表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
想造世界  作者: 玲音
第五章 新しい出会い
425/591

100年経っても冷めない恋はあるようです

「・・・・はぁ」


最初のうちは笑顔で手を振って花恋さんを見送ってたんだけど、何だか急に悲しくなって、私はついにため息をついた。


花恋さんに言ったことは全部本当だ。100年とかって言うのもそう。花恋さんはきっと、「それぐらいの気持ち」としか受け取ってないと思うけど、実際私は、最低でも100年以上片思いを続けてる。


それは、苦難の連続だった。うん、あまりにもその時間が長過ぎて、諦めようかといつも思ってた。でも、どうしても諦めることが出来なかった。


人間界に来て知った言葉の一つ、「100年の恋も冷める」ってあるけど、もし実際そうなるなら、私はそうしたいと思ったことは何度もある。でも、私はどうしても亜修羅を嫌いになることはなかった。むしろ、好きになる一方で、今ではもう、ゲージがカンストしちゃってる感じ。


「100年も片思いを続けてたら、もう何をされても嫌いにはなれないよ」


ボソッとつぶやいてみる。さっきも言ったけど、何度も諦めようとした。うん、だって、亜修羅に好きな人がいるってずっと知ってた。しかも、相手だって亜修羅のことが好きだって気づいてた。私に気を遣って隠そうとしてたみたいだけど、二人の雰囲気でとてもよくわかる。


その様子だけを見ても、私は邪魔者でしかないと思う。二人は両思いなのに、私がいることによって、二人が気を遣ってて・・・・。


だから私は、何度も嫌いになろうとした。諦めて、違う人を好きになろうとしたけど、どうしても無理だった。あまりに長い間一緒にいるせいで、亜修羅の悪い部分とかをほとんど知っちゃってるんだ。それでいて好きなんだから、嫌いになれる要素が一つも見当たらないんだ。


何時間遅刻をされて約束をすっぽかされても、嫌いになれない。その場では傷ついて、「最低!」って思っても、しばらくしてもう一度顔を合わせると、なぜだか許してしまう。


それは多分、嫌われたくないって気持ちが作用してるんだと思う。あんまり長い間怒ってたり小さなことで怒ったりすると、嫌われちゃうんじゃないかって思って、平気なふりをしているのかもしれない。


そう思うと、何だか悲しくなる。そして、神様に聞いてみたくなる。私は、自分の気持ちをちゃんと伝えるようにしてるから、受身な訳じゃない。ずーっと片思いを続けて来た。100年以上も。それなのに、どうして両思いにしてくれないんですかって、聞きたい。


もし、私に何かが足りないのであれば、私はちゃんと努力をするし、頑張る。もしかしたら、「死んでくれ」って言われても、従っちゃうかもしれない。・・・・あっ、やっぱ、それは嘘。


うん、とにかく、大体の言うことは聞くし、改善する。可愛くないなら、可愛くなれるように努力をするし、性格を変えろって言うなら、是が非でも直す。それくらいの覚悟はある。


だから、「私って、何か欠けてる部分があるの?」って何度も聞いた。でも、その度に「特にない」って言われるんだ。だから、これは自分で考えなくちゃいけないことだと思って、色々直した。でも、まだ、ダメなんだ。


「・・・・やっぱり、私は死ぬまで片思いなのかな」


そう思うと何だか悲しくて、涙が出そうになる。花恋さんにはあんなこと言ったけど、多分、私は無理だと思う。もう100年も片思いしてるのに振り向いてくれないんだからさ。


でも、花恋さんは違う。まだ十数年しか経ってない。これぐらいなら、まだ間に合う余地は沢山あると思う。だから、頑張って欲しかった。諦めないで欲しかった。


半ば似たような状況であるから尚更だった。ただ、決定的に違う部分と言えば、両思いの人がいないってこと。二人だから、何とか頑張れば、振り向いてもらえると思うんだ・・・・。


「・・・・よしっ、うじうじ考えてても仕方ない!早く元の姿に戻ろうっと!」


自分自身を勇気付ける為にそう言うと、花恋さんから受け取った薬を飲み込み、いつもの姿に戻る。

元の姿に戻ってしまったから、もう、亜修羅に本心を聞くことは出来ないかもしれないけど、それでいいと思う。


私は、嫌いになることが出来ない。だから、この物凄く苦しい状況を打破するには、振り向いてもらうしか方法がないんだ。


その確立は0に近いかもしれないけど、私は諦めない。諦めようとして諦められないなら、諦めないで頑張るしかないんだもん!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ