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想造世界  作者: 玲音
第五章 新しい出会い
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噛みあいませんね・・・・

「・・・・あれ?あの人ごみなんだろう?」

「パレードか何かやってるのかな!」

「ちょっと聞いてみるわ」


篠崎さんはそう言うと、人ごみの最後尾にいる女の人に話しかけている。そして、何回かうなずいた後、女の人にお礼を言って私達のところに戻って来た。


「どうやら、エンジェルを見かけたらしいんだけど・・・・今はどこかに行っちゃったみたい」


「そうなんだ・・・・エンジェル、クリスマスにも人助けをしてるんだね!かっこいい!」


「そうだね!私もそう思うよ!」


「・・・・それにしても、どこに行ったのよ、あいつは。展望台のところに来たのにいないじゃない!」


「うーん、もしかしたら、この沢山の人のせいで、わからなくなっちゃったのかもしれないよ?」


「・・・・」


なぜだか、篠崎さんは不機嫌になってしまって、私はどうしようかとオロオロしていると、玲菜ちゃんが肩を叩いて来て、小声で教えてくれる。


「瑞兄ちゃんのことになるとね、いっつも機嫌悪くなっちゃうの。だから、気にしなくていいんだよ」


「そうなの?」

「うん。いっつもあんな感じだから」


「そっ、そうなんだ・・・・・」


「だからさ、ちょっと遠く行こうよ」

「うっ、うん」


玲菜ちゃんに手を引かれ、少々イライラしている篠崎さんから離れた時、一人の人が空を指差し、「エンジェルがいたぞ!」と言った。


その言葉に、今まで下を向いていた人達が一斉に上を向き、私と玲菜ちゃん、篠崎さんも上を見上げた。


すると、展望台の真横に、エンジェルらしき姿を見つけた。私は、エンジェルのことを初めて見たけれど、凄くかっこいい・・・・予感がする。なぜ、後から予感とつけたのか。それは、正直言ってよく見えないのだ。


私は、目がそこまで悪い方ではないんだけど、エンジェルが結構高い位置にいるから、顔がよく見えないんだ。


エンジェルは、下にいる私達のことを笑うかのように、宙を走り出した。すると、それを追いかけるかのように、大勢の人が押し寄せて来て、私達は慌てて影に隠れる。


「どっ、どうしよう。エンジェルを追いかける?それとも・・・・でも、お兄ちゃん達どこに行ったのかわからないし・・・・」


「・・・・」


私達がそんな風に戸惑っている時、一人の男の人が目の前を早足で歩いて行くのが見えた。


「あれ?亜稀さんだ」

「知ってる人?」

「うん。瑞兄ちゃんの兄弟でね、瑞兄ちゃんより年上なの」

「そうなんだ・・・・。幾つ?」


「うーんと、確か高校二年生だったかな?」

「それにしては随分大人っぽく見えるね」

「うん」

「それよりも、どうして亜稀さんがここにいたのかが問題じゃない?」


篠崎さんに言われて、確かにと思う。でも、そこまで意味はないんじゃないかなって思った。もしかしたら、亜稀さんだってエンジェルのファンなのかもしれないし、色んな可能性が考えられる。


「・・・・とりあえず、家に帰りましょう」

「えっ!?なんで??」


「だって、みんながどこに行ったのかわからない以上、ここにいても仕方ないじゃない?」


「そっ、そうだけどさ・・・・」

「じゃあ、私だけ帰るね」


篠崎さんはそう言うと、本当に一人で帰ってしまった。私は、どうしようかと迷ったけれど、玲菜ちゃんはまだここにいたいみたいなので、一人で残すのも危険だと思って、私もここに残ることにした。


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