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想造世界  作者: 玲音
第五章 新しい出会い
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これも、一種の衝突事故ですね

家の中に入ると、一直線にとある部屋へと向かって行く。

もちろん、亜修羅の部屋だ。

一番近くにあったからって言うこともあったけど、とにかく、話をしたかった。


周りの人を起こさないように、静かに廊下を歩くと、ドアの前で立ち止まる。


ここからは、更に意識を集中しなくちゃいけないなって思ったんだ。

ほら、ドアの音って、意外と響くからさ。


一回大きく息を吸い込んだ後、

ゆっくりと扉を開けようとノブを回すものの、開かなかった。

今度は、少し力を入れて押したり引いてみたりしたけど、やっぱりダメ。

そうわかった時、寝る前に亜修羅の言っていた言葉を思い出した。


「例えお前が眠れなかったとしても、絶対に部屋には入れないからな」と言われたんだ。

亜修羅は、変なところで勘が鋭かったり直感が働いたりするから、

きっと、このこともお見通しだったに違いない。


そう思ったら、なんだか無性にムカついて来て、意地でも中に入ってやろうと思った。

しかし、問題がある。

それは、部屋の中に入るためにはこの扉から入るしか方法がないと言うことだ。

あっ、窓から入るって選択肢もあるけど、窓の鍵もかかってる可能性もあるし、

窓はバレる危険性が高いから、出来れば避けたいところ。


ここで、手段を確認して行こうと思う。まずは、鍵を開ける方法。

とは言っても、僕は鍵を持っていない。なら、どうするか。

それは、細長い棒のようなもので上手く動かすのさ!


過去に何度か経験のあることだから、今更てこずることもないだろうし、自信はある。

ただ、一つ問題なのが、

鍵をガチャガチャといじる訳だから、その音が少しの間聞こえてしまうこと。


次に、窓からの侵入。

これは、内側から鍵をかけられてたら完全にアウトだから、

選択肢は二つに一つみたいなものだよね。


まずは、窓からの侵入を図る為、もう一度外に出る。

その時、琥珀君のことが気になって屋根に上ってみたけど、

琥珀君の姿はそこになくて、がっかりする。


一瞬だけ、探しに行こうかなって思ったけど、

下手に追いかけてしまうと余計に酷くなっちゃうタイプの人だろうなって思い返して、

亜修羅の部屋の窓まで寄り道抜きで走って行った。


カーテンまでは閉めてないみたいで中の様子は丸見え。

無防備に寝てるところからして、僕が侵入して来ることなんて考えてないみたいだ。

そう考えるとなんだかワクワクして来て、自然と口が笑う。

だってさ、普段物凄く馬鹿にされて来たからね。

ちょっとでも自分が「勝ってる!」と思える今が最高に楽しいんだよ!


多分、閉ってるだろうなと思いながら窓を開ける。

すると、驚くことに、窓の鍵はされてなかった。


「おおっ・・・・」


無意識にもれてしまった声を響かせないように慌てて口を塞ぐ。

その際、バランスを崩して床に落下しそうになったけど、何とかギリギリセーフ!


心の底からの安堵のため息を声を殺して吐くと、静かに部屋の中に下りる。

どうしてこんなに静かに行動をしているか。

それは、他のみんなを起こしちゃったら申し訳ないなって気持ちもある。

でも、一番大きいのは、脅かしてやりたいんだ!


いつもだったら、寝てる最中に驚かしてもほぼ驚かない。

むしろ、物凄く不機嫌な顔で頭を叩かれる。

だけど、今みたいにみんながバラバラに寝ていて、

この部屋に自分以外の存在がいないと思っている場合では、違うかもしれない。

それを確かめるべく、僕はここまで足音も息も殺してる訳だ。


部屋の中は当然のこと真っ暗で、月の光ぐらいしか足元を確認出来る光がない。

だから、ここは念には念を入れて、

最初は手で空間を把握してから、歩みを進める形に至った。


窓からベットまでの距離はせいぜい3歩程度。

それでも僕は、真剣だった。驚かせる為に・・・・。


僕が部屋に入ってからと言うもの、眠りが浅くなったのか、

何度も寝返りを繰り返していた。

その度に僕は歩みを止めて、自らの気配を殺す。

まるで、スパイになったみたいで、凄く楽しかった。


「・・・・よーし」


声にならないような声でつぶやくと、僕はその場に腰を下ろす。

今は、ベットから0歩の距離。

ここまで近づけば、大声を出すだけで驚かせることは出来ると思う。

ただ問題なのは、僕がいる方向とは反対の方向に寝返りを打っていると言うこと。

だから、タイミングは次にこっちを振り返った時にしようと決めたのだ。


しばらくの間、時計の音だけが聞こえる。

僕達が貸してもらった部屋はもともと倉庫のように扱われていた場所らしいから、

一つ一つの部屋に時計があることに、少しだけ感動したのを覚えてる。


次に僕が目をつけたのは、枕元においてある不思議な機械だった。

ケータイとは違うんだけど、ゲームでもないような見たこともない形で、

とてもじゃないけど、名前をつけることは出来ない。

ただ、なんだかゲームっぽい雰囲気を感じた。


本当は、触って遊んでみたりしたいところだけど、

勝手にやってバレたら怒られちゃうだろうから、何とかその欲求を押さえ込む。


・ ・・・それにしても、だ。

亜修羅は、まるで、僕がここにいて

次に寝返りを打ったら驚かされることがわかっているかのように、動くことを止めた。


さっきまでは頻繁に寝返りを打ってたから、

まさか、こんなに待たなくてはいけないことになるとは思ってもみなかった。


部屋の中は暗いから、時計があることを確認することは出来るけど、

今が何時なのかを知ることは出来ない。多分、既に1時を過ぎてることは確実だと思う。


そうなって来ると、いい加減、待つ体制を止めなければなと考える。

だって、もう遅いんだもん。お化け出て来ちゃうよ。


こうなったら、予定を変更するしかない。

亜修羅を起こさないようにゆっくりと立ち上がると、

限りなく亜修羅の近くまで身をかがめて、大きな声で言った。


「起きてーーー!!」


すると、びっくりしたのか亜修羅は勢いよく起き上がった。

その動きはとてもすばやくて、

出来るだけ亜修羅の方に身を傾けていた僕も、巻き込まれた。

うん、簡単に言うと衝突だね。


「いったいなぁ!!」

「はっ!!?」


イマイチ状況が飲み込めていないらしく、

思い切りぶつけた頭を押さえながら僕の方を向いた。

そして、全てを悟ったようで、みるみる表情が険しくなって行く。

それを見た途端、僕の警戒信号はサイレンを鳴らし始めて、慌てて耳を塞いだ。


「お前!なんでここにいるんだ!!」

「ああっ、そんなに怒らないで!」

「うるさい!これが黙っていられるか!どうやって入って来たんだ!!」


「ああ、えっと、忘れちゃいまして・・・・」

「ふざけるな」

「とっ、とにかく、今は真夜中だから、静かにしましょ、ね?」


懇願すると、亜修羅は僕の頭をグーで叩いた後、ため息をついた。

それで、ようやく心の苛立ちは収まったようで、ホッとため息をつく。


「そんな態度をするならやるな。心臓が止まるかと思ったぞ」

「だってさー、いっつもいい反応してくれないから、今回はどうかなーって」


「・・・・寝る前に言っただろう。

『例えお前が眠れなかったとしても、絶対に部屋には入れないからな』って。

邪魔をするなってことだよ」


「いいじゃん、入って来ちゃったんだし」

「どうやって入って来たんだよ」

「えっ!?そっ、それは、企業秘密ってやつですよ・・・・」


「ダメだ。俺に迷惑をかけた以上、お前には言う義務がある」

「えーっ、やだよー!」

「じゃあ、出てけ!」


無理矢理腕をつかまれて引きずり出そうとするから、

僕はそれに対抗するようにその場で何とか踏ん張る。


「なんだよ、邪魔するなよ!」

「話しをしたくて来たんだい!怒られに来たんじゃないんだい!」

「・・・・またか」

「そうですよ!」


僕がニコニコして返事をすると、諦めたようにため息をついて、僕の腕を放した。

それを、話してどうぞととった僕は、早速口を開いた。


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