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想造世界  作者: 玲音
第五章 新しい出会い
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人のプライベートスペースは勝手に見ちゃいけません

「着いた着いた~!あーっ、疲れた・・・・」

「疲れるほど歩いてないんじゃない?」

「気疲れってやつよ!」


「ええーっ、どちらかと言うと、私の方が・・・・」

「何?」

「なんでもない!」


「あっ、そうだ!私さ、あのお菓子食べたいんだけど、まだある?」

「あっ、この前食べた和菓子?」


「そうそう!綺麗だし美味しいからさ。確かあれ、ここじゃ売ってないんだっけ?」


「うん。親戚のおばさんが来た時に持って来てくれてね、こっちでは売ってないみたい」

「そっか・・・・それは残念だなぁ・・・・」


美香はそう言いながら、私の勉強机の引き出しを開け始めた為、私は慌ててそれを阻止する。よりにもよって、一番見られてはいけないところなのに・・・・。


「えっとさ、何やってるの?」

「え?引き出しを開けようかな~って」


「そうじゃないでしょ!もう!勝手に机の引き出し開けないでよ!」


「どうして?」

「見られちゃいけないものが入ってるの!」


そう正直に言ってしまった自分を私は思い切り責めた。嘘をつくのは物凄く苦手な性質の人間だけど、ここまで素直に白状するとは自分でもびっくりだ。


出来れば聞き逃してくれていたらいいなぁ~と思いながら、チラッと美香達の方を向くと、三人はとても楽しそうに満面の笑みを浮かべていて、私は深いため息をついた。こればっかりは、自分が悪いとしか言いようがない。誰かのせいにしようとしても、それすら出来る余地がないもん。


「・・・・見られちゃいけないものって・・・・何?」

「えっ!?えっと・・・・とっ、友達と撮ったプリクラだよ!」


「嘘!そこまで必死に隠そうとするようなものには思えないし、見られちゃいけないってことは知られたくないはずだから、素直に白状するのはおかしい!」


「うっ・・・・」


優奈の言葉は最もで、私はそれ以上何も言えなくなる。・・・・でも、絶対見られたくない。


「見せなさい!」

「ダメ!人権があるから!」

「どっ、どう言う意味なのかさっぱりわからないんだけど・・・・」


「とにかくダメ!絶対絶対、ぜーったいダメ!」

「・・・・珍しく友美が強い口調だね」

「そうね。よっぽど見られたくないものなのね」

「それじゃあ、無理に見るのは悪いか」


三人がそう小声で会話しているのが聞こえて、私はゆっくりと首を縦に振った。ようやくわかってくれたのかと思って、私は嬉しかったんだ。


「わかった。もう開けようとはしないからさ」

「そっか、よかった」

「うん。あっ、そうだ。喉が渇いちゃったんだけど・・・・」

「あっ、じゃあ、今何か持ってくるね!」


私はそう言うと、急いで階段を下りて行って紅茶をいれると、こぼさないように慎重に階段を上って来た。


「遅くなってごめんね、慎重に上って来たら・・・・」


そう言ってドアを開けた途端、私はおぼんを落としそうになった。だって、美香達が私の引き出しを開けて、中を見ていたんだもん。


「ちょっ、ちょっと!何やってるの!!」

「あっ・・・・」

「酷い・・・・」

「とりあえず、閉めて!」


私は何とかお盆を床に置くと、固まっている三人の間から手を入れて引き出しを閉めた。


「今ここで見たことは内緒ね!」

「うっ、うん・・・・」


「絶対誰にも言わないこと!いい?」


「わっ、わかったって」

「うん、それならよかった」


私がそう言ってみんなに紅茶を配っていた時、今までずっと鳴らなかった私のケータイが鳴り出して、三人の興味は引き出しから私のケータイへと変わる。


「伊織君から!?」

「うっ、うん・・・・」

「見せて見せて!」

「えーっ・・・・」


私は何だか嫌な予感しかしなかった。と言うのも、小さくなった伊織君は、私に敬語を使ってた。だから、メールの文面も敬語のような気がしてならなかった。それだと色々ややこしくなるから、見せたくなかったんだけど・・・・。


そう思いながらもメールを開いてみる。


「えーっと、『どなたか存じませんが、僕は違います。失礼しました』・・・・って、何これ?」


「わっ、わからない・・・・」

「暗号?」


「じゃないんじゃない?」


「・・・・返信したら?」

「うっ、うん・・・・」


優奈達に言われて戸惑いながらうなずくものの、なんて返信したらいいのかわからなくて、とても困る羽目になった。


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