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想造世界  作者: 玲音
第五章 新しい出会い
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答えが出たのに、また大きくズレました

「なぁ、花恋?」

「プールは行かないわよ」

「わかってるよ!だって、もう言ってないじゃん、それ」


「それでも釘を刺してるのよ。また、いつどこで言い出すかわかったものじゃないから」


「別に、そんなにしつこく言うつもりはねーし。でもよ、どうしてそんなにかたくなに嫌がるんだよ?」


立ち止まって聞いてみる。

すると、今まで平然と歩いていた花恋が顔を伏せて立ち止まるから、きっと何かがあるんだろうけど、中々話さない。


俺は、あれから、プールのことは一度も言ってない。だって、花恋が嫌そうだし、デートだと思ってくれてることがわかったから。

いくら俺が馬鹿だって言われてても、女の子が嫌がることをいつまでも言うほど馬鹿じゃない。


それにしても、まさか、デートだと思ってるとは思わなかった。

花恋にそう言われて、俺も気づいたんだ。確かに、これって、デートみたいだなって。


でも、だ。いつもの花恋なら、そんな勘違いをしないのに、どうしたんだろうと思った。

それに、昨日のこともそうだ。花恋は好きな人がいる様子だった。

それなのに、今日、俺と出かけている。それって、どう言う意味なんだろう・・・・?


もしかして、花恋が好きな奴って・・・・。


そう考えて、慌てて首を振る。ない!いや、絶対ないと思う。自分でもありえないことを思ったなと思って、ため息をつく。


俺が思ったこと。それは、花恋の言っていた奴は、俺なんじゃないかって一瞬思ったんだ。ちゃんと理由だってある。


理由その一。花恋の答えたカラーの色が、水色だったこと。俺も、水色が好きなんだ。

その二。神羅の言葉。あいつ、「気づいてないのか!」みたいなことを言ってたからだ。俺は、あれの意味がわからないけど、もしそうなら、神羅の言葉の意味がわかる。

理由その三。今日、俺と出かけていること。俺の教えたおまじないは本当によく効くから、あの時花恋に電話をかけた奴がいたはずだ。それなのに、俺と出かけてるってことは、俺のことを願ったと考えられるからだ。

理由その四。俺と出かけることをデートだと思っていたこと。これが、一番の理由だ。


でも、これって、よくあることなんだよな。うん、俺は遊ぶつもりで声をかけても、デートだと思っちゃう子も何人かいるし。そう言う意味では、俺の考えは違う可能性が高い。


うーん、そうしたら、花恋は、一体誰が好きなんだろうな・・・・。


「なぁ、花恋?」

「公園ならいいわよ」

「そうか!じゃ、あそこに入ろうぜ。ちょっと歩き疲れたからな!」

「そう」


花恋が、相変わらずそっぽを向きながら答える。その様子は素っ気なく、俺の考えが明らかに間違っていることを物語っている。


周りの奴等が言うには、花恋は、「ツンデレ」と言う属性らしい。でも、俺は、イマイチそれがわからない。ツンの部分は大いにわかる。

だって、いつもそうだからだ。でも、俺は、花恋のデレと言うのを見たことがない。だから、ツンデレのデレを知らないのだ。


いや、そんなことよりも、花恋が誰のことが好きなのかと言うことを考えるのが先だ。

あの花恋が好きになる人を、俺は見て見たい。

幼馴染だから、もう十年以上一緒にいるのに、花恋のそう言う話は聞いたことがないんだ。だから、是非、それを応援したい。いつも世話になってる身だしな。


そう思いながら公園に入った時、見覚えのある顔を見つけて、思わず手を振って走り寄る。すると、一人はうんざりしたような顔をして、もう一人は不思議そうな顔をした。


「なんだ、デート中か?」


俺が聞くと、隣にいた女の子が赤くなって顔を下に向ける。

しかし、修はと言うと、普通に首を振っている。それを見て、俺は、酷いなと思った。

せめて、もう少し柔らかにデートじゃないことを主張できないのかと思ったんだ。


「せっかくの冬休みだから、たまには出かけようと思っただけだ」

「ふ~ん、そうか。そっちの子の名前は?」

「栞奈だ。幼馴染の」

「そうか~」


俺は相槌を打ちながら、栞奈ちゃんの前まで歩いて行く。かなり可愛い顔をしていたから、せめて、名前だけでも知りたかったんだ。それから、出来れば、俺の自己紹介も。


「俺、有澤瑞人。よろしく!」

「あっ、えっと・・・・はい。私は栞奈です。よろしく」


栞奈ちゃんが、相変わらず不思議そうな顔で自己紹介をする。

俺は、にこやかな笑顔で握手をしようとする・・・・が、花恋が腕を引っ張って、それを阻止する。俺は、そんな突然の行動に、思わず小声で抗議する。


「なんだよ!」

「触らないの!」

「別に、握手ぐらいいいだろ?」

「ダメ!」

「・・・・ちぇっ」


俺は、どうしてそんなに全力で阻止されるのかわからないけれど、その場は諦めることにする。

別に、変なことをしようなんてかけらも思ってない。だって、栞奈ちゃんは修のことが好きみたいだし、栞奈ちゃんに手を出したら、修に何を言われるかわからないしな。


俺はそう思ってため息をつく。そして、公園の外に出ようと花恋を促そうとした時、花恋と修が何だか仲がよさそうに話してるのが見えた。

俺は、話しかけようかかけまいか迷ったけど、もう少し距離を置いて、その様子を眺める。


花恋は照れているようで、顔を赤くしながらモジモジしている。でも、ちゃんと話は出来ているようだ。

しかし、その口調にトゲがない。いつもなら、バラ園に投げ入れられたほど沢山あるトゲが、全部とられてしまったかのようにないんだ。

今までに見たこともないほど丸い物腰の花恋に、俺は気づいた。気づいてしまったんだ。


花恋が好きな奴って言うのは、修のことなんだって。


そして俺は、更に考える。とは言っても、修のことが好きな理由って言うのがまだ揃っていない。行動を見れば、明らかに好いているけれど、それだけじゃ、確証は得られない。なら・・・・。


俺は、大きく深呼吸をすると、会話の邪魔をすることを申し訳なく思いながらも、修に話しかける。


「修、ちょっといいか?」

「なんだよ」

「いいから!」


俺は、いぶかしんでいる修の手を引っ張ると、花恋達がいるところから離れた場所まで歩いて行った。


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