表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
想造世界  作者: 玲音
第五章 新しい出会い
227/591

頼りになるのは、心強い味方です

「栞奈さん、やけにご機嫌ですけど、どうしたんですか?」

「えっ?う~ん、何でもないよ!」

「鈴香様、きっと、あれでございますよ、あれ!」


「えっ?あれ?」

「ああっ、言わないで!」


「ふふふっ、クリスマスと言ったら、あれしかないじゃないですか!ねぇ、栞奈さん?」

「もっ、もう!」


私は、恥ずかしさで顔が真っ赤になるのを感じた。亜修羅達は、水樹君の家に泊まってるみたいだけど、私は、仲良くなった鈴香の家に泊めてもらってるんだ。


「あっ、もしかして栞奈さん、デートですか!?」

「うっ、うん・・・・」


私がうなずくと、悠里さんと鈴香は二人で顔を見合わせると、キャーッと声を合わせた。それを聞いて、私は余計に恥ずかしくなって来て、ソファに置いてあるクッションで顔をうずめる。


「お相手はどなたですか!?」

「えっ、それは・・・・」

「あっ、もしかして、亜修羅さんですか??」


鈴香にそう言われて、私はクッションに顔をうずめたまま、うなずいた。すると、いまいちピンと来ていない悠里さんに、鈴香が、コソコソと話している。


「なっ、そんなにかっこいいんですか!?修さんは!!」

「えっ、う・・・・うん。そうだと思うよ・・・・?」


「そうなんですか・・・・・。私も、いつかそんなかっこいい人と出会える時が来るといいんだけどな・・・・」


そう言いながら、悠里さんがため息をつく。


あっ、そう言えば、まだ、悠里さんのことを話してなかったよね。悠里さんって言うのは、鈴香の家のメイドさんで、私達と年が近いからかわからないけど、話しのよく合うメイドさんのことだ。


「でも、悠里さんだって綺麗なんだから、きっと、素敵な人が現れてくれると思いますよ!そっ、それに、これは、デートと認識していいのかわからないですし・・・・」


私の言葉に、今までテンションの高かった二人が、不思議そうな顔をして私の方を向いた。


「どうして?」


「私ね、修とは幼馴染なんだけど、いつも、修の目に私は映ってなくて・・・・。だから、今回OKしてくれたのも、デートって認識がないからかもしれないからさ・・・・」


「・・・・片思いは、弱気になっちゃダメですよ、どんなことがあってもポジティブに行きましょう!でなきゃ、片思いで相手を思い続けるのは、とても苦しいことなので!」


「・・・・鈴香、もしかして、好きな人いるの?」

「えっ!?」


私の言葉に、今まで熱弁をしていた鈴香の顔が真っ赤になって、その勢いが失われる。


「図星なんだ~、ねぇねぇ、誰々?私、知ってる人?」

「えっ、それは、その・・・・」


モジモジしている鈴香に詰め寄ると、悠里さんが教えてくれた。


「鈴香様は、水樹様が好きなんですよね?」

「きゃーっ、言っちゃダメ!」


鈴香は、なんとか悠里さんの言葉を止めようとしたけど、ワンテンポ遅くて、今は、クッションに顔をうずめている。


「えっと・・・・水樹君って、あの可愛い子?」

「はい!とても可愛らしい方ですよ!」

「なるほどねぇ~、鈴香のタイプって、ああ言う子なんだぁ~!」


「もっ、もう言わないで下さいっ!そっ、それよりも、デートに行くんです。どうせなら、おしゃれして行きましょう?」


「えっ、えっ??」

「悠里、あの部屋に行くわよ!」

「はい、わかりました!あの部屋ですね!鍵取って来ます!」


私は、訳もわからないまま、鈴香に腕を引かれて、ある部屋の前に連れて来られた。


「何々?どこに連れて行くつもりなの??」

「せっかくのデートなんですから、おしゃれしましょう!だから・・・・」


鈴香がそう言った時、向こうの方から悠里さんが走って来て、硬く閉ざされた扉の鍵を開けて、中へ促してくれた。


私は、何が起こってるのかわからなくて、戸惑いながら中に入ってみて、とても驚いた。だって、かなり広い部屋の中に、沢山の洋服がズラーッと並んでたんだ。


「えっ、これは・・・・?」

「デートに来て行く服、この中から好きなのを選んでいいですよ!」


「えっ!?」


「遠慮しないで下さい!私は、栞奈さんの味方ですから!」

「あっ、ありがとう!」


私は、圧倒的な服の多さに気圧されそうになりながらも、鈴香に心からのお礼を言った。


「私も応援してますよ!」

「悠里さんもありがとう。うん、なんだか、勇気が出て来た!」

「それならよかったです。それじゃ、早速服選びをしましょう!」


鈴香はそう言うと、私の腕を引いて、沢山の洋服の中に入って行った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ