表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
想造世界  作者: 玲音
第五章 新しい出会い
204/591

怪盗と泥棒は、似ているようで、違うようです

「それでは、お部屋に・・・・」

「いや、一回外に出て空気を吸いたい」

「そうですか。それなら、こちらでございます」


執事はそう言うと、俺を導くように歩き出した。なんだか気分が晴れない。こんな時は、外に出て、夜空を見ながら空気を吸うのが一番いいのだ。


「こちらから外に出られると思います。では、私はこれで・・・・」


執事は俺に向かって一礼した後、足音を立てずに家の奥へと歩いて行った。俺はと言うと、大きく息を吐きながら、外に出て、妖怪の姿に戻ると、家の屋根に飛び乗った。


今日はクリスマスの夜だし、雪が降っているから、誰もとおりはしないだろうと思っていたんだ。それに、もう夜遅い。だから、少し気を緩めていたんだ。


しかし、俺の考えは間違っていた。なぜなら、俺の上空を白い何かが通って行き、隣の屋根に飛び降りたのだ。


最初は、それがなんなのか全くわからなかったが、どうやら人間のようだ。しかし、そいつの見た目はかなりおかしかった。白いハットに白いスーツ。おまけに白いマントをつけている。何だか、仮装大会にでも出て来そうな服を着た奴だったのだ。


俺が、不思議に思いながらそちらの方を向いていると、俺の視線に気づいたのか、その変な格好をした奴がこっちを振り向いて来たから、俺は慌てて人間の姿になろうとしたが、間に合わなかった。


「君は・・・・」

「お前、何者だ?そんな格好をしてるなんて、普通じゃありえないぞ」


「そんな言い方をしなくてもいいじゃないか。僕は変な人じゃないんだぞ?」

「・・・・そんな格好をしてて、よくそんなことが言えるな」


俺がそう言うと、そいつは少しムカついたのか、なんと、宙を歩いてこちらの屋根に来たんだ。


「驚いただろ?」


「・・・・別に、そんなことはない。と言うより、俺は、お前に何をやってるんだと聞いてるんだ。こんな夜中に、そんな白い服を着てバカじゃないのか?」


「その様子だと、僕のことを知らないみたいだね」

「知るかよ」


「・・・・少しは口を慎んだらどうだい?」

「お前は、何者だって聞いてるんだ」


俺がそう言うと、そいつはため息をつき、ポケットから何かを取り出した。それは、宝石のようなもので、キラキラと輝いている。


「これ、なんて言うか知ってる?」

「・・・・宝石?」


「そうそう。それを盗んで来た途中です」

「そうか・・・・」


俺は、そう言ってうなずこうとしたが、そいつの言った言葉を思い出し、よく考えてみる事にした。こいつが持っているものは宝石。それを盗んで来たってことは・・・・。


「お前、もしかして・・・・」

「おお、ようやくわかったようだね!」

「泥棒だな!」


俺がそう言うと、そいつは一瞬黙り込んだが、とても深いため息をついた。まるで、俺がボケたとでも言いたげな表情だが、俺は断固としてふざけてなんかいないぞ。


「確かに、間違っちゃいない。ただ、少し違うよ」

「・・・・じゃあなんだよ?怪盗とか言うのか?」

「ご名答」


その言葉に、俺は大きく息を吐くと、そいつの方を向いた。


「なんだよ、その目。まるで、僕が嘘をついているようじゃないか」

「・・・・嘘だろ?」


「嘘じゃないさ。でもまぁ、信じなくていい・・・・おっ、そろそろ追ってが来る。じゃあ、また明日!」


そいつは、最後に不思議な言葉を残して去って行った。一体、何が起こったのか全くわからない。それに、また明日って・・・・。明日もここに来るつもりなのか?


そんなことを思っていたが、俺は、今の自分の姿を思い出し、尚更不思議に思う。俺の今の格好は妖狐の姿で、こんな姿を見たら普通は驚くだろう。なのに、あいつは驚いている素振りを見せず、しかも、また明日と言った。それは一体何を意味しているのか・・・・。


もしかしたらあいつは、あの変な子供の仲間なのか・・・・?


そう一瞬考えたが、それはないなと首を振る。なぜなら、あいつからは妖気を微塵にも感じなかった。と言うことは、あいつは人間だ。しかし、なぜ、あいつは宙を歩くことが出来たんだろうか?


考えれば考えるほど訳がわからなくなり、俺はとうとう考えるのを諦め、さっさと眠ることにした。


あいつはまた明日と言った。俺のこの疑問は、明日になったら解決されるかもしれない。そう勝手に自己完結したのだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ