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想造世界  作者: 玲音
第五章 新しい出会い
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色んな意味で常識が通用しない人です

「こっ、こんなことしてもいいのかな・・・・?」

「バレなきゃいいんだ。それよりも、ちゃんと見てろよ」

「うっ、うん・・・・」


聖夜君は、バレなきゃいいって言ってるけど、私達、結構目立ってる。だって、白衣を着た金髪の親子が、高校生二人と女の子二人の様子を覗いてるんだもん・・・・。そりゃ、目立っちゃうよ。


「むっ、むしろ、金髪サングラスって目立つんじゃないのかな?」

「確かにな。なら、いっそのこと黒服に着替えた方がいいのか・・・・」

「それは、もっと目立っちゃうって!」


「それじゃあお前は、なんの服が一番目立たないと思うんだよ?」

「えっ、えっと・・・・。普通の服がいいかな?」

「・・・・変装も何もするなと」


「うん。白衣を脱いで、サングラスを外すだけでも大分変わるかも。もしくは、帽子を外すとか」


「・・・・」


聖夜君は最初、私の言葉に否定的だったけど、やがて仕方なさそうにうなずいて、白衣とサングラスを取ると、私に渡して来た。


「わっ、私が持ってるの?」

「僕は、パソコンで色々調べなきゃいけないから、お前が持っててくれ」

「でっ、でも、パソコンなんて・・・・」

「ほら、これだ」


そう言って聖夜君がポケットから取り出したのは、電子辞書ぐらいの大きさの機械で、私はびっくりする。普通の人は、これをパソコンとは言わず、電子辞書と言うと思う。


「これは、超コンパクト且つ、軽量化に成功した高性能のパソコンだ。ちなみに、容量は、従来のパソコンの三倍はある」


「すっ、すごい・・・・」

「まあな」


聖夜君は少し嬉しそうに言うと、直ぐに真顔に戻って、パソコンを起動した。私は、聖夜君に言われたとおり、ずっとお姉ちゃん達の様子を眺めていた。


小さくなったお姉ちゃんは、いつものツンツンとした感じはなくなっていて、凄いと思う。体が小さくなっただけでそれだけ変われるものなのかと思うと、私も姿を変えてみたくなる。でも・・・・。


チラッと聖夜君の方を向いてみる。真剣にパソコンの画面を見ている聖夜君の顔はかっこいい。うん、それはもう、この世のものとは思えないぐらい・・・・って、そんな言い方したら失礼なのかもしれないけど、凄くかっこいい。


今の年齢だと、たまに可愛さが垣間見れるけど、大人になったら、もう全部がかっこよくなっちゃうらしい。


「・・・・おい」

「えっ!?」


「僕じゃなくて、あいつらを見張ってろ。僕のことは見張らなくてもいい。逃げたりしないから」


「うっ、うん・・・・」


私の気持ちに気づいてないのか、それとも、気を遣ってくれたのか。そのどちらなのか、私にはわからない。聖夜君って、絶対に心を感じ取れるような人じゃないと思う。今は、こう言うことを考えてるのかな?とも想像出来ないんだもん・・・・。


「あっ、聖夜君、ファミレスの中に入って行っちゃったよ!」

「ファミレス?なんだ、それ?」


「えっ、えっと・・・・ファミリーレストランって言って、家族で食べるのに適しているような・・・・えっと、お値段で、お手ごろ・・・・なのかな?」


「美味いのか?」


「うん、私は美味しいと思うよ!あそこのお店、美味しいって有名だし!・・・・あっ、でも、聖夜君は、いつも美味しいご飯を食べてるんだよね・・・・?専属のシェフさんとかがいるの?」


「和食、洋食、中華、フレンチ、それから、ロシアとか、色々いる」

「えっ!?ロシア!?」


「うん。ロシア料理は、ロシアの人間が一番美味く作れるはずだ。だから、いる。インドの奴もいるぞ。カレー専門でな」


「えっ・・・・」


私は、あまりの徹底振りに、言葉が出なくなった。和食とか洋食とかのシェフがいると言うのなら想像がついていた。だって、聖夜君の家は凄い大金持ちなんだもん。でも、まさか、料理一つに専門のシェフがいるなんて・・・・。


「それじゃあ、和食とか洋食の区切りって・・・・」


「一番最初に挙げた五人のシェフは、常に家の厨房にいる。でも、後に行ったロシアとかインドとかは自分の国にいるから、食べたかったら呼び出す」


「・・・・へぇ」


気の抜けた返事しか出来ない。食べたくなったら呼び出すって・・・・。どれだけなんだろう・・・・。


「まぁ、この話はもういいだろう。とりあえず、後を追うぞ。ついでに何か食べよう」

「えっ、でも・・・・」


「今はお金を持ってないけど、カードがある。だから、好きなだけ食べていいからな」


「でっ、でも・・・・」

「お前、ずっと腹が鳴ってたのを我慢してただろ?聞こえてたんだぞ」


聖夜君のその一言に、私は一気に凍りついた。まっ、まさか、私のお腹の音が聞こえてたなんて・・・・。外の音が結構うるさかったから、聞こえてないと思ったのに・・・・。


「説明しておくと、僕は、昔スパイをやってたんだ。と言うことは、常に意識を耳や目、鼻などの五感に向けている。そうすると、それが段々日常化して来て、普段から、耳や目、鼻などが一般の人間よりも利くようになってるんだ。だから、結構な雑音の中でも、お前の腹の音は聞こえると思う」


そんな恐ろしい言葉に、私はよろよろと電柱に倒れ掛かる。


確かに、言われてる意味はわかる。何となく想像も出来る。でも、まさかここまでだとは思ってなかった・・・・。車とかが通って結構うるさい通りが近くにあるにも関わらず、私のお腹の音を聞き取るなんて・・・・。


「とりあえずそう言うことだ。だから、好きなだけ食っていい。その変わり、あまり目立つようなことはするなよ?」


「うっ、うん!」


私は、こればっかりは仕方ないなと思って、お腹が空いていたことを認めてしまった。恥ずかしいけど、音がずっと聞こえてたって言うなら、仕方ないもん。


「それじゃあ、ファミレスとやらの中に入るぞ」

「うっ、うん」


聖夜君の言葉に小さくうなずくと、私は、出来るだけ身を潜めるような形で聖夜君の後ろを歩いた。


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