よく平然としていられるな」

「いや、びっくりはしたけどさ、僕の友達でもいるから、これぐらい普通かな~って」

「・・・・」


改めて、こいつの人脈の広さを実感する。

こう言うタイプの人間をなんと言うのか俺は知らないが、

そんな相手とも普通に友達になれていると言うのだ。

人脈の広さもそうだが、こいつの性格も尊敬に値する。


壁や天井には、元の壁の色が見えないぐらい沢山のポスターが貼ってあるし、

机の上にはそのキャラクターの描かれたグッズだらけだ。


「ん?」

「どうしたの?」

「・・・・」


この部屋の中には、そのキャラクター以外のものがないと思っていたが、

パソコンの裏に、唯一そのキャラクターが描かれていない写真立てを見つけた。


その写真立ての中には写真が飾ってあり、

顔立ちがどことなく華月に似ている男と、茶髪の女が写っていた。


「お兄さんって、この人かな?」

「むしろ、女の方だったら驚くだろ」

「そんな屁理屈言わないでよ!」


「ふん」

「ちょっと!!」

「声がでかい!」


大きな声で怒り出した凛の頭を殴ると、部屋の外の様子を伺う。

幸いなことに、華月達のいる部屋の扉は開いておらず、

俺達の様子は知られていないようだ。


「とにかく、出よう!本人がいないとは言え、これ以上人の部屋にいるのはよくない!」

「そうだな」


凛の言葉に同意し、部屋を後にしようとした時だった。

ふとパソコンの電源がついていることに気がつき、画面を覗き込んでみる。

どうやらゲームの途中だったらしく、複数のキャラクターが動いていた。


「ほらまた!」

「・・・・」


凛に腕を引かれ、無理やり部屋の外に連れ出されるものの、

俺は、そのゲームが気になって仕方がなかった。


「ゲームつけっぱなしだぞ」

「いいんじゃないの?」

「そうか?」

「そんなことよりもほら、行くよ!」


凛は、よっぽど華月の部屋に行きたいらしく、凄く急かして来るので、

仕方なく目の前にある部屋に入った。


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