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想造世界  作者: 玲音
第五章 新しい出会い
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家の中で走るのは危険です

「・・・・だよ。・・・・でも・・・・だから」


近くで誰かが話しているような声が聞こえて、僕は、うっすらと目を開ける。そこには、白色の天井が見えて、僕は首をかしげる。イマイチ、自分がどこにいるのか把握出来てないのだ。


「あっ、起きた?」

「・・・・ん?」


僕は、なんだかダルい体を無理矢理動かして後ろを振り返る。すると、制服姿の黒川君の姿が見えた。


「おはよう」


「あっ、おはよう。・・・・あれ?僕、どうしてここにいるんだっけ?なんか、昨日のことがあんまり思い出せなくて・・・・」


「凛君は、昨日熱を出して倒れちゃったんですよ。それで、番長の家に来たって経緯です」


「あっ、桜っち!おはよう!」

「あっ、はい。おはようございます。熱の方は大丈夫ですか?」


「うん、多分ね。まだ体がちょっとダルいけど、それ以外は、特に異常なし!こんなもん、元気があれば、吹っ飛ばせる程度だね!」


「そうですか。それはよかったです」

「それじゃあ俺、見回りに行ってくるから」


黒川君の言葉の意味がわからなくて僕は首をかしげたけれど、桜っちはなんのことを言っているのかわかっているみたいで、笑顔で手を振っていた。だから僕も、とりあえずは手を振るけど、黒川君がいなくなった後、ちゃんと、しっかりと聞くつもりだ。


「で、桜っち。一体どう言うことだい?」

「え?何がですか?」

「黒川君の言っていた『見回り』ってことだよ」


「ああ、そのことですか。見回りって言うのは、そのままの意味で、高徳中を見回りに行くんですよ」


「冬休みなのに??」

「はい。この前は、事の成行きで、見回りについて行ったんですけど、凄く怖かったです」

「それはそれは・・・・。あれ?そう言えば、亜修羅は?」


「修さんなら、僕が竜さんのところに行った時にはまだ寝てましたよ」

「ええっ!?遅くない?」

「そっ、そうですね・・・・」


桜っちは苦笑いをしながらうなずいてくれた。けど、よく考えてみたら、僕も遅くまで寝てたって言えるよね・・・・まぁ、いっか!


「じゃあさ、とりあえず、竜さんのところに行こうよ!」

「いっ、いいですけど・・・・沢山の子供達がいますよ?」

「いいのいいの!神羅を起こして、情報交換だ!」


「はっ、はい!」

「じゃあ、出発!」

「えっ、あっ、ちょっと!!」


僕は、かなり慌ててる桜っちの手を引いて、竜君の家の前まで訪れる。しかし、そこまで来て、桜っちが慌てて僕の手を振り解く。


「あの、鍵かけてないですよ、番長の家!」

「あっ、そうだね。でも、鍵、持ってないんじゃない?」


「あっ、確かに・・・・。それじゃあ、外に出られませんね」


「もしかしたら、竜君なら鍵を持ってるかもしれないよ!聞いてみようよ!」

「えっ、あっ、ちょっ・・・・」


僕は、再び桜っちの手を取ると、竜君の家のインターホンを押した。


すると、ドタドタッと言う足音が聞こえた後、沢山の子供達と一緒に神羅が顔を出した。


「よぉ、どうしたよ」

「うーん、特に意味はないんだけど、情報交換しようと思って・・・・」

「情報交換?別に、交換するほどの情報なんてなかったと思うけど・・・・」


「まあまあ、上がらせて下さいよ。って・・・・なんか、大変そうだね。子供達に相当懐かれちゃって・・・・」


「まあな・・・・。俺を、上り棒か何かと勘違いしてやがるぜ」

「まあまあ、それじゃあ、上がらせてもらいますね~」

「下だとゆっくり話しが出来ないかもしれないから、二階に行って話した方がいいぞ」


僕がそう言いながら家の中に上がると、いつの間に隣にいた竜君に言われる。その突然過ぎる登場に、僕と桜っちは物凄く驚いたけれど、神羅は驚いてないみたいで、普通にうなずいている。


「あっ、お邪魔します」

「そんなに気使わなくていいんだぜ?」

「はっ、はい、でも・・・・」

「同い年なんだし、もっと気抜こうぜ!」


「そうだぜ、俺も最初は気使ってたんだけどよ、やめろって言われたから、気使うのやめることにしたんだ」


そう神羅は言うけど、普通は、気を使わないようにって考えてても、自然と気を使ってしまうものではないかな?と思う。特に桜っちは、僕らにさえ気を使う人なんだ。多分、気を使うなって言うことは難しいんじゃないかな~と思う。


「まっ、無理にとは言わない。無理に言ったら、それも気を使わせることになるからな。とりあえず神羅、子供達と一緒に遊んでくれてありがとな。凄い助かった。後は、俺がなんとかするから、お前は、二人と一緒に二階に行ってろよ」


「まあな。宿無しのところを救ってもらった訳だし、これぐらいはな・・・・って思ってたけど、結構辛かったし、ここは素直にその好意には甘えさせてもらうぜ」


僕は、そんな二人の会話を聞いて、自分は何もしなくていいのかなと言う風に思ってしまった。だって、よく考えたら、僕だって、無償で人の家に泊めてもらってるわけだ。だから、せめて、何かお手伝いでもしなくちゃね・・・・。


そう思ってうつむいていると、僕の様子に気づいたのか、竜さんが僕の頭にポンと手を置いた。


「子供は、そんな小さなこと気にするんじゃありません!」

「子供って・・・・」


「あっ、悪い気分にさせたら悪いな。なら、気にしなくていいってところだけ覚えててくれればいい。俺は、宿屋をやってる訳じゃない。それに、金を取れるほど素晴らしいサービスをしている訳でもない。だから大丈夫だ!」


「でも・・・・お金とかかかるんじゃないの?」

「ああ、金のことは心配すんなよ。なくなることはないから」

「・・・・?」


僕は、竜君の不自然な言葉に首をかしげるけれど、僕が聞こうとした途端、竜君が早歩きでリビングに入ってしまった為、結局聞けずじまいだった。


「そう言うことだから、俺じゃなくて、竜に遊んでもらえよ!」

「え~なんでさ」

「何でって、俺は、こいつらと話があるからよ」


「じゃあ、僕らもその話に交ぜてよ」

「ダメだ!大人の話だからな」

「そうやって大人大人って言って・・・・もういいよ!」


一人の男の子がそう言って怒ると、それにつられるようにみんなも怒り出して、バタバタと大きな足音を立ててリビングに入ってしまった。残された僕らは、チラチラと神羅の方を見る。何だか、気まずい雰囲気なんだ。


「・・・・たっ、大したこと話さない訳だし、いいんじゃないかな?」

「そうは言ってもよ、ちょっと疲れたんだよな。だから、休みたいんだよ」

「確かに・・・・子供達の相手って、凄く大変ですからね」

「え?そう??」


僕は、自分だけ意見が違うことに驚きを隠せなかったけど、とりあえず、何も言わないでおく。亜修羅がいたら、きっと「お前は子供だからな」とか言われちゃいそうだしね。


「まっ、とりあえず、二階に行こうぜ」

「うっ、うん」

「話したいこともあるしな」

「あれ?さっき、ないって言ってなかったけ?」


「今思い出したんだ。お前ら、そう言う話はきっと好きだと思うからな。まっ、楽しみにしとけよ!」


「おおっ、なんだ、わくわくすんじゃん。聞かせて聞かせて!」

「そうですね、そう言われちゃうと、物凄く気になりますよね」

「んじゃ、二階まで競争だ!」

「えっ、ちょっ・・・・」


急に、競争と言って走り出してしまった神羅に、最初は唖然としていたけれど、慌てて、それぞれ違う言葉を発しながら僕らは神羅を追いかけた。


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