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想造世界  作者: 玲音
第五章 新しい出会い
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似た者同士、理解力もあるようです

「なぁ、族長、いい加減機嫌直せよ?」

「いじけてない」


「いじけてるとは言ってないぜ?」

「・・・・うるさい!」

「あ~あ、全く、めんどくさいことになったぜ」


神羅にそう言われて、俺は、机の下で神羅の足を踏む。すると、神羅が痛がって膝を机にぶつける。そのせいで、机が大きく揺れた。


「おいおい、あんまり暴れないでくれよ、俺達、一応飯食ってんだけど・・・・」

「聖夜を呼んで来る」


「そうか?聖夜はな、その部屋の奥の階段を下りた先にいるからよ、呼んで来てくれるなら助かるぜ」


「お前の為じゃない。堕天使の居場所を確認する為だ」

「へいへい」


俺は、ため息をつきながら立ち上がると、水斗に言われた部屋の中に入る。しかし、階段と言うものが見当たらない。


どうやらここは水斗の部屋のようで、色んなものが散乱していてとても汚い。


制服は脱ぎっぱなしだし、Tシャツやジーパンもその辺りに転がってる。しかも、教科書や鉛筆、漫画までもが部屋の中に散らばっている。そして、極めつけは、食いかけのスナック袋だ。そんなものが、ベットの上においてあったのだ。


俺は、それを見て無償に片付けたくなった。しかし、そう言うことをすると、絶対にお母さんだとか言われそうな為、なんとか目を瞑ろうとするけれど、いくらなんでも汚過ぎる。それに、階段って言うものも見当たらない。だから俺は、一回大きなため息をつくと、片付けを開始した。


聖夜以外は飯を食っている。だから、こっちの部屋に来る可能性がある。もし片付けてるところを見られたら、恥どころじゃすまないだろう。


と言うことで、俺はさっさと片付けた。こんな姿を誰にも見られたくないと思って。


約五分後、何とか片付けを終え、綺麗になった部屋をうなずきながら見渡していた時、一面だけ不自然な床を見つけた。こうやって見ると随分とわかりやすのだが、今まで気づかなかったのは、きっと、その床を隠すように服が積まれていたからだろう。


警戒しながら床をどかして見ると、地下へ繋がる梯子が見えた為、思わずため息をつく。


今、俺がこうやって片付けたから地下への道を発見出来たものの、片付けなかったら、この道を発見することはないだろう。まぁ、この場所に地下へ行く道があると知っていたら、また別の話だが・・・・。


とりあえず俺は、その梯子を伝って下に下りると、薄暗い地下を歩く。普通の家でも、地下室があることに驚いたが、まぁ、あいつの性格自体変なんだ。家も変だってことだろうな。


そんなことを思いながら歩いて行くと、一つの扉にたどり着いた。しかし、その扉は普通の扉ではなく、鉄製の重い扉で、しかも、暗号か何かを入力しないと開かないタイプのものらしく、俺はため息をついて立ち止まった。


強引に開けることも出来るだろうが、そんなことをするほど緊急でもない。しかし、俺は暗号みたいなものを知らないから、中に入ること出来ない。だから、どうしようかと迷いながら、暗号を入力する機械の前をウロウロしていると、その機械から急に聖夜の声が聞こえて来た。


《修か。どうしたんだ?》

「いや、用ってことはないんだがな・・・・飯のことだ」


《夕食か。そうだな、僕もそろそろお腹が空いた頃だし、準備も出来た。今からそっちに行く。待っててくれ》


聖夜はそう言うと、俺が何度話しかけても答えは帰って来なかった。俺は、ため息をつきながら扉の前で待っていると、かなりご機嫌な顔で聖夜が出て来た。


「やっぱり、水斗の家は最高だな!」

「・・・・は?」


「いや、何でもない。僕の家にはないような機械が沢山あって、調べ物や探し物、そのほか色々なことが出来るんだ。ほんとに最高だよ」


「・・・・邪魔だったか?」

「ん?何がだ?」

「お前は随分楽しそうだ。それなのに、俺が水を注したようなものじゃないか」


俺が聖夜から目を逸らして言うと、聖夜は首をかしげて考え込んだが、笑顔で俺の方を向いて言った。


「別に、僕は修を邪魔とは思ってない。むしろ、そう言うことを伝えてくれてよかった。でなきゃ、僕はあのまま餓死してただろうからな!」


「・・・・お前、笑うんだな」


俺がそう言うと、聖夜は顔を赤くしながら困ったような表情をした。別に、俺は変な意味で言った訳じゃないのだが、変にとられてしまったらしい。


「ちっ、違う!今のは作り笑顔って奴だ!お前がなんか変に気を使ってるから、あざ笑ってやったんだ!!」


相当慌ててるようで、何だか言っていることが滅茶苦茶になって来ている。俺が思う限りでは、さっきの笑みは、あざ笑うとか作り笑顔とかそう言うものじゃなくて、本当の笑顔だったと思う。しかし、本人は違うって言うなら違うんだろう。


「まぁ、本人が言うなら、そうなんだろうな」

「そうだ!そうに違いない!」


聖夜はそう言うと、元気に走り出した。そんな聖夜の様子を見て、俺も嬉しくなった。何だか自分らしくないとも思うが、こればっかりは仕方ない。感情なんて、自分らしさで制御出来るものじゃないからな。


走って行ってしまった聖夜を追いかけるように、俺も、早足で歩き出した。


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