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想造世界  作者: 玲音
第五章 新しい出会い
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不思議な世界の中で・・・・

(・・・・ここは?)


そう思って目を開ける。

何だか変な感じだ。まるで、自分の姿を夢で見ているような感じがする。


《花恋、聞こえるか?聞こえるなら、しゃべらなくていいから、聞こえると念じてくれ》


そんな聖夜君の声が直接頭に響いて来て、私は聞こえると念じた。すると、「OK」と聞こえた。


《どうやら成功したらしいな。今見えるその不思議な空間は、瑞人の意識の中だと思う。

今からカウントダウンをスタートするから、頑張って瑞人を探してくれ》


聖夜君がそれだけ言うと、何も聞こえなくなった。


私は、必死に呼びかけようとしたけど、なぜか声が思うように出なくて、ため息をついた。

こんな、言葉も話せないような状況で、どうやって瑞人を説得しろって言うのかわからない。


とりあえずは何をしていいのかわからないから、この不思議な空間を歩き出す。

今わたしがいる世界は真っ暗で、

まるで、自分がいる部分だけスポットライトを当てられているみたい。

それ以外の場所は真っ暗で何も見えない。


これじゃあ、瑞人の姿を見つけようにも見つけられる気がしない。

とりあえず、声は出せないから、心の中で瑞人を呼んで探してみる。


(瑞人、どこにいるの?いるんだったら、返事をしなさい)


そう言いながら歩いていた時、不意に、頭の中に直接声が響いて来た。


《・・・・花恋?》


その声は瑞人のもので、私が前を向いた時急に物凄い風が吹いて、

私は自分が飛ばされないように必死になる。気を緩めたら飛ばされる。それほど凄い勢いの風だった。


少しすると、その強い風は納まって、私は顔を上げる。

すると、そこには、白い砂浜と青い海が広がっていた。


今までずっと真っ暗だった為、わたしは少しだけホッとするけど、

瑞人はどこに行っちゃったんだろうと思う。

さっき声が聞こえたから、きっと近くにいると思うんだけど・・・・。


そう言って辺りを探していると、みつけた!

よりにもよって、水着を着た女達に囲まれてる!


それを見た途端、思い切りムカッと来て、ズンズン瑞人達のいるところへと歩いて行く。

瑞人も水着を来てるから、きっと、みんなで泳ぎに来たのかもしれない。

しかし、少しだけおかしいところがあった。


最初は気づかなかったけど、歩いて行くうちに気づいた。他の人がいないんだ。

とても広いビーチなのに、私(水着着ていない)と、瑞人と女達しかいなかった。


なぜ、かっこをつけて説明したのかと言うと、説明しておいた方がいいと思ったんだ。

ビーチにいるなら水着だろって思う人もいるだろうし。

そう思いながらズンズン歩いて行くと、心の中で思い切り瑞人を怒鳴る。


(何やってるのよ!!)


すると、瑞人はびっくりした様子でこちらを見て、まずそうな顔をした後、走って逃げていく。

そのスピードが半端じゃなくて、私は全然追いつけないまま疲れてしまった。


昔から逃げ足が速いところがあったんだよね、ほんと、嫌になっちゃう。


何とか息を整えて前を向くと、再び、最初の暗闇に戻っており、私は首をかしげた。

さっきのは幻だったのか。それとも、本物?


そう思って、よくよく考えてみれば、瑞人を説得ってどうすればいいのかなって思った。

それに、さっきみたいにあんなに早く逃げられちゃうのなら、

話すら聞いてもらえないんじゃないかって。


《3分経過》


そんな声が聞こえて、私は少しだけほっとした。

もう少し時間が経ってるかと思ってたんだけど、案外時間が過ぎていなかった。


(どこにいるのよ!!)


やっぱり怒って聞いてみる。しかし、今度は瑞人の声が聞こえないまま、時間だけが過ぎる。

さっきみたいに強い風が吹いて景色が変わる訳でもないし、返事も声って来ない。

どうしたらいいのかわからなくて、とりあえずは、歩き出そうと一歩を踏み出した時、

地面の感覚が急に失われて、私は落ちて行った。


どこに落ちるのかも、本当に落ちているのかもわからないまま、暗闇へと落ちて行った。


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