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想造世界  作者: 玲音
第五章 新しい出会い
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裏でかなり頑張っていると言うのに・・・・。

「こちらの服なんてどうでしょうか?」

「・・・・どれでもいいって言ってるだろ?」


「しかし・・・・聖夜様に選んであげて欲しいと言われたので、私が勝手に決めることは出来なくて・・・・」


「じゃあ、俺の答えは、『お前がいいと思ったものでいい』だ。だから、お前が決めろ」

「そうですか?それなら、これでどうでしょう?」


そう言って、使用人と思われる女が提示して来た服は黒いタキシードで、極一般的なものだと感じた俺は、それでいいとうなずいた。


「そうですか!よかった・・・・」


俺のうなずきによっぽど安心したのか、その女は安堵のため息をついていた。きっと、聖夜直々に命令されたから、責任を感じていたのかもしれない。


「そう言えば、聖夜の奴はどこに行ったんだ?」


「聖夜様ですか?確か、知り合いに会いに行く!って言っただけで、廊下を走って行ってしまわれましたよ?」


「・・・・なるほどな」


どうしてあんなにソワソワしていたのかわからないが、多分、知人のことに関して何かあったのかもしれないな。


俺は、勝手にそう割り切ると、ため息をつきながら部屋から出て来た。すると、ちょうど聖夜と出くわした。


「お前、どこ行ってたんだ?」

「ん?ちょっとな。それで、ちゃんと服を選べたのか?」

「まあな。適当に選んだ。あいつ、しつこいからな」


「まぁ、そう言わないでやってくれ。お前はそんな性格だから、あいつを寄越したんだ」

「は?」

「気にしないでくれよ。さぁ、部屋に戻るぞ!」


出かける前とは打って変わってご機嫌な聖夜に、俺は戸惑いを隠せなかったが、とりあえず、無言で聖夜の後について行く。


きっと、この様子だと、またトランプにつき合わされそうだなと思う。出来れば、トランプは飽きたからやめて欲しい。


「大丈夫だ。今度は、ゲームをするぞ!」

「・・・・俺の心を読むなよ」


「別に読んでない。顔がそう言ってたからだ」

「・・・・はぁ」


俺がため息をつくと、聖夜は立ち止まり、俺のことを正面から見据えて来た。とは言っても、身長が小さいから、見上げていると言うのが正しい言葉かもしれないが・・・・。


しばらくの間、聖夜は俺の顔をじっと見ていたが、急にため息をついて、首に手を当てた。


「お前は大き過ぎだ。首が痛くなった」

「そんなの、お前が小さいからだろ?」


俺の言葉にカチンと来たのか、聖夜がムッとした表情をして、俺のことを突き飛ばしてきた。


「僕は小さくなんかない!クラスでだって大きい方なんだからな!」

「ああ、そうか。別に、お前の身長の高さなんて気にしないけどな」

「・・・・全く、人のことをいたぶるのが大好きなもの好きで馬鹿で最低な奴め」


聖夜は、不快になることを小声でブツブツ言っているが、俺は、そのことを無視し、聖夜がどこに行っていたのかを考えていた。


「聞いてるのか!?」

「ん?」

「聞いてなかったんだな!」


「ああ、まあな・・・・」

「全く、どうしてこうも・・・・」

「それより、どこに行ってたんだよ?」


俺がそう持ちかけると、聖夜は一瞬考え込んだ様子を見せたが、慌てて首を振った。


「ダメだ!教える訳がない!!」

「なんでだよ?」


「それは、色々と事情があるんだ」

「事情?」


「とりあえず、パーティーは七時から始まるんだ。それまで、僕のゲームに付き合ってもらうぞ!」


聖夜はそう言って話題を逸らしたが、どうも俺はそのことが気になって仕方がなかった。なんだかあまりいい予感がしないのだが・・・・。


そう思いながら、ふと壁にかかっている時計を見た。その時計は、六時四十五分を指していた。


「おい、時間見てみろ。もう直ぐで七時になるぞ」


俺がそう言うと、聖夜も時計を見上げ、舌打ちをした。


「全く、一時間遅らせとけと言ったのに・・・・」

「ん?」


聖夜の呟きが聞こえて、思わず聞き返したが、聖夜は慌てて首を振ると、ため息をつきながら俺のことを解放した。


「とりあえず、七時からパーティーが始まるから、それまでに準備をしててくれ」

「準備ってなんだ?」


「まぁ・・・・服を着替えたりとか、そんなことだ。準備が終わったら、僕の部屋に来てくれ」


「・・・・なんで、お前の部屋に来なきゃいけないんだ?」


「パーティー会場はここじゃなくて、別の場所にある。そこに、お前を連れて行かなくちゃいけないからだ」


聖夜はそれだけ言うと、俺がまだ何も言っていないと言うにも関わらず、勢いよく扉を閉めて、鍵までかけてしまった。


俺は、仕方なく、着替えたら聖夜の部屋に来ることにした。全く、あいつは自己中が過ぎるんだ・・・・。


そんなことを思いながら、ブツブツと文句を言う。しかし、俺も、あいつと似ているような部分がある為、あまり強く言えない。


俺もよく、凛に自己中だの強引だの言われるのだが、それは、凛だって変わらない。いや、凛の方が強引だし自己中だ。それに、いつも俺の腕を引っ張る。・・・・うん、あいつの方が自己中で強引だ。


俺は、そう答えを導き出すと、さっき選んだタキシードを着てみた。あまり着慣れない為かわからないが、あんまり着心地のいいものではなかったが、仕方なく聖夜の部屋に向かった。


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