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想造世界  作者: 玲音
第五章 新しい出会い
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恋の悩みも解決します!

「・・・・馬鹿にしたのは謝るわ。だから、そのおまじない、教えてくれる?」

「うん、いいよ。えーっと、それじゃあ、彼の好きなカラーは?」


「みっ、水色だけど・・・・」


「君は?」

「・・・・ピンク」


なんで、好きな色を聞かれるのかわからないけど、とりあえずは答える。今まで、そう言う類のおまじないは沢山やって来た。それでも、全く進展しなかった。だから、あまり期待はしていないけれど、もしかしたらって言う可能性を信じることにしたんだ。


「えーっと・・・・ピンクと水色の相性はいいみたいだね。ただ、ピンクを選んだ君は、もう少し攻めに入った方がいいかもしれない。要は、待ってるだけじゃなくて、デートに行きたいなら誘えってことだね」


「・・・・それが出来たら苦労しないわ」

「君から誘うことによって、一気に二人の仲が進展する可能性があるって!」

「・・・・どうして?」


「だってそう書いてあるんだもん。まぁ、そう言うことで、君から誘うことも大事ですよって言うおまじないの結果。それでだ。これから、おまじないのことを教えるね」


「・・・・今のはなんだったの?」

「カラー診断」

「何それ?」

「僕が考えた占い」


そう言われ、何だか一気に力が抜ける。この感覚も、結構身近で感じているはずだ。でも、とりあえず、そのことはおいておく。今は、おまじないの方が大切だから。


「それじゃあ、これ」


そう言って渡されたのは、ハートのビーズで出来たブレスレット。その色は、ピンクと水色。それから、小さめな白色の珠をもらった。


「ブレスレットは、水色の方を彼にプレゼントしてね」

「つけさせなくていいの?」


「持ってるだけでも効果があるから。でも、君は、そのブレスレットを毎日つけていること。それが、おまじないその一。それで、その真珠のような珠は、おまじないその二。この珠は、実は水に溶けるんだよね。だから、それを水の中に入れて精一杯祈るだけ。もし、その祈りが彼届いたら、きっと、彼からデートに誘われるかもしれないよ」


「そっ、そっか。ありがとう」

「ほら、丁度君の家にも着いたよ」

「ほんとだ。いつの間にそんなに歩いて来たのね」

「それでは、下りましょうか」


エンジェルの言葉にうなずくと、体が地面に向かって急降下する。そして、二階にある私の部屋の窓の高さまで下りて来ると、窓から部屋の中に入った。


「今日は、長い間付き合ってもらってすみませんでした」

「ううん。別に。気にしないで」

「それじゃあ、僕はこれで。また会う時まで」


エンジェルはそう言ってお辞儀をすると、私の部屋の窓から飛び降りたかと思ったら、さっきみたいに宙を歩いて行ってしまった。


私は、ため息をつくと、エンジェルからもらったおまじないを早速実施するべく、一階の洗面所に向かう。その途中、玲菜の部屋に寄ると、玲菜はぐっすり眠っていた為、かなり安心する。玲菜は、他の誰かに誘拐されなかったみたいだ。


音を立てないようにドアを閉めると、静かな足取りで洗面所に向かう。そして、エンジェルの言っていた、水に溶ける珠を、水の中に入れた。すると、入浴剤みたいにその珠が溶け出して、私は慌てて願い事を始める。


その時、急にケータイが鳴って、私はどうしようかと迷ったけど、仕方なく電話に出ることにする。


「もしもし?」

《よぉ、花恋。元気?》


聞こえて来たのは瑞人の声で、私は思わず背筋を伸ばす。まさか、こんなに早くおまじないの効果が出たのかな?いや、そんなことないよね、だって、まだ、願いはじめて一秒ぐらいなのに・・・・。


「げっ、元気は元気だけど・・・・って言うか、あんた今どこにいるの?さっき見た時、家の電気ついてないみたいだったけど・・・・もしかして、まだ女の子と遊んでるんじゃないでしょうね?」


《違う、違うって!エンジェルの姿を見かけてさ、追いかけてってたら道に迷っちまって、そのままウロウロしてたらこんな時間になっちゃった訳よ》


「・・・・ふーん。うそ臭いわね」

《嘘じゃないって!俺を信じて!》


「まあいいや。で、何?何の用事?私、今忙しいんだけど・・・・」


《あのよ、明日でも、二人でどっか行くか?》

「なっ、なんで・・・・?」


私は、出来るだけ動揺を悟られないように心がける。まさか、こんなに早くおまじないの効果が出るなんて・・・・。特効性の域を超えてると思う。でも、嬉しいから、そんなことは気にしない。


《なんでって・・・・特に意味はないけどよ、最近、花恋と遊んでないな~って思ってよ》

「へっ、へぇ~、そう。どこに行くつもり?」


《それは、まだ考えてない。でもまぁ、明日までには決めとくからよ、明日の朝、迎えに行くから》


「うっ、うん。たまには、あんたと遊ぶのもいいかもしれないわね」

《・・・・嫌か?》


そう聞かれて、私は思い切り首を振ったけど、言葉では冷静に対処する。


「別に。いいけど」

《んじゃ、決まりな。それじゃあ明日、楽しみにしてろよ~》


瑞人はそれだけ言うと、一方的に電話を切ってしまったけど、私は凄く嬉しかった。誰も見てないことをいいことに、飛び跳ねて喜んだ。


でも、その音で玲菜が目を覚まして、この姿を見られるのは嫌だなと思って、何とかジャンプするのはやめたけど、心が弾んでるせいか、自然と体まで軽くなる。


最近は、何かと嫌なことばかりだったけど、今日はとても嬉しくて楽しくて幸せだった。そのせいか、凄い眠気が吹っ飛んだ。でも、それじゃあ、明日の約束を守れないかもしれないと思って、静かに廊下を歩くと、やっぱり静かに階段を上り、自分の部屋に入ると、自分のベットにダイブする。


今の興奮状態じゃ、絶対眠れない。でも、眠らなくちゃ!


私はなんとかそう言い聞かせると、エンジェルからもらったブレスレットを机の上に置き、パジャマに着替えると、そのまま布団に入った。


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