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想造世界  作者: 玲音
第五章 新しい出会い
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SFではありません

「瑞人の意識の中に入っていくって、一体どう言うことなの?」

「その説明は後だ。今は時間が無い」


そう言われても、何の説明も受けないと、私はどうしたらいいのかわからない。

だから、とりあえずは黙って聖夜君に引っ張られるがままに歩く。


「集中するのは得意か?」

「しゅっ、集中?」

「そうだ。強い念を送ることは出来るかって聞いてるんだ」

「・・・・わからないけど、多分、出来るのかな?」

「うん、それじゃあよかった」


聖夜君はそう言うと、地下にある沢山の部屋の中のある一室に入った。

そこには、瑞人の寝かされているベットと、なんだかよくわからない機械が二台あった。

一つは、一番最初に見た機械だから、精神を安定させるものだとはわかるんだけど、

その隣にある椅子のような形のものは、さっぱりだ。


「それじゃあ、これをかぶって、χに座ってくれ」

「えっ、えっと・・・・」

「χって言うのは、あの装置のことだよ、お姉ちゃん」


玲奈に小さく耳打ちされてようやく意味がわかると、

聖夜君の言うとおり、ヘルメットみたいな不思議なかぶりものを被って、χと言う装置に座る。


すると、聖夜君は私の座っているχと精神安定の装置を繋ぎ始めた。

そんな一つ一つの動作に私はドキドキする。

聖夜君は、瑞人の意識の中に入るとか何とか言ってたけど・・・・。


「それでは説明する。このχとΖ《ゼータ》を繋ぐと、接続部Bに繋がれた人物は、

接続部Aに繋がれた人物の記憶の中に入ることが出来る。

この場合、接続部Aは瑞人の方だから、花恋の方は接続部Bだ。ここまではわかったか?」


「うっ、うん・・・・」


多分、χって言うのは私の今座ってる機械で、

Ζって言うのが、精神安定を図る機械のことを指してるんだと思う。


まるでSFの世界みたいだなと感じながらも、聖夜君の説明を聞き逃すまいと耳に意識を向ける。

この話しは、少しでも聞き逃すと、全部がわからなくなっちゃいそうだからだ。


「そうか。それじゃあ、装置の説明はやめて、次の段階に行こう。

花恋は、これから瑞人の意識の中に入るが、

その後どうすればいいのかと言うことについて説明しよう。


とりあえず意識の中に入ったら、瑞人の姿を見つけてほしい。

これはきっと、自主的に目覚めを妨げている可能性があるからな。そこで、お前が説得するんだ。

目覚めるように。


しかし、人の意識に無理矢理入るということ、

それは、入る側も入られる側の人間共に負担が大きいことだから、30分が限界だ。

だから、三十分以内に決着をつけてくれ。

時間は僕達が花恋の脳に直接言い聞かせる形で伝えるから、安心してくれ」


「わかった」


「うん。物分りがいいな。もし三十分以内に説得出来なかった場合は、僕が強制送還させるから、

瑞人が目覚める確立はほぼなくなる。いいな。三十分以内に型をつけるんだぞ」


聖夜君の言葉に私は深くうなずくと、何度か深呼吸をする。

今は、色々余計なことを考えている暇はない。ただ、瑞人を助けることだけを考えなくちゃ。


「準備はいいか?」

「大丈夫よ」


「それじゃあ、目をつぶって瑞人のことを思い浮かべるんだ。

記憶でも思いでも何でもいいから、とにかく、瑞人のことを考えろ」


聖夜君の言葉にうなずくと、楕円形の蓋のようなものが閉じて、

私はχの中に閉じ込められたような形になる。しかし、不安は感じなかった。

瑞人のことをずっと考えてたから。


「うん、よし、OKだ。それじゃあ、χを起動させるぞ」


聖夜君のその言葉の後、ウィーンと言う機械特有の起動音が聞こえた後、私の意識は無くなった。


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