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想造世界  作者: 玲音
第五章 新しい出会い
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どちらが正しいのか

「あっ、あれ?」


僕は、突然目の前から消えてしまった凛君を探してキョロキョロと辺りを見渡すけれど、凛君の姿が見当たらない。


僕は、凛君から片時も目を離していない。・・・・と言っても、角を曲がったりする時は別だけど、それ以外は、ずっと後ろを追いかけていた。・・・・それなのに、ある角を曲がった時、凛君の姿が消えてしまったんだ。さっき、凛君にバレてしまったように、それぐらい距離は近いから、角を曲がって見えない時間と言うのは、せいぜい十秒ぐらいなのに、その十秒の間で、凛君の姿が消えてしまったのだ。


しばらくの間、どうしようかとウロウロしていたけど、噴水広場のところに行けば見つかるかもしれないと思って、とりあえずは噴水広場に行くことにする。凛君は、栞奈さんに謝る為に外に出たんだ。その栞奈さんが噴水広場のところにいるんだから、きっと、凛君はそこにいるはずだ。


どうか、噴水広場のところに凛君がいますようにと願いながら噴水広場に行ったけれど、凛君の姿はおろか、噴水のところにいた栞奈さんの姿までなくなっていた。と言うことは、僕が凛君を見失ってうろうろしている間に、凛君はここに来て、栞奈さんを連れ帰ったってことだよね・・・・。


それがわかって、どうして自分があんなところでぐずぐずしていたのかと言うことが悔やまれる。竜さんに頼まれたのに。しっかりやるって言ったのに・・・・。


そうは思っても、既に凛君達の姿はなくなっている為、仕方なく竜さんのところに帰ることにした。怒られるかもしれないから、出来れば、帰りたくないと言う気持ちがあった。でも、そんな訳にもいかないもんね・・・・。


僕は、ふと噴水広場の近くにあった時計を見上げて、もう直ぐクリスマスが終わってしまうなと思った。今は、十一時五十分。後十分で、クリスマスは終わってしまう。そう考えると、少し寂しくなった。


ため息をつきながら歩いていた時、前を歩いていた人にドンッとぶつかって、僕は慌てて謝る。そして、顔を上げた時、何だかまずそうな雰囲気の人にぶつかってしまったなぁって思った。だって・・・髪の毛が凄く派手な色をしていて、ピアスとか開けてて、とても怖そうな顔だったんだもん。


案の定、僕の想像は当たっており、僕は、その人に腕を摑まれたか思ったら、裏通りに引きずられて行く。僕は、もちろん抵抗した。でも、相手が四人だから、僕の抵抗は大して効かなかった。


・・・・本当は、本気を出したら、この人達を振り払うのは簡単なんだ。でも、妖怪と互角に戦える程力のある僕が、人間相手に少しでも本気を出したら、怪我をさせてしまうかもしれないと思って、僕は、こう言う人達になにかされそうになっても、戦えないんだ。


「出せ」

「え?」

「金だよ、金。人にぶつかったんだ。詫びとして金を払うのが礼儀ってものだろうよ」

「・・・・」


僕はどうしようかと下を向く。そのどうしようかと言うのは、渡そうか渡すまいかってことじゃない。実を言うと、今の僕は、お金を一円も持ってないんだ。そこを悩んでるんだ。


「・・・・あの」

「あ?渡せないって言うんじゃないだろうな?」


「わっ、渡せないって言うか、持ってないって言うか・・・・今、お金を持ってないんですけど・・・・」


「嘘つくな」

「うっ、嘘じゃありません!」


僕がそう叫ぶと、僕がぶつかった人が残りの三人に何かを言って、僕の言っていることが本当かを調べさせる。


「・・・・飯田さん、こいつ、本当に何にも持ってないみたいですよ」

「そうなのか?」

「はい。金目になりそうなものもありませんし・・・・」


一人の人がそう言った時、尚も調べていた人が、僕の指輪を見つけて、それを取る。それを確認して、僕は慌てて取り返そうとするけど、残りの二人に押さえつけられて、僕の指輪は、ぶつかった人の手に渡る。


「・・・・こりゃ、金にはなりそうにねぇな」

「返して下さい!」

「でもまぁ、脅しかけりゃ、一円ぐらいにはなるだろ」


そう言って、その人がポケットの中に指輪をしまってしまう為、僕は、それを取り返そうと、押さえつけていた二人を強引に振り払うと、指輪を奪い返そうとするけれど、残っていた人がお腹を思い切り蹴って来て、吹っ飛びはしないけど、その場でよろける。


「おっ、お前、こいつの蹴り食らっても倒れねぇなんて、見かけによらず、中々タフな野朗だな」


「返して下さい!大切な物なんです!」


僕はなんとかそう言うけれど、後ろから思い切り蹴られて、再びよろめく。妖怪の力に比べれば全然平気だけど、僕が本気を出せないから、ある意味、最悪な状況だ。


「そうだ、いいこと思いつきましたよ。こいつ、どんなにやっても立ってるから、サンドバックにでもしてやりましょうよ」


「お前、いいこと言うじゃねぇか。丁度むしゃくしゃしてたところだ。この様子だと、いいサンドバックになりそうだしな。なら、もっと人目につかないところに移動するぞ。警察にでも見つかったら面倒だからな」


そう言って僕の腕を引っ張ろうとする人の手を、僕は払いのける。いつも思う。暴力で解決しちゃいけないことはわかってるけど、いざって時に力が出せないのはどうだろうかってこと。妖怪と戦えるほど力があるんだから、戦おうって。でも、怪我させちゃったらどうしようだとか色々考えてるうちに、結局殴られるだけ殴られて、相手がどこかに行っちゃうってことが多いんだ。


僕が手を払いのけたことにイラだったのか、ボス的な存在だった人が、僕のことを殴る。それに続いて、残りの三人も殴ったり蹴ったりして来たけど、僕は、倒れなかった。


「四人がかりで殴っても倒れねぇって、相当な忍耐力だぞ。こりゃ、楽しみだ」

「・・・・」


僕は、どうしても指輪だけは返して欲しいから、再び殴ろうとして来た一人の人のパンチを受け止めると、そのまま手を捻ってひっくり返す。


そんな僕の反撃に驚いたのか、残りの二人は少し驚いた顔をしたけれど、ボス的な存在の人は面白そうに笑ったかと思ったら、なんと!ナイフを取り出したんだ・・・・。


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