表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
想造世界  作者: 玲音
第五章 新しい出会い
460/591

第一印象巻き返しへ

「あれ?」

「ん?どうした?」

「石村さん、一人で二階に上がっちゃったから・・・・」


「ああ、友美のことなら、大丈夫よ」


「いいんですか?」

「うん。きっと、一人で色々考えるつもりだろうから」

「そうですか・・・・」


色々って、何を考えるんだろうって思う。

さっきの様子だと、亜修羅のことを考えてたのは絶対だ。

となると、一人で亜修羅のことを考えるの?なんで??


「ねえねえ、なんで一人で考える必要があるのかな?」

「え?」

「今の会話!」


「あっ、えっと・・・・多分、単純と言われていたので、

もしかしたら、自分の考えていることを知られたくなくて、

自分の部屋に戻ったんでしょうか?」


「ああ、なるほど!」


ようやく理解出来た。僕も、中々単純と言われることが多い。

でも、悪巧みをすることに関しては頭が働くらしい。

・ ・・・誰が言っていたと言わなくてもわかるだろうから、あえて名前は伏せておくよ。


でも、まさか、栞奈ちゃんが一緒にいるとは考えてなかった。

だから僕は、無理に来るように頼んだんだ。

栞奈ちゃんが一緒にいると知ってれば、いくら僕でも、こんな無茶なことは言わない。

空気が物凄く気まずくなることはわかってるから。


僕達だけで帰れないことはないし、泊まるなんて嘘だし、

ただ、亜修羅をここに連れて来るだけの口実だったのに・・・・

うーん、亜修羅の言う悪巧みって、こう言うことを指すのかな?


「ねぇ、丘本君」

「はい、なんでしょう?」

「栞奈さん・・・・って言うのかな?」

「あ、はい。栞奈ちゃんですけど・・・・どうしましたか?」


声を殺して聞いてくるので、僕も声を殺して答える。

トランプの順番は僕で止まっていたので、カードを出そうとした時だった。


「あの子と伊織君の関係を教えて欲しいの」

「えっと、栞奈ちゃんは、修の幼馴染です。多分、10年以上の付き合いだと・・・・」


二人がどれぐらいの年から幼馴染だったか、僕は知らない。

聞いたことがなかったし、聞いても答えてくれそうにないから。

だから、6歳ぐらいからかな?と憶測で答えてしまったのだ。


「長いわね」

「うん、長い」

「大変だね」

「・・・・え?」

「あっ、ううん。こっちの話」

「そうそう、こっちの話」

「そっ、そうですか・・・・」


苦笑いを浮かべると、こちらも不思議そうにしている桜っち達に話しかける。


「ねえねえ、やっぱりさ、友達としては気になってるのかな?」

「そりゃそうだろ、気にする」

「僕もそう思います・・・・」


「ねぇ神羅、石村さんが今何やってるのか見てみてよ」


「・・・・いいのかよ?」

「大丈夫だよ!」

「・・・・」


神羅はそのまま黙り込むと、ため息をついた。

それを見て、この力を持っているのが神羅でよかったなってつくづく思った。

この技ってさ、いつ何時でも人の視点、もしくは様子を見ることが出来るものでしょ?

だから、女の子を覗くようなことをする人だってきっといるはずなんだ。


監視カメラや盗聴器なんて必要ない。証拠も残らず見ることが出来るんだもん。

だけど神羅はそんなことをするような人じゃないから、

女の子達のためにもよかったなってつくづく思うんだ。


「ね!」

「ん?」

「石村さん、どんな感じだった?」

「どんな感じって言われてもな・・・・。なんか、引き出し漁ってたぞ」


神羅がそう言った途端、

今までコソコソと三人で話していた石村さんの友達三人が食いついて来た。


「えっ、その引き出しって、勉強机の上から三番目の引き出しですか!?」

「えっ、ええ??」

「今話してた引き出しです!漁ってたんでしょ?」


石村さんのお友達三人が神羅に詰め寄って聞いているから、

神羅は困ってしまって、僕に助けを求めて来た。なるほど、そう言うことか。


「みなさん、神羅はうぶな子だから、そんなに近づかないであげてください!」

「はっ!?」


神羅のSOS信号は、どうやら違うところに発令されていたらしく、

僕が言葉を話した途端、思い切り腕を引っ張られて、文句を言われた。


「俺が困ってたのはそんなんじゃなくて、

どう答えたらいいかってことなんだよ!うぶじゃない!」


「あら、ごめんなさい?」


僕がニコニコして言うと、神羅はムカッとしたようで、小声で更に言葉を重ねて来た。


「凛の今までの行動全部しゃべっちゃうぞ」

「えっ・・・・え??」

「だから・・・・」


「ああっ、わかったから!!」

「どっ、どうしたの?」


「あっ、いえ、なんでもないんです!」

「それで、引き出しの中身、なんだったかわかります?」

「中身?」


「昼間に開けた時は一瞬しか見えなくて、何が入ってるのか確認できなかったんです。

全力で拒否されたので、中が物凄く気になるんですけど・・・・」


「んー、アルバムだな。写真がある」

「おおっ!」


石村さんのお友達さんはその言葉に満足したのか、

うんうんとうなずくと、今度は僕に詰め寄ってきた。


「栞奈さんって、いつもあんな感じなの?」

「あんな感じ?」


「物凄く気が強いじゃない。

あんまりこう言うことは言いたくないけど、気が強過ぎだと思うの」


「・・・・」


確かに、そう思われてしまうのは仕方ないかもしれない。

この人達は、栞奈ちゃんの気の強い部分しか知らない。

本当は優しくて、いつも僕達の世話を焼いてくれる栞奈ちゃんの姿を知らない。

だけど、栞奈ちゃんがそう思われるのは嫌だった。それが本音だった。


でも、一体どうすれば栞奈ちゃんに対する印象を変えることが出来るのかな・・・・。


今の栞奈ちゃんはかなりの不機嫌で、さすがの僕も簡単には話しかけずらい。

かと言って、このまま勘違いされたまま終わってしまうのも嫌だ。

どうにかならないかな・・・・。


「栞奈さんは、いい人ですよ。えっ、えっと、ただ・・・・

ちょっと、ある確定の人物にだけは気が強くなってしまうと言いますか・・・・」


桜っちが一生懸命言葉を伝えてくれる。

その言葉に三人はうなずいてるけど、いまいち納得出来てないようだ。

やっぱり、一度ついた印象は、自らで理解しない限り、変えることは出来ないと思う。


でも、どうしたらいいかなと考えていた時、

丁度いいところに亜修羅と栞奈ちゃんがキッチンから出て来たので、

僕は嫌がる亜修羅を輪の中に入れた。


「なんだよ!」

「一緒にトランプしようよ!」

「やらない!」


全力で嫌がって輪の中から抜けようとする亜修羅の腕を引っ張って、

無理矢理その場に座らせると、周りの人には聞こえないように耳もとで言った。


「栞奈ちゃんのこと、悪く思われたままじゃ嫌なんだよ。

だから、みんなで一緒にトランプをやれば少しは印象が変わるかなって思ったの。

でも、今僕が誘ったって栞奈ちゃんは聞いてくれないと思ったから、

亜修羅から頼んで欲しいんだ」


「・・・・」


なぜか僕の方をジーッと見ると、重いため息をついて、栞奈ちゃんに手招きをした。


「やれって言うの?」

「そうだ。どうせなら、やろう」

「・・・・ふぅ」


栞奈ちゃんはあんまり乗り気ではないみたいだけど、何とか輪の中に入ってくれた。


それを見て、石村さんのお友達さんが引きつった笑みを浮かべる。

その表情を見て、僕の考えは憶測ではなく、事実だと言うことがわかった。


「それじゃあ、もう一回ゼロからやり直しましょ!」

「それじゃ、私配るね」


石村さんのお友達さんの中の一人の人がそう言ってくれたので、僕は凄く嬉しかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ